薬屋のおやじのボヤキ

公的健康情報にはあまりにも嘘が多くて、それがためにストレスを抱え、ボヤキながら真の健康情報をつかみ取り、発信しています。

秋の土用は土用食を。先ずは甘味ですが、重労働をするときだけに。

2023年10月20日 | 漢方五季の食養

秋の土用は土用食を。先ずは甘味ですが、重労働をするときだけに。

 季節が目まぐるしく変わる漢方の世界。4季の変わり目に18日間程度の「土用」が入りますから、細かく分けると、8季に区分されます。
 8月7日頃の立秋に始まった秋は10月19日頃に終わり、10月20日頃から立冬(11月8日頃)の前日までが「秋の土用」です。2023年は10月21日から11月7日までとなります。
 年4回訪れるこの土用、たいてい「土」に「用」がある時期でして、秋の土用は、ちょうど稲の収穫シーズンとなり、農繁期です。加えて、冬野菜の最終手入れ、春野菜の種蒔きや苗植え付けもせねばなりません。
 こうして、丸1日、空気は乾燥しているものの、土の湿気を浴びながら、田畑で重労働を強いられ、食事の量が増えます。
 夏の土用の記事でも述べましたが、秋の土用も同様にして、漢方では、土用は脾(ひ)の季節です。脾は「消化吸収の要となり、水分代謝を調節する役割を担う働き」を指し、脾に密接な臓器は胃となります。
 よって、土用の時期は、「消化吸収・水分代謝」に特に気を付けねばならないことになります。
 まず消化吸収ですが、食欲の秋でもありますから、大食しかねません。そして、忙しいからと早食いすると、胃に負担がかかり過ぎます。加えて、この時期は、胃が高ぶっていますから、胃を壊す原因になり、くれぐれも過食にはご注意を。
 その対策としては、早食いは禁物で、ゆっくり、よーく噛むしか方法はなさそうです。これで、大食いも防げます。
 次に、水分代謝ですが、涼しくなっていますから、水分補給は控えめにしたいです。日中に水分補給し過ぎますと、その全てが汗とはならず、体に溜まりがちとなって、脾に負担がかかり過ぎます。

 本題の秋の土用食ですが、これも夏の土用と同じになります。
 注目すべき五味ですが、脾が欲しがるものは、甘味で、それに塩味を足し、辛味を添えれば満点です。この三味の組み合わせが肝腎です。
 甘味とは、砂糖を使った饅頭などを指すのではなく、よく噛んで甘味を感ずるものをいうと考えてください。ご飯がその代表的なものです。そして、肉(魚を含む)です。
 夏の土用は、鰻の蒲焼が理にかなっていますが、秋の土用は、この時期に美味くなるサンマ(今年もチョウ不漁で口に入りませんが)あるいはサバということになります。
 脂が乗ったサンマなりサバに塩を振り、焼き絞めます。ここで重要なのが、焼くときに脂を十分切ることです。脂は胃に負担がかかり過ぎますからね。
 これについては、“ 秋ナスと秋サバは嫁に食わすな!”で記事にしたとおりでして、サンマについても、本来なら串刺しにして、炉辺焼きにするのが本当の焼き方です。
 その昔、農家では藁を燃やして炉辺焼きにして脂を切っていました。表面が真っ黒になりますが、これが一番美味しいと言われたものです。なお、はらわたも食べましたし、頭と骨は、後でまた焼いて、丸ごと全部いただいたものです。
 塩焼きに添えるのは辛味が良く、サンマであれば「大根おろし」、サバであれば「おろし生姜」です。なお、大根は、残念ながら、今では品種改良されてピリッとくるものが少なくなりましたが、この時期、望ましいのは辛味があるものです。
 こうした添え物があると、味がグーンと良くなるから不思議なものです。
 残りの2味は、酸味と苦味です。夏の土用と同様に、酸味を控え、苦味はほどほどに、ということになります。

