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立夏は夏の入り、五味を上手に夏食に。先ずは「心」が求める苦味です。

2017年05月04日 | 漢方五季の食養

立夏は夏の入り、五味を上手に夏食に。先ずは「心」が求める苦味です。

 5月5日頃が立夏(2017年は5月5日)で、この日から夏に入ります。
 “春たけなわ”なんてとんでもない。春はとっくに過ぎています。4月16日頃に終わっていて、立夏の前日までは「春の土用」です。
 これは、中医学(漢方)の捉え方ですが、人の健康を考えると、これが正解でしょう。
 季節を単に外気温だけで判断しては間違いの元です。というのは、人を含め動物のみならず生き物は、日照時間などで季節を先取りし、生体反応を示すからです。
 春夏秋冬は、通常考える時期より約1か月前倒しして始まり、ほぼ真ん中で終わってしまって、その後の半月強は季節の変わり目と考えましょう。
 さて、夏は、立夏(5月5日頃)から始まり、7月19日頃(大暑の約4日前)で終わります。そして、7月20日頃の「夏の土用の入り」から8月7日頃(立秋の前日)までが「夏の土用」となります。

 立夏を過ぎれば、屋外で仕事をするとなると、日中は大変な暑さを感じ、かなりの汗をかきます。これが正常です。汗はかきたいものです。老廃物は、尿として全てを排出するのは不可能でして、汗腺からしか排出できないものもあるからです。
 そして、夏は早々に日が昇り、日が落ちるのも遅く、活動時間が長くなります。夏至は夏のほぼ真ん中に位置することから、当然にそうなります。
 そうなると、血液循環が他の季節よりずっと多くなりますから、心臓の活動が必然的に高まります。つまり、夏は心臓の季節なのです。
 心臓はそれを心得ていて、活発に働いてくれるものの、炎天下での重労働が続けば、当然にオーバーヒートしてしまいますから、心臓を労わってあげねばなりません。
 特に、現代人は飽食がもとで動脈硬化を起こしていることが多く、血圧が高めの傾向にありますから、心臓は年中疲労気味で、要注意です。

 そこで、本題の夏食ですが、漢方の世界では五味に注目します。酸味、苦味、甘味、辛味、塩味の5つです。これは、季節(春、夏、土用、秋、冬の5つ)と、主要臓器(肝、心、脾、肺、腎の5つ)に、それぞれ対応しています。春は酸味で肝、夏は苦味で心、土用は甘味で脾、秋は辛味で肺、冬は塩味で腎です。なお、脾は消化の要で、胃と考えていただいてけっこうです。
 さて、夏は心の季節で、心臓が重要な働きをしますから、心臓を労わるために心が求める苦味を補ってあげる必要があります。
 近年、大変注目されるようになった沖縄の苦瓜「ゴーヤ」、まだ時期は早いですが夏にベストな食材となります。それ以外に苦いものなら何でもけっこうです。例えば立夏頃に旬となるフキがあります。
 なお、半世紀前(小生が子供の頃)のキュウリは頭のほうが苦かったのですが、近年は品種改良されて全然苦くありません。キュウリは単に体を冷やすだけの野菜になってしまい、実に残念です。もっとも、そう思うのは小生が年を食ったからの話で、子供の頃はキュウリの
頭のほうは苦くて食いたくないと捨てていましたが、これは、子供の場合は心臓も若くて元気ですから格別に苦味を求めず、そういう反応を示すのでして、現代の子供も通常は同様な嗜好を示します。これが正常です。もし、子供が苦いものが美味しいと言い出したら、心配せねばなりません。この子の心臓は老けてしまったんだと。

 年を食って高齢者になった小生ほどの年齢に至らなくても、厄年を過ぎればたいていは苦味を求めるようになります。これは、心臓の弱りもありますが、胃が疲れると苦味が健胃薬として効くことも一因しています。先の子供の例もストレスから来る胃の弱りが原因かもしれません。あるいはその両方かも? そうなると恐ろしいことです。
 いずれにしても、年を重ねると苦味の強いものを求める傾向が出てきます。
 特にこの時期、暑さと発汗の両方から、晩酌には苦味の利いたビールがことの他うまいと感じます。(ただし、冷えたものは厳禁。このブログの「暑くなった5月半ば、“冷たい物中毒”から脱却するチャンス!」を参照ください。)

