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ミラ型変光星“うさぎ座T星”の周期光度関係の確立に成功

2015年01月27日 | 宇宙 space
VERAを用いたミラ型変光星“うさぎ座T星”の水メーザー観測で、
変光星の周期光度関係をより高精度に導くことに成功したそうです。
ミラ型変光星“うさぎ座T星”

VERAは、銀河系の3次元立体地図を作るプロジェクト。

VLBIという電波干渉計の手法を使って、
銀河系内の電波天体の距離と運動を高精度で計測しています。

ミラ型変光星などの長周期変光星は、
太陽の1~8倍の質量を持っています。

星の進化の末期に差し掛かっていて、質量の放出が激しく、宇宙の化学組成を理解する上で重要な天体になっているんですねー

また、この種の星には、
明るさの変化と周期の間に比例関係(周期光度関係)があることが知られています。

この周期光度関係を用いると、変光星までの距離が分かるのですが、
そのためには関係を精度良く求めておく必要があります。

何らかの方法で距離を正確に測定すれば、周期光度関係の精度を向上させることができます。

ミラ型変光星“うさぎ座T星”の水メーザー放射分布。
中央の光が星のイメージ。

今回の研究では2003年から2006年にかけて、
VERAを用いて天体の距離と運動を高精度に測定。

約370日周期で明るさが変わる、
ミラ型変光星“うさぎ座T星”の水メーザー観測を行っています。

周期光度関係のグラフ。
横軸は周期(単位は「日」の対数で2.6が約400日、縦軸は絶対等級。
T Lepが今回のターゲットになった“うさぎ座T星”。

この結果、“うさぎ座T星”の年周視差が3.06±0.04ミリ秒と測定され、
太陽系からの距離が約1070光年と求められました。

さらに、これらの値や変光星の観測結果を用いることにより、
ミラ型変光星の周期光度関係が精度良く導かれたんですねー

今後、VERAによって多くのミラ型変光星の距離を決定し、
高精度な周期光度関係を確立することが期待されています。


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