RuN RiOt -marukoのお菓子な美術室-

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犬塚勉展 - 純粋なる静寂-

2011-09-20 21:30:00 | 美術
見てきました

日本橋高島屋

会期は2011年9月7日から2011年9月26日。

さて。
私、この方初めてなのですが。
素晴らしかったの一言。
おすすめです。
こうやって素敵な作家さんを見つけると嬉しくなりますな~

犬塚勉(1949~1988)
川崎に生まれ、奥多摩に住み、美術教師を勤めながら学校の美術準備室をアトリエに作品を描き続けました。
その特徴はスーパーリアリズムとも呼ばれる写真と見紛うほどの精緻な描写。
自然を愛し自然に溶け込んだ画家。
自然の息吹を全身全霊で感じとって描きたい、その一心で山に登り続けます。
目に見えないもの土の匂いまでも生涯追い求め。
登山技術を独学で身につけ、年に10回以上登頂したといいます。
「暗く深き渓谷の入り口」を制作している際、
"水が描けない、もう一度水を見てくる"
そう言って谷川岳へ。
そこで天候悪化により遭難。
帰らぬ人となりました。
享年38歳。
若すぎる。

今回、約110点の展示。
写実だとばかり思っていたら。
自画像から始まり、かなりカラフルな作品も多く。
仏画を描いていたことも。
ここからどのようにして写真のような写実風景画に変化していったのか、わくわくしながら見ていけました。

そして、突然現れる美しい自然。
すごく素敵です。
「日本のワイエス」
なんて記述も見たのですが。
ワイエスよりも好きだな。
ワイエスも好きだけど。
漂う空気や静かな森に木々の葉が風で動く小さな音が聞こえてきそうで。
自然も生きているってことをこんなにも輝いて表現できるのだな、と。

彼は草の葉、山、岩などの何気ない自然に感動し、何度も足を運び。
野や山に溶け込んで全身全霊、命を超えて描きます。
「私は自然になりたい」と。

若くして亡くなった作家さんの作品を見終えるときはちょっと感傷的になります。
今回も。
今年は練馬区立美術館で「磯江毅」展を見ましたが。
同じ写実で早くに亡くなったってことが被って。
磯江毅のときも書きましたが。
"もっと見たかった"
絶筆となってしまった「暗く深き渓谷の入口」も完成したところが見たかった。

ちょっと逸れるのですが。
息子さん、次男の方が私と同じ年ってことが気になりました。
同じく若くしてなくなった有元利夫のご子息も確か同じ年だった気が……。
ほんと、関係ないですが、年譜見てたら気になって。

作品、本当にどれも素晴らしかった。
こんな素敵な出会いがある
だから美術展巡りがやめられないのです。



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