RuN RiOt -marukoのお菓子な美術室-

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美術館行くの大好き。
買い物も大好き。
休日に全力で生きるOLの日記(笑)

台北 國立故宮博物院 - 神品至宝 (その1)

2014-07-29 21:30:00 | 美術
見てきました

東京国立博物館

会期は2014年6月24日から2014年9月15日。

いよいよいよいよ。
はじまりました。
そして2週間限定であの白菜がやってくる!!!!!

混雑を避けるため、今回は白菜を見に行きませんでした。
台湾行ったときに見たし……
トーハクでどのように展示されているのか気になったけどさ。
見たかったけどさ。
うん、3時間待ちってのは耐えられないのさ。。。

というわけで、白菜の展示が終わったころ、のんびり行ってきました。
うん、正解。
そこまで混んでいなくて、ほぼ快適に見れました。
(一部で団子状になることも。)

今回の展示は盛りだくさんで1~10の章に分かれています。
2回に分けて書きます。
「その1」では1~5を。
「その2」では6~10を。
今日は「その1」です。

今回、文字化けしてしまうかもしれません。。
ごめんなさい。

《1.中国皇帝コレクションの淵源 - 礼のはじまり》
6「散氏盤」
大きな青銅の盤。
内面には文字がぎっしりかかれています。
漢字のように見える文字。
これは他国との領地問題を解決した話が書かれています。
中国の政治史も分かりますが、その書体が個性的で書道史のなかでも重要な位置を占めている作品だそう。
制作されたのは西周時代。
なんと紀元前9~紀元前8世紀!!

180「犠尊」
古代の儀式で使用した青銅製の酒器。
背中から入れ、口から出すという、トリックグラスのようなもの。
動物を模したものですが、ずんぐりむっくりでかわいらしい。

181「犠尊」
180とそっくり。
これは"倣古"というもの。
"倣古"とは古い形にならってつくること。
古代の伝統を復活させ中華の正式な皇帝であることを示すためにこのようなものが作られたそうです。

1(漢)鄭玄注、(唐)賈公彦疏「周礼注疏」
儒家の学ぶべき経典"十三経"の一つ。
古代の官制に関する文献です。
官制以外にも祭礼などの礼についても細かく決められています。

《2.徽宗コレクション - 東洋のルネサンス》
98汝窯「青磁楕円盤」
4つの小さな脚の付いた浅い楕円形の盤。
この形は"水仙盤"と呼ばれ水仙を育てるためのものだったそう。
淡い青色が美しく、つやっとしています。
このあたりに展示されている汝窯とは中国、北宋時代に優れた青磁を焼いた窯。
五名窯の一つとして製陶の中心でもありました。
汝窯の作品は世界にわずか70点ほどしか確認されず、そのうち21点が故宮にあります。

99汝窯「青磁輪花碗」
こちらも淡い青色。
深めのお椀で花の形をしています。
お酒を温めるための温椀と呼ばれる器。
曲線が柔らかく持った感じもよさそう。

100汝窯「青磁槌形瓶」
鳳凰耳、鯱耳瓶の祖形といわれる作品。
つるりとした器肌が美しい。

182「鳥形尊」
鳥の形をした可愛い酒器。
背中から入れ、くちばしから出すという、トリックグラスのようなもの。
金が残っており、かつての姿が偲ばれます。

17王羲之「草書遠宦帖巻」
"書聖"とされる王羲之の作品も。
といっても、これは唐代の精緻な模本とされています。
行楷書による短い書簡で、大雪の後、友人へのご機嫌伺いの書簡。
たくさんの印が押されています。
乾隆帝は本作を殊に珍重し、"天下無双、古今鮮対"と賞賛していたのだそう。

51徽宗「楷書牡丹詩帖頁」
書が続くと苦手意識もあってか食傷気味となっていましたが、これは素敵でした。
北宋の8代皇帝の書。
伸びやかで流麗な文字が美しかった。

52徽宗「渓山秋色図軸」
こちらも北宋8代皇帝。
自らの手による掛け軸です。
水墨画。
手前に湖があり、彼方には山々を臨みます。
緻密に描かれていますが、山の麓が霞むなど空気や遠近も感じる作品。
皇帝ってすごい……