 かと言って、苦味のあるものばかり摂取していると、食味が偏りすぎて、苦味を嫌う肺にダメージを与えます。そのために肺を守る辛味を加える必要があります。そして、甘味をどれだけか添えるとベストです。何事もバランスが肝要ですからね。
 夏は<主・苦、従・辛、添・甘> この三味の組み合わせを知っておいてください。
 ビールのツマミには、第1にピリッとしたものを、第2に甘味のあるものを、ということになります。ここで言う甘味は饅頭やケーキではありません。それは直ぐ後で述べます。

 この三味を組み合わせたお勧め料理で真っ先に挙げられるのが、皆さん良くご存知の、そうです、ゴーヤチャンプルということになります。
 ゴーヤの苦味、コショウなり唐辛子の辛味、そして隠し味としてみりんで甘味を添えると、コクが出て美味しくなること請け合いです。
 なお、漢方の味学では、豚肉や卵など動物性たんぱく質を甘味食材と考えます。
 よって、夏は、甘味は添えるだけのものですから、豚肉や卵はスタミナが付くからといってドッサリ入れるのではなく、脇役の存在とすべきでしょう。
 なお、ビールのツマミにサラミやビーフジャーキが合いますが、これらは甘味食材ですから、ちょっとだけにすると良いです。

 4つ目の味である酸味は、この時期、ほどほどであれば何ら問題ありません。
 夏に避けねばならないのが、最後に残った5つ目の塩味です。
 塩気が多いと心臓に悪いです。というのは、塩は体温を上げる力を持っていますから、塩分を摂りすぎると、夏季は内外から体熱を上げることになり、熱が体にこもってしまうからです。
 汗をかいて塩分が抜けますから、体は塩気を求めたくなりますが、調理は少々薄味ぎみ(ただし、減塩のし過ぎはかえって問題がでますから、塩辛くない程度であれば特に問題なし)にしたいものです。薄味では我慢できない(ある程度塩味が利いたものが欲しい)という方には、天然塩で味付けなさってください。天然塩に含まれる“にがり”
の苦味が心臓に良いですから、少々塩気が多くてもその害を打ち消してくれましょう。

 夏は<主・苦、従・辛、添・甘>三味の組み合わせを意識しながら、酸味で変化をつけ、塩味を控え気味にするという調理をしていただければ、健康的な食生活となりましょう。
 なお、夏野菜が旬の食材として登場してきます。大いに食していただきたいものです。どれも体を冷やす食品で、内にこもった熱を取ってくれます。
 ただし、クーラーの利いた職場で長く仕事をなさっておられる方は、体が冷えていることでしょうから、夏野菜は生食せず、火を通して、冷を弱めてお召し上がりください。
 また、冷えを強く感ずるようなら、体温を上げてくれる塩味を利かせるのも手です。

 こうした冷え症体質の方は、体内温度が低い低体温症のことが多いですから、ぬるめの湯に長く浸かり、体内温度を上げてあげましょう。そして、湯上がりには冷水シャワーで皮膚を引き締め、体熱を逃がさないようにします。
 暑くなってきたこの時期からの健康法として、どなたにもおすすめなのが「冷水シャワー」です。湯上がりにたっぷり冷水シャワーを浴びると、気分まで爽快となり、精神的ストレスも流しとってくれますよ。→ …始めましょう、冷水シャワー。万病に効果あり。… 

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2 コメント

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始めまして (あいね)
2017-05-08 03:30:19
とても理にかなった内容に 勉強になりました

やはり人は 健康ならば美味しいと思えるものが その人に足りない食べものなんだと再確認できました
昔の日本食はまさに 最高の健康食 今 健康ブームではありますが病気が多いのは当たり前にだとの私的見解も正しいとおもえました

これからも 楽しみに見させて頂きます

ありがとうございます
あいね様へ (薬屋のおやじ)
2017-05-08 16:29:55
過分なるお褒めの言葉、有り難うございます。
これからも、より中身の濃い記事を書いていきたいと思います。

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