散歩
ねがい
八木 重吉
どこを
断ち切っても
うつくしくあればいいなあ
重吉が どの瞬間も美しくあってほしいと願うからには
その裏には 彼にも醜い浅ましい瞬間があったことを
そして
それが 彼をいたく悲しませたことを
・・・ ものがたっているのではないでしょうか。
私たちの生活の歴史のうちには ・・・
切り場所によっては とんでもないところが出てきて
恥ずかしい思いをするけれども
・・・ それもなくては 生活の歴史はつながらないでしょう。
私たちは 生まれてこのかた息をしつづけてきたが
どの一息だって なくてすむものはなかったはずです。
息をふき返すときの一息は ことに大切であるにしても
なくてはならぬ一息のくり返しが
今日の私たちをあらしめているのでしょう。
それを忘れている私たちだからこそ ・・・
ときに ふかぶかと深呼吸をして
・・・ 息の尊さを再認識する必要があるのでしょうね。