《3.北宋士大夫の書 - 形を超えた魅力》
33蔡襄「草書脚気帖頁」
ここから書が続きます。
北宋時代(11世紀)のもの。
仕事を脚気で休んでいたが治ったのでそろそろ復帰できます。
お返事しなくてごめんなさい。
という内容。。。
のびのびと書かれています。
後世に残すべき素晴らしい書なのかもしれませんが、こういった内容とは。。。
字の上手い人は大変ですなぁ。。

35欧陽脩「楷書集古録跋尾巻」
欧陽脩は北宋の政治家、詩人、文人。
これは古代の金属器や刻まれた文を収録した資料集のようなもの。
書体に力強さを感じます。

79-2趙孟頫「蘇軾像」
趙孟頫は歴代文人人気NO.1なのだそう。
描かれているのは宋の詩人で四大家の一人、蘇軾。
竹の杖をもち、りりしく歩く姿です。

39黄庭堅「草書花気詩帖頁」
黄庭堅は宋の詩人で四大家の一人。
これは王晋卿の度重なる依頼で熱意に負け書いたもの。
そういった経緯からも貴重なものなのだそう。
のびやかです。

48蔡卞「行書雪意帖頁」
蔡卞という人は陰険な人物で兄とも仲が悪く、地方官で終わった人なのだそう。
そうゆうエピソードが後世に残るのも……
よっぽどかの人物だったのでしょう。。。

43米芾「草書論書帖頁(草聖帖)」
この人も宋の詩人で四大家の一人。
この書帖は全9帖ですが、5帖は大阪市立美術館、2帖は故宮、残りの2帖は不明なのだそう。
おもしろいめぐり合わせ。
今、日本にはほぼ揃った状態なんですね。。

《4.南宋宮廷文化のかがやき - 永遠の古典》
68陳居中「文姫帰漢図軸」
文姫は後漢の学者の娘。
董卓の乱で父を失い、自らも侵入した南匈奴に拉致され、左賢王劉豹の妻とさせられます。
2児をもうけますが、父と親しかった曹操の助力で漢に帰国。
描かれているのは文姫が夫や子どもと一緒に自分を迎えにきた漢の使者と会う場面。
漢に帰国するのは文姫のみ。
子どもは文姫にまとわりついています。
母と子の別れの場面。
子どもは泣いています。
彼女は後に、女流詩人として才能を発揮。
この別れの苦しい場面も詩にしました。

69「折檻図軸」
今では"折檻"というと厳しく叱ったり、体罰などを示しますが元は違います。
前漢の成帝の時代、朱雲は成帝の政治に対し厳しく忠告します。
それに怒った成帝は朱雲を宮殿から追い出そうとします。
しかし、朱雲は宮殿の檻につかまり抵抗。
檻はとうとう折れてしまいました。
成帝はその姿を見て反省。
朱雲の忠告を受け入れたとともに、その檻を、諫言を忘れないようにするために修理しないでおきました。
本来は"正当な理由で厳しく忠告する"ことを意味していたんですね。
登場人物の顔もはっきり描かれ、その場面の緊張感が伝わってきます。

55高宗「行書千字文冊」
宮廷の書風伝える作品。
書のないところもにも鳥や草花が描かれ美しい。

102「青磁輪花鉢」103「青磁弦文瓶」
形も色もきれいです。
103は清時代(18世紀)のもので、南宋時代(12~13世紀)に作られた南宋官窯青磁の倣古。
どちらもとても美しく、模倣としても素晴らしい。

62馬麟「暗香疏影図頁」
馬麟は、馬遠の子で、南宋の画家。
南宋時代(13世紀)の作品です。
水面に映る梅が描かれた作品。
繊細で詩情感じます。
小さな作品ですが、とても美しい。

60馬遠「杏花図頁」
62の親となります。
描かれているのは杏の花。
淡い色彩で描かれ、写実的。
甘い香りが漂ってきそうです。

64李嵩「市擔嬰戯図頁」
竹竿を天秤棒にした物売りの男性。
そこに駆け寄る子どもと母親が描かれています。
驚きは物売りの男性が担ぐ品物の数。
とにかく多い。
なんと500以上もの物品が描かれているのだそう。
箒に団扇、お椀に桶に野菜、玩具などなど。
細い線で丁寧に描かれています。

