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重力波の検出に向けて! 技術実証機“LISAパスファインダー”はもうすぐ打ち上げ

2015年12月02日 | 宇宙 space
重力波検出にむけた技術実証機

フランスのアリアンスペース社は、
“ヴェガ”ロケットの組立を終え、12月2日の13時15分(日本時間)に、
南米にあるギアナ宇宙センターから打ち上げを行うそうです。
搭載されているのは、“LISAパスファインダー”という技術実証機で、
ヨーロッパ宇宙機関とNASAによって共同で開発された宇宙重力波望遠鏡です。

主な目的は、
これまで直接観測されたことのない重力波を検出するために必要な、
新しい技術や装置の実証試験をすること。

これらの実証試験の成果により、
重力波を検出する宇宙望遠鏡“LISA”が完成することになります。

“LISA”には多くの先進的な技術が使われることになります。

なので“LISAパスファインダー”の成果が、
“LISA”の実現にとって必要不可欠になるんですねー

そして“LISA”は2030年に完成し、打ち上げがられる予定です。

打ち上げ後はラグランジュ第1点へ

“LISAパスファインダー”は、
衛星本体と推進モジュールの2つの部分から構成されていて、
製造はエアバス・ディフェンス&スペース社が担当しています。

“ヴェガ”ロケットで打ち上げられると、
まず地球低軌道に入り、その後推進モジュールを使い、
地球から約150万キロ離れた、太陽・地球間のラグランジュ第1点に移動し、
運用期間は1年が予定されています。


観測には大きな重力波が必要

重力波は、時空が振動し光の速度で伝播する現象のことで、
別名“時空のさざ波”とも呼ばれています。

質量をもった物体が加速度運動することで、重力波は放射されます。

でも、観測できるほどの大きな重力波を出すには、
大きな質量をもつ物体である必要があるんですねー

観測できるほど大きな重力波の発生源としては、
中性子星やブラックホール、白色矮星などの公転。

そして、それら同士の衝突、
あるいは超新星爆発といった現象が挙げられます。


重力波天文学へ

重力波の存在は、1916年にアインシュタインが発表した、
一般相対性理論の中で予言されていました。

これまでに中性子星連星の軌道の変化を観測することによって、
間接的にその証明がされています。
でも、直接観測に成功した例は無いんですねー

なので、もし重力波の直接観測に成功すれば、
一般相対性理論の正しさが再び証明されると同時に、
重力波によって宇宙を観測する“重力波天文学”という分野が生まれ、
これまでとは違った目で、宇宙を観測できると期待されています。

重力波の検出を目指して、
これまで地上にレーザー干渉計という装置を置いた観測が、
日本を含む世界各地で行われています。

でも地上に置いた装置では、
低い周波数の重力波を検出することは難しいので、
装置を宇宙空間に置くことが考案されていました。

それがヨーロッパ宇宙機関とNASAとの共同で開発を進めている、
宇宙重力波望遠鏡“LISA”であり、
“LISAパスファインダー”による実証試験というわけです。


こちらの記事もどうぞ ⇒ 21年後にはブラックホール同士の衝突があって、重力波が観測できる?


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