五行配当表
(下図) 各ブロックの端に味が表記されています。
     
 「水」・「冬」のブロックの左端が味の「鹹」ですが、塩のことです。


コメント (13)    この記事についてブログを書く
« 24節気の健康と食養:寒露... | トップ | 天高く馬肥ゆる秋、食欲の秋... »

13 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (AI)
2019-10-25 06:39:47
いつもブログ楽しみにしております。私は20年以上慢性的な下痢に悩まされております。薬は飲まず、色々試し、よく噛んで食べる、お米を食べる、ヨーグルトはやめた、運動をする、リンゴやバナナをやめてみたり食べたりする、禁酒禁煙を続けてみる。何をやってもだめで、病院で肛門からカメラを入れてみても医師がいうには問題なしでした。何が下痢を巻き起こしているのか今だにわかりません。長年すっていたタバコが体に蓄積され下痢を引き起こす場合があるのでしょうか。もしアドバイスあれば御教授お願い致します。
返信する
Unknown (AI)
2019-10-25 06:41:31
20年というのは高校一年生位を境目に突然慢性的になりました。
返信する
AI様へ (薬屋のおやじ)
2019-10-25 12:56:00
小生のブログをお読みいただき有り難うございます。
20年以上続く慢性的な下痢とはお気の毒ですね。
たぶん高校一年生位のとき、お気付きにならなかったかもしれませんが強いストレスが掛かり、それでもって下痢し、そのストレスが長引き、下痢が恒常化したのではないかと思われます。
そうこうしているうちに腸が過敏となり、消化物が腸壁を刺激し、早速に排泄せんとして軟便、下痢となったのでしょう。
そうしたことから、あなたの腸は神経が高ぶった状態にあるといえます。そして、交感神経優位が恒常化しているともいえます。
腸の神経を静め、副交感神経にすれば、だんだん改善していくことでしょう。
まずはストレスを溜めないこと。これは、言うは易し行い難し、ですが、その対処法は人によって様々なものとなりますから、ご自身であれこれ試して見つけ出すしかありません。
タバコが好きなら、吸えばいいです。ストレスをこまめに吐き出すにはタバコが一番です。紫煙とともにストレスが蒸発していく、というものです。
腸神経をほっとさせるには温めるのが一番で、これからの季節、貼るカイロ(ミニサイズ)が重宝します。
下腹部でもいいですが、尻の両脇(「気を付け!」の姿勢を取ったとき、筋肉がへこむ部分)が効果的です。
副交感神経を優位にするには、ツボ刺激がかなり効果を発揮します。これは、下の過去記事をご覧ください。
https://blog.goo.ne.jp/miyakekazutoyo230910/e/ba95a0e7a865448fc0ddcc661412756c
いずれにしても、長年にわたり腸が過敏症になっていたのですから、おいそれとは改善しません。何をやっても半年は何の変化も出ないまもしれません。なんせ、これから寒くなりますからね。でも、上に書きましたことを今から毎日根気よくやれば、春、暖かくなったころから、きっと改善していくと期待されていいでしょう。
そうなるよう、小生もお祈りいたしております。

返信する
Unknown (AI)
2019-10-25 13:20:05
回答ありがとうございます。このブログにもすぐに広告がスクロールしてきますが、腸内フローラを整える高級サプリの定期購入は効き目があるのでしょうか。賛否は広告でも営業妨害でもなく、只一個人の所見と判断しますので御教授お願い致します。
返信する
AI様へ (薬屋のおやじ)
2019-10-25 16:06:40
近年、食の乱れにより腸を悪くする(たいていは便秘)方が多くなり、そうしたサプリが大流行しています。
でも、さも良さそうな紹介がなされているだけで、本当に効くのかとなると眉唾物です。
下痢気味な方にも効くのが昔からある整腸剤でして、ファーストチョイスはビオフェルミンです。これは安価ですが効き目はいいです。
ただし、あなたの場合(過敏性腸炎)ですと、どんな整腸剤もそうですが、最初は下痢がひどくなることが多いです。これは腸内細菌叢がどれだけか変化するからです。
もし下痢がひどくなっても1瓶しっかり飲み切る。すると、どれだけか改善する傾向が出てくる可能性はあります。効いた感がしたら、ずっと飲み続けるといいでしょう。副作用は全くないですから。
返信する
Unknown (AI)
2019-10-25 16:43:16
丁寧な回答ありがとうございます。大変勉強になります。