65馮大有「太液荷風図頁」
蓮の葉が池を覆わんとせんばかり。
水鳥が泳いでいきます。
精密で優美な印象です。

75張即之「行書従者来帰帖頁」
とてもきれいです。
料紙が。
水の流れを表しているのかな。
柔らかな印象。

113「荷葉玉杯」
すぼまりかけた蓮の枯葉が表現されています。
くしゃっとした質感など素晴らしい。

114「松蔭図玉山子」
松の木の下に人物が、松の上には鶴がいます。
樹上には鶴。
実用的ではないけど、作りが細やかで観ていて面白い作品。

22「明皇幸蜀図軸」
初期の山水画で世界中探しても十指に満たないのだそう。
そして国宝級の文化財で保存状態もいいことから本来は出品予定になかったそうです。
日本側からの熱いオファーでリスト入りが決まったという作品。
楊貴妃を寵愛した唐の皇帝・玄宗の都落ちを描いた水墨画。
奇妙な形の山々の向こうには雲が巻き上がり、手前の谷には旅人。
この旅人の集団が玄宗たちかな。
755年の安史の乱で皇族らが落ち延びた四川周辺の山々や、玄宗に従った騎馬の男女が描かれています。
日本の大和絵の源流となった作品だそうです。
その色鮮やかさに驚かされます。

23「江帆楼閣図軸」
青緑山水という唐時代の顔料で描かれた作品。
その色の鮮やかさは先ほどと同じく驚きです。
湖畔の楼閣という理想郷のような景色。

25(伝)関同「秋山晩翠図軸」
峻厳な山が連なる景色が圧倒的です。
"華北"はこういった作風なのだそう。

26巨然「蕭翼賺蘭亭図軸」
こちらは"江南"
さきほどより穏やかな印象。
最古の水墨画の一つとされるもの。
蘭亭序を手に入れた故事を描いています。

《5.元代文人の書画 - 理想の文人》
82趙孟頫「調良図頁」
強風の中の人物と馬が描かれています。
毛やひげが風になびき、その強さが伝わってきます。

112「龍文玉盤」
龍の透かし彫りが施された盤。
繊細です。
玉がよく折れないものだなぁ、と感心。
影まで美しい作品でした。

86高克恭「雲横秀嶺図軸」
元末四大家の代表作。
日本では高然暉として知られる元代の画家です。
雄大な山、その手前に雲があり、手前には水辺。
小さな庵もあります。
しっとりとした感じ。

90倪瓚「紫芝山房図軸」
倪瓚は、元末から明初の文人画家で、元末四大家の1人。
最晩年の作。
非常に美しい山水画です。
画面真ん中に大きな空間があり、その感覚も素晴らしい。

93張中「桃花幽鳥図軸」
美術館で展示作品の横にあるもの、キャプション。
今回、この展示のキャプションで何点かおもしろいものがありました。
この作品もその一つ。
"友達いっぱい"
って。。
なんかトーハクの方向転換!?
作品は桃の枝にとまる鳥を描いた掛け軸。
目をひくのは余白にぎっしりと書かれた賛。
この作品に感動した、感銘を受けた、というのは分かりますが、ちょっと多すぎな気も。。
これが"友達いっぱい"の意味なんですね。笑

88呉鎮「漁父図軸」
山に囲まれた静かな水面に舟を浮かべる漁師。
生涯、清貧と孤高の隠遁生活を楽しんだという呉鎮。
漁夫は隠逸の象徴とのことなので、その姿を投影していたのかもしれません。

92王蒙「具区林屋図軸」
目につくのは奇妙な岩肌、朱色の木の葉。
ささくれているような波、でしょうか。
奇妙です。
崖の中腹には家屋があり、中には読書をしている人物が。
そう、これは理想郷を描いたもの。
現実とは離れた世界。
右上に描かれている階段が現実とをつないでいる場所なのです。
そう聞くとこの不思議な景色も、鮮やかな色彩も納得できてしまう。

96冷謙「白岳図軸」
白岳(斉雲山)道教の聖山。
これは登った記念に描かれました。
手前には湖、ねじれ曲がった樹木や変わった山など奇想の世界のようにも。
冷謙は画家ではなかったそうですが、その画力は素晴らしい。

81「元人集錦巻」
文人画集めた巻物。
細やかな筆遣いでどれも美しい。
山水画がほとんどです。

以上になります。
まだまだ素晴らしい作品がいっぱいでしたので続きは「その2」で。




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