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“子どもたちに未来を” 中国 少年野球チーム 

2021-07-06 07:01:15 | 報道/ニュース

2021年6月10日 NHKBS1「国際報道2021」


中国の元プロ野球選手 孫嶺蜂さん。
中国では近年 野球の競技人口が増えつつあるが
孫さんは恵まれない環境で育った子どもたちのための少年野球チームを作り運営している。

北京の中心部から車で2時間の郊外にあるグラウンド。
ここを本拠地とする少年野球チーム エンジェルスは全国大会で優勝したこともある強豪である。
子どもたちは7~15歳。
みな中国各地の農村の出身である。
チームの宿舎では男女68人が共同生活をおくっている。
両親を亡くした子どもや
貧しさから親元を離れざるを得なかった子どもなど
さまざまな事情を抱えている。
「うちはとても貧しいので僕が選ばれました。」
「コーチが迎えに来た時
 売られると思って怖くなり車のドアを蹴りました。」
ここで子どもたちは18歳になるまで無償で暮らすことができる。
施設とともにエンジェルスを起ち上げたのは
元プロ野球選手の孫嶺蜂さん(42)。
寄付を募ってチームを運営している。
孫さんはかつて中国代表チームのキャプテンを15年間務め
北京オリンピックやWBCに出場するなど第一線で活躍してきた。
引退後の2016年
中国の野球界を盛り上げようと
資材を投じてエンジェルスを発足させた。
北京近郊の貧しい家庭で育った孫さん。
小学2年生のときにスカウトされて以来野球中心の生活をおくってきた。
自分の人生を変えた野球を通じて子どもたちに希望を与えたいと考え
貧困地区の子どもたちを引き取ることにしたのである。
(エンジェルス代表 孫嶺蜂さん)
「豊かな家庭の子どもたちを集めればもっと金を稼げるのにとよく言われます。
 でも私は貧しい子どもを助ける方が価値があると思っています。」
エンジェルスのキャプテンを務める15歳の大宝くん。
ピッチャーで4番打者である。
5年前 河北省の農村からやって来た。
シングルマザーの母親は出稼ぎに行ったきりで
ほとんど会ったことがない。
育ててくれた祖母が高齢になったため孫さんが引き取ることにしたのである。
(大宝くん)
「実家ではこんないい環境には恵まれません。
 勉強や野球を頑張れば
 家族の未来も変えられるかもしれません。」
大宝くんは野球による推薦で大学に行きたいと考えている。
将来は野球の指導者になるのが夢である。
施設には6人の教師がいて
子どもたちの学力に応じて勉強を教えている。
故郷の村では貧しさから学校に行けなかった大宝くん。
小学校の勉強からやり直している。
4月初め
エンジェルスは全国大会への出場をかけた北京地区の予選に臨んだ。
初戦の相手はブラザーズ。
富裕層の子どもが多く
エンジェルスの最大のライバルである。
ルールは1試合4イニング。
エンジェルスは初回
連打で3点を先制する。
しかし2回
ブラザースの反撃ですぐに1点差に詰め寄られる。
なおも満塁のピンチでマウンドにあがったのは大宝くん。
2者連続三振でピンチを切り抜けた。
この試合エンジェルスは11-2の大差で勝利。
その後も勝ち続け
見事優勝を果たし
全国大会への出場権を獲得した。
(エンジェルス代表 孫嶺蜂さん)
「何もしなければ彼らの未来は変わらないでしょう。
 それならば私たちが新たな道筋を示してやればいい。
 私自身も野球を通して生まれ変わったのですから。」




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