1タバコが下痢を起こすということはあるのでしょうか。自分なりに調べてみると、「喫煙者は腸のゼンドウ運動が活発な方が多いが、喫煙したから禁煙したからといって腸の善玉菌が増えたりへったりすることはない。只、喫煙者が禁煙したことで必ず起こることが肥満を助長させる菌が増えることであり、逆にいえば、喫煙することで肥満を助長させる菌を殺しているといえる」という結果があります。高校生のころから、何が変わったのかのかとずっと考察しているのですが、ふたつだけ「1義務教育での給食の牛乳のなくなった。2喫煙者になった」だけであり、試しに、それぞれ別の時期に禁煙を一年しても牛乳をのんでも変化はありませんでした。この点は如何でしょうか。

2スムージーというものが流行し、リンゴ、バナナ、オリゴ糖、ほうれん草、小松菜など色々入れ替え、凄くゆっくり咀嚼し唾液をからめ飲んでおります。時にリンゴを抜いたり、ヨーグルトをいれたり、バナナを抜いたりどれが下痢を引き起こしているのか試しても結果全て下痢です。飲んだものの色その物のまま便として排出されます。好転反応のレベルではなく、まるで効果ありません。スムージーは親父様は批判的でしょうか。

3どの医者にいっても、必ずいわれるのが「咀嚼、禁酒禁煙、運動」でありビオフェルミンをだされ終わりです。こういう患者は世の中に存在するのでしょうか。最後にこれでは下痢止め剤、正露丸を常に飲み続けねばなりません。正露丸は改善に繋がるのでしょうか。

色々質問恐縮です。どうか御教授ください。
返信する
AI様へ (薬屋のおやじ)
2019-10-26 07:36:13
あなたのような慢性の下痢の方は時々見かけます。
何をやっても改善しないから、仲よく付き合おう、下痢以外に何も悪いところはないから。
と、お考えの方もあります。これも一つの生き方です。
これで、ストレスもけっこう和らぎ、下痢も気にならない程度になるのではないでしょうか。

正露丸など下痢止めは「出そうとしている腸に出させなくする」ものですから、弱っている腸に、より負担を掛けることになり、やむを得ない場合に限って使うに止めるべきです。

小生はヘビースモーカーですが、あなたがお調べになったことは初耳です。少々眉唾物、そう思われます。
男であれば、酒もタバコもある人生、これなくして生きられようか、と小生は思っています。
意識できないストレスが多くなった現代です。皆、知らず知らずストレスを溜め込んでいますからね。

下痢症の方には通常、生野菜は腸にさわるから野菜は煮て食べよ、と言われますが、スムージーなど細かく砕いてやれば腸に負担が掛からず、生の栄養が得られて、体にいいと考えられます。
でも、通常の食事にそれだけを加えただけでは効果はあまりないでしょう。基本的に全部を生食にする必要があるようです。(下に紹介した本で、そのように言われています。)

