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寒月やさて行く末の丁と半

2014-11-22 07:30:00 | 編集手帳

11月18日 編集手帳

 

物覚えの悪い身は中学生の昔、
理科の授業で苦労した。
リトマス紙を溶液に浸して青色や赤色に変化したとき、
どちらの溶液が酸性でどちらがアルカリ性か、
いつも迷った。

「信号と一緒だよ」。
要領のいい友人が教えてくれた。
青に変わったら“歩け”(アルカリ)。
数十年たったいまでも、
交差点で「アルカリ…」 が浮かんでくることがある。
思えばあれよあれよと現実になった総選挙の投票用紙は、
民意という溶液に浸すリトマス紙かも知れない。

7~9月期の国内総生産(GDP)が速報値で予想外のマイナス成長となったのを受けて、
安倍首相は来年10月に予定していた消費増税を延期するという。

きょうの稼ぎなくして明日の改革もないから増税の延期はやむを得ないが、
景気の停滞を有権者はどう受け止めるだろう。
見込み違いは「ユル酸」と、
赤信号が安倍政権に停止を命じるのか。
「アベノミクスのほかに有効な手がアルカリ?」と、
前進を命じる青信号がともるのか。

選挙戦は師走の月が冴(さ)えざえと照る頃である。
〈寒月やさて行く末の丁と半〉(変哲)。
丁半ならぬ、
さて注目の青と赤である。


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