『Rumours』Fleetwood Mac (1977)

2005年06月24日 | 70's
昨日から回想モードだ。ちょっとは過去を振り返られるような年になってきたってことでしょうか。
・・・ちょっとヤだなぁ~。
今日はフリートウッド・マック。なんか好きなんですよね~。思い出深いし。
私のフリートウッド・マックは、ブルーズの、ではなくポップの、です。

私が中学生の頃、『Tango In The Night』が流行っていて、ベスト・ヒットUSAでクリップをよく見ていた。しばらくしてレコードを買ったのだけれど、自分で買ったレコードの記念すべき2枚目か3枚目です。1枚目はモチロン、ビートルズっ!『With The Beatles』っ!
でもそのアルバムを買う前に、試しに一昔前の代表作『Roumors』のレコードをレンタルしてきた。

その頃、お小遣いはレコードを買うより借りる方(レンタル)に回していた。とにかくいーーーーっぱい聴きたかったんだものっ!!
シンコー・ミュージックの「ロック・ディスコグラフィー」みたいな本を図書館から借りてきて、いわゆるロックの名盤と、その前後の隠れた佳作みたいなアルバムまで、もうアーティスト関係なく片っ端から借りてテープに落としていって、落としたアルバムは本にマーカーで印つけて・・・
って、アカンやんっっ!!
ずーっと借りっぱで、当然のように自分の本にしていたっけ。悪いやっちゃなぁ~。ゴメンナサイ。

そんなんでYesとかBeach BoysとかT.RexとかC.C.R.とかすぐ好きになっちゃった。次はフリートウッド・マックの番だ。なに?ふむふむ。『Roumors』は全米チャートに31週間1位だった・・・!?ひー!なんだか分からないがとてもスゴそうだー!これは借りなくてはー!!とレンタル・レコードショップに行きました。
家に帰って、ライナーを見ると「今話題のクリスタル・ポップ!」みたいなことが書いてある。クリスタル?どんなだろ?期待♪
レコードに針をおろす。するとそこには何とも摩訶不思議な音楽が鳴っていた。言うなれば「オラは死んじまっただァ~系」の、声が妖精みたいになってて、音もぐるんぐるん早い早い。
・・・なんてことはないです。レコード・プレーヤーの回転数がシングル盤の45回転のままアルバムを聴いていたのです。でもなんにも知らない私は「ほー、コレが “クリスタル・ポップ“ かぁ」と素直に(?)感心したのでした。サスガに2曲目にいって「ハッ!」って気づいたけど。

このポップなフリートウッド・マックには3人のソングライターがいます。クリスティン・マクビーとリンジー・バッキンガムとスティービー・ニックスです。私はクリスティンとリンジーがかなりお気に入りになりました。
リンジーは、おっとこまえでおっとこまえで、Vo.も曲もステキで、迷わず好きになっちゃいました。
彼がビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンの熱狂的なファンということは後から知ったのですが、彼のその後のソロ作の音に対する執拗なこだわり方にその影響が見てとれます。マックで ビーチ・ボーイズの“Farmer's Daughter“ をステキにカバーしたりもしています。
この人ピックを使わず指でギターを弾くのですが、それがまた独特でカッコイイんですよね~。

クリスティンも、M-6 “Songbird“ のようなとても寂しげで美しい曲を描き、贔屓にしたくなります。くぐもったようなVo.も魅力的です。
何よりメンバーの中で唯一マトモな人に見えます。「お母さん」と呼びたい雰囲気がある。でもホントはどうだったのかなぁ~。実はこの人こそトビキリの変人さんだったりして!

フリーキーなスティービーには、女の私にはついていけなかったです。同性に苦手と言われるタイプじゃないかな、このヒト。あ、でも最近のオバサン(失礼!)なスティービーには好感を持ってしまいましたけど。なんか人間ぽかった。

今はどれもあまり聴かなくなったけど、マックのアルバムとしては、これの前の75年の『Fleetwood Mac』、これの後の79年の2枚組『Task』の方が好きです。
でも出会いの記念は、このアルバムなので、特別なのでした。