RuN RiOt -marukoのお菓子な美術室-

お菓子好き。F1好き。
美術館行くの大好き。
買い物も大好き。
休日に全力で生きるOLの日記(笑)

ねこ・猫・ネコ

2014-05-03 21:30:00 | 美術
見てきました

渋谷区立松涛美術館

会期は2014年4月5日から2014年5月18日。

ネコ大好きな私にはたまらない展示です。
松濤美術館は32年ぶりのリニューアル工事を終え、その記念の展示となります。

古代エジプトで誕生し、シルクロードを伝って世界に広がった猫。
日本には奈良時代にやってきました。
平安・鎌倉時代には天皇や貴族階級に愛され、江戸時代には庶民生活に馴染み、国芳などが浮世絵に残しています。
近代以降も藤田など愛猫家が作品に描いて残しています。
今回の展示では近世以降の作品を中心に中国や朝鮮の作品を含め87点の作品がお出迎え。
にゃーん!!!
飼い猫のプリント写真持参で入館料2割引きという企画もやっています。
って、松濤美術館の入館料って300円じゃん。
2割引きって240円!!
すごいね!!
と思いきや。。
リニューアル後はその展示に応じて入館料が変わるそう……
美術館にたくさん行く私。
入館料的にとても優しかった松濤美術館……
まぁ仕方ない。
今回は一般¥1,000です。

《序章:猫の誕生》
「聖猫頭部」
猫はアフリカからアラビア地方へ分布したヤマネコが祖先。
家畜化されたのは約1万年前の古代エジプトです。
女神バステトの使いとして大切にされていました。
これは猫のミイラにかぶせたもの。
どれだけ大切にされていたかが伺えます。

《1.孤高の猫》
猫は家にはつくけど人にはつかず、とよく言われます。
それは中国でも同じだったようです。
ここでは孤高の…1匹の猫を扱った作品が展示されています。

山口宗季「神猫図」
描かれているのはしっぽだけが黒い猫。
丁寧に描かれています。
作者は、中国人画家、孫億に学び、中国花鳥画の伝統を継承しつつ創意を加えて仕上げていたそう。

夏目漱石「あかざと黒猫」
墨の濃淡で表現された猫。
孤高、、というよりも愛嬌あります。

黒田清輝「花と猫」
たくさんの花に囲まれ目をつぶる猫。
うーん、猫より花の方が目立つ…

堀文子「月と猫」
新月の夜、不思議な渦巻き模様の景色の中、枝を掴んだ状態の猫。
不思議だけどかわいらしい。
ファンタジーや絵本の世界観です。

石井鶴三「猫」
威嚇する猫。
粗いけど、迫力あります。

《2.猫のいる生活》
日本への猫の伝来は奈良時代。
仏教の伝来とともに船上での鼠の害から経典を守るためにやってきたと伝えられています。
その後は貴族の間で大切にされ、源氏物語などでも紐につないで可愛がっていた様子が伺えます。

千草掃雲「木蔭」
白と黒色の猫。
木陰でまどろんでいます。
近くには臼や杵、農作業具などが見えますが人の気配はありません。
夏の日の静かな日常、といった印象。

酒井三良「雪に埋もれつつ正月はゆく」
囲炉裏を囲む家族。
そこにすました表情で一緒に囲炉裏を囲む猫。
"ペット"ではなく家族なんだと言っているかのよう。
その表情がかわいらしい。

《3.眠る猫》
猫を"ねこ"と訓ずるのは"寝子"に由来する、という説があります。
たしかに気づくと猫は寝ています。
ここではそんな寝ている猫たちが展示されています。

原在正「睡猫図」
作者は原在中の長男。
白黒のぶちねこがれんげ草の脇で丸まって寝ています。
ふわりとした毛並も1本1本丁寧に描かれ細密です。

西山翠嶂「猫児(眠)」
5匹がぎゅっとまとまって寝ています。
かわいい!!すっごくかわいらしい。

《4.猫と蝶》
猫と蝶はしばしば一緒に描かれます。
それは椿椿山の「君子長命図」でも。
"長"は"蝶"、"猫"は"命"ととられ、長生きを願い描かれる吉祥の画題なのです。

椿椿山「君子長命図」
猫と竹にとまる蝶。
竹は四君子の一つ。
四君子とは蘭、竹、菊、梅の4種を、草木の中の君子として称えた言葉。
ここで描かれている竹=君子ですので、君子の長寿を願う図となります。

「猫と花鳥図」
こちらは動物大集合。
つがいの鳥に、蜂にとんぼ。
金魚が泳ぎ、花は咲き誇っています。
猫も描かれているのですが…
かわいくない。。ぶさいく。。。

《5.鼠と猫》
猫と鼠、、、危険な組み合わせ。笑
古代エジプトでは女神の使いであると同時に、穀物を鼠の被害から守っていました。
猫が日本に来たのも経典を鼠から守るため、と言われています。
ロシアのエルミタージュ美術館では鼠から作品を守るため"雇われて"います。
イギリスではウィスキーの蒸留所で鼠対策の"ウィスキー・キャット"がいます。
さらにイギリスでは首相官邸で猫を飼っていることも有名です。
現実の世界ではなくても、十二支に猫がいないのは鼠が嘘を教えたから。
トムとジェリーはいつも追いかけっこしています。
そう、因縁の相手なのです。笑
ここではその2組を描いた作品です。

小林清親「猫と提灯」
提灯の中に逃げ込む猫。
しっぽだけが見えていますが、猫がそのしっぽをちょいちょいっとしています。
その動きがかわいらしい。

《6.美女と猫》
しなやかで媚びを売るような態度。
気高く振る舞い、でも気まぐれで予想外。
猫と美人はときにそのように例えられます。
ここでは猫と美人の組み合わせ。

戀川春政「美人に猫図」
黒い着物に幅広の帯。
大きく結った髪。
足元には見上げるかのようにじゃれつく猫。

桃源斎栄舟「太夫愛猫図」
描かれている遊女はその豪華な様から遊里最高の太夫とみられます。
高貴な皇女を太夫に例えた作品。
太夫は教養と気品も要求されますから…

岡本一平「漱石先生」
描かれているのは机に向かう漱石。
その横には黒猫。
ちょっとびっくりしたかのような表情とデフォルメされたスタイルがかわいい。
って、美人と猫のコーナーにあるのは間違いなんじゃ…

長谷川昇「美人と猫」
美人が猫を抱えています。
美しい。
落ち着いた色彩が柔らかい印象をだしてます。

《7.中国・朝鮮の猫》
猫は仏教の伝来とともに中国からやってきます。
中国の文献上、猫が出てくるのは"礼記"
家畜として一般化するのは漢代以降となります。

沈南蘋「老圃秋容図」
描かれているのは虫を狙う猫。
他には黄蜀葵に菊に朝顔。
シンプルな構図です。

劉奎齢「斑猫」
虚無を見つめる猫。
毛並は繊細でふわふわです。

斉白石「君何懶也」
紅菊と白菊の上を黒い蝶が舞っています。
菊花は薬草として延年の効があるそうなので、これも吉祥画かな。
下では頭と尾、背中が黒い猫が丸くなって寝ています。

あー、猫欲しい。
にゃんにゃんもふもふしたい。
名前は「きなこ」にする予定です!!笑


ブログランキングよかったらお願いします

最新の画像もっと見る

コメントを投稿