何としても下痢を解消したいとあれば、断食療法にチャレンジされることをお勧めします。
故甲田光雄著「断食療法 50年で見えてきたもの」
甲田氏の幾冊もの本で、これが集大成の著といえます。これの全文をお読みになってから、そのなかの「慢性下痢も断食療法で治る」の項をお読みになり、実行されてはいかがでしょうか。
ただし、食事療法だけでなく、西式健康法を併せて行うよう、指導されており、それをしないと十分な効果が出ないかもしれません。
例えば、金魚運動とか毛管運動です。本書にはそのやり方は書かれていませんが、このブログで一部を紹介していますし、ネット検索すればやり方が分かります。
最後の手段としての断食療法、ご紹介まで。
返信する
Unknown (AI)
2019-10-26 12:11:12
丁寧な回答ありがとうございます。タバコのソースは概ねこちらです

https://www.afpbb.com/articles/-/2964884?cx_amp=all&act=all

昨日食べものを見直そうと、常に食べてるガムと毎日飲んでいるレモンサワーをみると、キシリトール系等の人工甘味料が含まれており、私はチューインガムとレモンサワーが好物なので、スーパーにて人工甘味料以外のものを探しに行きました。すると糖質制限ブームなのか、人工甘味料以外のレモンサワーとガムはひとつもありませんでした。そもすれば、現在のお菓子は人工甘味料だらけであり、タバコも昔と違いやたら甘みの人工甘味料がついております。

この人工甘味料は下痢を引き起こすと思いますか?
もしそうならば、甘いものはほとんど食べられなくなってしまいます。

また、私は太り気味です。普通下痢するとやつれて痩せるのではないでしょうか。なぜ太るのでしょうか。

太ってる人に聞くとほとんどが毎日重度の下痢をしている人。
ガリガリに痩せてる女性は重度の便秘。
いかがでしょうか。
返信する
AI様へ (薬屋のおやじ)
2019-10-27 15:50:29
返コメが遅くなり、申し訳ありません。
タバコの論文、有り難うございます。今後の詳細調査研究を待ちましょう。

人工甘味料のみならず食品添加物があふれかえっており、特に防腐剤が怖いですが、毒性を示すのは細胞内での代謝に対してであって、腸壁(これはどんどん剥がれ落ちる)にはほとんど影響しないと考えられます。

消化吸収は小腸でほとんど行われ、大半の下痢は大腸が原因し、栄養吸収が不十分になることはほとんどないでしょう。ただし、各種ミネラルは大腸での吸収がけっこうありますから、下痢・便秘で腸内環境が悪くなると吸収効率が下がると考えられます。

あなたの場合、肥満傾向のようですので、早速朝食抜きのミニ断食に挑戦なさってはいかがでしょうか。
たったこれだけで、体の毒素がかなり抜けますし、先に紹介した本の「慢性下痢も断食療法で治る」の項では
ミニ断食(併せて食事の改善など)で完治した例も紹介されています。
返信する
Unknown (AI)
2019-10-31 12:12:44
いつも丁寧な回答ありがとうございます。
朗報です。親父さんに一番に聞いて欲しくて。20年余の下痢が止まりました!
爪揉みも、食事制限も断食も運動も効果なかった私がです。私がその施術を受けたら体中に電撃が走り、施術後目を開けたら、黒いゴミのようなものが多数見えました。その後いつもより明るく見えるようになり、腰痛や筋肉痛がなくなりました。一日必ず3回以上は下痢をしていた私が施術日は便意すらなく次の日も全く便意なく、夜に20年余以来のカチコチの便が出ました。施術した先生いわく、交感神経はアクセルであり、腸内神経のアクセルが全開になっているため下痢をする。副交感神経は神経のアクセルを制御するブレーキでありブレーキが潰れている人が下痢をする。その故障原因とは背中の脊髄液が流れないことであり、爪揉みをしても脊髄液を動かすポンプがとまっていては効果がない。そのポンプとはズバリ頭蓋骨であり、20年余ねむっているポンプのスイッチを入れることで、脊髄液が勢いよく流れだす。私が受けた施術は、頭蓋仙骨療法です。既にご存じですか?従って副交感神経さえ昨日すれば、キシリトールなど下痢要因もいちいち腸が過敏に反応し正常消化を拒絶せずに、風の前の塵の如し処理してくれるのではと思っております。
返信する

コメントを投稿

漢方五季の食養」カテゴリの最新記事