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生命存在の可能性が高くなった? 衛星エンケラドスで水素分子を検出!

2017年04月19日 | 地球外生命っているの? 第2の地球は?
厚い氷の層に覆われた海を持つ小型の衛星エンケラドス。

NASAによると、エンケラドス表面にある割れ目から噴出している水蒸気プルーム(水柱)で、
生命のエネルギー源となりうる水素分子を検出したそうです。
“カッシーニ”が撮影したエンケラドス。表面を覆う氷には“タイガーストライプ”と呼ばれる長いひび割れが走っている。プルーム(氷柱)は、このひび割れから噴き出している。


海底の熱水活動

2015年10月、土星探査機“カッシーニ”が、
エンケラドスの南極近くに見られるガスや氷の噴出(プルーム)の中を飛行して、
成分を調査しました。(この噴出は2005年に“カッシーニ”が初めて見つけたものです。)
  エンケラドスの地下には衛星全体に広がる海がある!?
    

衛星エンケラドスから噴出した水蒸気プルームの中を飛行する探査機“カッシーニ”。

分析の結果、噴出物の約98%が水、1%が水素、
残りが二酸化炭素、メタン、アンモニアなどであることが明らかになります。

これらの成分の中で、特に重要なのが水素ガスの検出になります。

これまでの研究で、
エンケラドスの海底では熱水活動が起こっていると考えられてきました。

今回の結果は、これを独立に裏付けるもので、海水と岩石との反応で水素が生じ、
それが海水中に広がって地表から噴出したものが検出されたもののようです。


生命のエネルギー源を発見

さらに、この発見を重要なものにしているのが、
水素ガスが生命のエネルギー源になる可能性があるという点です。

地球上では、熱水化学反応によって、
太陽光が届かない深さの海底にある熱水噴出孔に、
微生物が生息できる環境が形成されています。

もし、エンケラドスの海に微生物が存在しているなら、
大量の水素と海中に溶けている二酸化炭素とを結合させることによって、
エネルギーを摂取していると考えることができるからです。

私たちの知る生命にとっての最優先必須材料は、
 液体の水
 代謝のためのエネルギー源
 炭素、水素、窒素、酸素などの化学物質
になります。

小さな氷の衛星エンケラドスには、
この3条件すべてがほぼ揃っていることが“カッシーニ”の探査から示されたんですねー
土星と、その最も内側の環の間に入ろうとする探査機“カッシーニ”(イメージ図)

燃料切れが迫っている“カッシーニ”は現在、
NASAがグランドフィナーレと呼ぶミッションの最終段階にあり、
土星とその環の間にある幅2400キロの隙間を飛行しています。
  探査機“カッシーニ”が最終ミッションを開始! 今度は土星の環を通過
    
“カッシーニ”にとって今回の発見は、
探査計画の中で最高の業績になるのかもしれませんね。


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