RuN RiOt -marukoのお菓子な美術室-

お菓子好き。F1好き。
美術館行くの大好き。
買い物も大好き。
休日に全力で生きるOLの日記(笑)

国宝「卯花墻」と桃山の名陶-志野・黄瀬戸・瀬戸黒・織部-

2013-09-11 21:30:00 | 美術
見てきました

三井記念美術館

会期は2013年9月10日から2013年11月24日。

前回(大妖怪展の記事はこちら→前期後期)のにぎやかさから一転。
とても静かな展示です。

時は桃山後期。
岐阜県・美濃地方で新しい陶器が誕生しました。
志野、黄瀬戸、瀬戸黒、織部です。
それらの斬新な作行きは当時の活気溢れる風潮と呼応して大流行。
今回は桃山茶陶の代表作とされる志野茶碗「卯花墻(うのはながき)」と美濃陶の名品が展示されています。

「鼠志野草文香炉」
鼠志野とは志野焼のひとつで成型してから鬼板といわれる鉄泥を化粧掛け。
それを掻き落として文様を付け、上に白釉を掛けたものをいいます。
これは全体的に赤く、そこに白い草が描かれています。
繊細な草が雰囲気あって素敵でした。
裏の草はススキかな。
これからの季節にぴったりです。

「織部梅文茶碗」
全体的に黒いのですが、濃さの違う黒が使われていました。
見込みから口辺まで漆黒色の釉。
外側は刷毛塗りしたかのような淡い色調の黒。
この2つの白抜きの部分に梅がぽつりと描かれています。
静けさがありました。

「織部子筒茶碗 銘佐保山」
こちらは胎土が白く黒釉が際立っていました。
白地のところに描かれた文様がデザイン性もあっておしゃれでした。

「志野茶碗 銘卯花墻」
国宝です。
国宝に指定された和物茶碗は2椀。
そのうちの一つです。
釉がなめらか。
くねっとした動きがあって、文様も大きく大胆。
「卯花墻」という銘は釉景色を垣根に咲く卯の花に例えたことから。
なんてぴったりなんだろう。
なお、もう一つの国宝は本阿弥光悦の白楽茶碗「銘不二山」(サンリツ服部美術館所蔵)です。
長野県諏訪市にあるそうでいつか見に行きたいなぁ~。

ここからジャンルごとに展示されていました。
《志野》
志野は美濃地方独特の白土に長石釉がかけられた白い陶器。
「志野檜垣文茶碗 銘雪の朝」
まず、銘が素敵過ぎる。
雪の明日(ゆきのあした)
釉調からとられたそう。
やや厚めに轆轤引きされたもので、どっしりとしています。

「鼠志野鶺鴒文鉢」
広いつばのついた大きな器。
鉢の部分は全体の半分にも満たないもの。
実用性よりも見た目重視かな。
色も鶺鴒の文様も素敵でした。

《黄瀬戸》
その名前のまま、黄色の釉がかかった焼き物。
産地や時代は志野とほぼ重なります。
が、志野などに見られる斬新さはなく、漆器や中国陶器を倣った様子が。
また、茶の湯の器は少なく、多くは高級な食器類とのこと。
私はこの黄瀬戸がいちばん好き。
「黄瀬戸茶碗」

写真はチラシから~。
まず薄いところがいい。(個人的な好み)
そして色。
優しそうで穏やか。
そこに入る文様と緑の釉もいい感じです。

「黄瀬戸菊花形鉢」
口部が菊花形。
白濁色を帯びた柔らかな黄釉でのびやかです。
四方の文様もかわいらしく雰囲気ととてもあっていました。

《瀬戸黒》
桃山時代後期に美濃で焼造された志野、黄瀬戸、瀬戸黒、織部は当時いずれも「瀬戸」と呼ばれていました。
《瀬戸黒》は瀬戸の黒茶碗という意味で、茶碗しかありません。
「黒瀬戸茶碗 銘小原女」

写真はチラシから~。
釉がキレイにのびていて、艶も本当にきれい。

《織部》
志野や黄瀬戸、瀬戸黒に遅れて始まった織部。
志野や瀬戸黒の技法を基本としながら、黒と白、緑と白、赤に緑などそれまでの日本になかった色彩豊かな器が作られました。
また、歪みが強調され個性的な器が多いのも特徴。
本当に個性的なものがそろっていました。
「織部串団子文茶碗」
筒茶碗で胴の一方に串団子が描かれています。
反対の面は串だけが描かれているとか。
食べてしまったよ、ということを意図しているそう。
裏が見たい!!

「織部波車文沓茶碗 銘山路」

写真はチラシから~。
赤土と白土を用いて作られ、色彩豊か。
車の文様を描くとか、ほかとは違っていて目をひきました。

陶器ってどこの産地か、とか、どういった種類のものか、というものがなかなか覚えられない&分からないためちょっと苦手。
今回はそれぞれ分けて特徴を紹介しつつ展示されていたため、とても分かりやすいものでした。
国宝も見れるし、銘陶と呼ばれるものも多数でとても充実していました。



ブログランキングよかったらお願いします


最新の画像もっと見る

コメントを投稿