話はやや戻りますが、昨年末に行われた龍隠庵の餅つきの状況報告です。
北鎌倉にある円覚寺の塔頭「龍隠庵」で恒例の餅つきの会が催されました。
今年も縁起を担いでか、暮れも押しつまった2018年12月29日(福の日)でした。
円覚寺は北鎌倉駅の東側にある臨済宗円覚寺派の大本山です。
寺の階段を上ると総門があり、暮れの29日ともなると北条家の紋を染め上げた幕が掲げられています。
(円覚寺の総門)

総門をくぐり三門をくぐって仏殿にお参りします。
(円覚寺仏殿)

仏殿から左側に進みます。
選仏場と居士林の間に「龍隠庵」と書かれた道しるべの石があり、間の路地をすすみます。
(選仏場)

(石段)

路地には龍隠庵の木の門柱などがあり、道なりに進むと石段があります。途中で折れ曲がって更に進むと龍隠庵の境内に入ります。
龍隠庵は円覚寺境内より10メートルほど高い場所にあるのです。ここが龍隠庵の境内です。
餅つき会の日なので受付がありますが、普段は受付はありません。
初めての人も住所氏名などを書くと餅つき会に参加できます。
広場では多くの人が餅つきをとりまいていますが、龍隠庵本堂はもう一段高い場所にあります。一見お寺さんとは思えない建物です。
(本堂)

既に餅つき会はたけなわですが、ご住職を見かけたらご挨拶をしましょう。
この会は十数年続いています。住職のお人柄からか、なぜか皆さんが三々五々と集まってきます。
(住職)

さて、餅つき会の概要を説明しましょう。
ここの建物は客殿と呼ばれていますが客殿前が餅つき場です。階段を上ってきたので眼下に円覚寺仏殿などを見下ろすことが出来ます。
広場では二つの臼で餅が搗かれます。
(餅を搗く人)

もち米は客殿裏側で蒸されています。
この年は、前日までのもち米90キロと今日の分を合わせて210キロのもち米が用意されたとのことです。
(客殿の裏側のせいろ)

客殿裏から人の間を縫って臼に入れられたお米を先ず臼でこねます。臼とお米の間に水を打ちそのお米を臼になじませると共に米粒が飛び散らないようにするためです。
(臼でこねる)

次が餅搗きで、大人も子どもも飛び入りで楽しんでいます。
(臼で搗く)

出来上がったお餅はからみ餅の係りの台に載せられ、小さく丸くちぎられてトレイに載せて昼食用のからみ餅にして供されます。
行列を並んで、次は絡める係りの台に進みます。
からめる具は、きなこ、胡麻、ゆで小豆(餡)、納豆、大根おろしなどお好み次第で、からみ餅の出来上がりです。
(からみ餅1)

(からみ餅2)

龍隠庵の境内の好きな場所で皆さん美味しそうにお餅を食べています。
からみ餅の行列の先にはけんちん汁の係りの人が、お椀によそったけんちん汁を勧めてくれます。
このけんちん汁も天下一品の味です。
(けんちん汁1)

(けんちん汁2)

何しろ建長寺とならんで、けんちん汁を世に広めた立役者なのです。
と、こういう具合に餅つきの会は夕方まで人が入れ替わっても続いてゆきます。
今年はビデオを撮らなかったのですが、昨2017年の餅つき会のビデオは Youtube にアップしてあります。
龍隠庵の餅つき会2017
こんな訳で、今年も良い年越しの行事に参加できました。
皆さまよいお年をお迎え下さい。。