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火星の南極にドライアイスの雪を降らせる雲を確認

2012年09月17日 | 火星の探査
火星の南極では、これまで二酸化炭素の氷(ドライアイス)が存在することが分かっています。
今回の研究では、その氷を降らせる雪雲の存在が始めて確認されたんですねー

この研究では、NASAの火星探査機“マーズ・リコナイサンス・オービター”に搭載された火星気候観測機(MCS)が使われています。

MCSを使って、大気の温度や含まれる粒子の大きさ、濃度などが調べられました。
最新の分析に利用されたのは、火星の南極が冬を迎えた2006年から2007年に南緯70度から80度付近の領域を観測したデータです。

分析の結果、高高度には極の上空にいすわる幅約500キロの二酸化炭素の雲を、
そして低高度には、すぐに消えてしまうような小さいドライアイスの雲を、それぞれ確認したんですねー






二酸化炭素の雪雲から、
南極に降ったドライアイスの分布図
南極に近い中央が白く(粒子が細かい)
外側は青くなっている(粒子が粗い)




この降雪の根拠の1つは、雪の中に含まれる二酸化炭素の氷の粒子が、
地上に落ちるほどの大きさだったことです。
また、雪を水平方向から観測すると、明らかにドライアイスの粒子が検出されました。
ドライアイスの粒子は地上まで検出できたので、地表だけでなく大気中の粒子であること分かったんですねー

南極の極冠は火星で唯一、凍った二酸化炭素が一年中残る場所です。

でも、ドライアイスの雪が降り積もって出来たのか、それとも表面が凍って霜のようになったのか… 
これまで、はっきり分かっていなかったのですが、今回の研究により南極付近で活発な降雪があることが分かりました。

二酸化炭素は、摂氏マイナス125度以下で凍結してドライアイスになります。
地球に似た惑星と呼ばれる火星ですが、やっぱり環境は大きく違うんですね。


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