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韓国 炭鉱からカジノへ 生まれ変わった町は

2017-04-11 07:15:00 | 報道/ニュース

3月17日 キャッチ!


日本では去年12月にカジノを含むIR(統合型リゾート施設)の整備推進法が成立し
今後 政府が1年をめどに
カジノの運営業者に対する規制やギャンブル依存症などの対策の
具体的な措置を定める法案の作成を進めることになっている。
となりの韓国では
今から50年も前に外国人観光客の誘致を目的としてカジノが合法化された。
現在では国内17か所にカジノがあり
年間売り上げが2,800億円を超える一大産業となっている。
そのうち東部のカンウォン道につくられたカジノ施設は
炭鉱の閉山に伴う地域の振興を目的に作られ
唯一 韓国人も利用できることから最大の収益を上げている。

韓国東部にあるカンウォン道チョンソン群。
ソウルをはじめ国内各地から次々と高速バスが到着する。
訪れた人々が向かう先は2000年にオープンしたカジノ施設カンウォンランド。
年間約300万人が入場し
国内のカジノの収益の半分以上を占めている。
さらにスキー場やゴルフ場なども併設した総合リゾート施設として観光客を集めている。
カンウォンランドのあるチョンソン群は韓国有数の石炭の産地として栄えてきた。
韓国の石炭の3割を算出し
最盛期には14万人が暮らしていた。
しかし1990年代に炭鉱が相次いで閉山となり
人口は3分の1にまで減少した。
住民は地域の存続をかけ炭鉱の代わりとなる産業の誘致を要求した。
こうして実現したのがカジノの建設だった。
町で食堂を経営するカン・ジェソクさん。
当時炭鉱で働いていたカンさんもまた誘致運動に参加した1人である。
(食堂経営者 カン・ジェソクさん)
「各廃棄物の処分場でも刑務所でもどんなものでもよいからと
 地元を離れずに暮らしていけるなら何でもいいと思うほど追い詰められていました。」
カジノは地域に雇用と収益をもたらした。
チョンソン群の税収はオープン前と比べ5倍に増加。
住民の多くがカジノに関連した仕事で生計を立てている。
炭鉱で働いていたイ・サンホさんは閉山後タクシーの運転手になり町に残った。
客のほとんどはカンウォンランドの利用者である。
(タクシー運転手 イ・サンホさん)
「炭鉱がなくなって子どもを養っていけるか心配でした。
 カンウォンランドができたおかげでタクシーの客が増えて助かっています。」
一方でカジノは町の風景を一変させた。
中心街にはカジノ客を相手にした性風俗の店が増え
環境の悪化を懸念する人もいる。
カジノの周辺には24時間営業の質屋が立ち並んでいる。
店の前に置かれた高級車の列。
カジノでお金を失った客が質入れしたものである。
(質屋の店主)
「どの質屋の駐車場にも70~80台あります。
 お金を失って家にも帰れなくなりここで暮らすしかなくなるのです。」
街中で福祉団体から弁当を受け取る人たち。
カジノで無一文になったいわゆる「カジノホームレス」。
その数は1,000人にもなると言われている。
(ホームレスの男性)
「1度カジノにはまると何も考えられなくなります。
 全財産を失っていくところがありません。」
行き場をなくした人たちのカウンセリング施設であるバス。
自殺を予防するため10年前から活動を行っている。
この日訪れた男性はもとは不動産の仲介業を営んでいた。
5年前 知り合いに誘われたことが転落のきっかけだった。
「1度やったらダメになると聞いていたので近くに来たこともありませんでした。
 でも偶然に後輩と一緒に来てカジノにはまってしまいました。」
男性はカジノに通い詰めるようになり
1年間で全財産の5,000万円を失った。
妻や2人の子どもとは別れ別れになった。
「最後のころは換金できるものが何もなくなりました。
 もらっていた国民年金も口座に入った瞬間全額おろしてカジノに使いました。
 世間体を保つための最小限のお金も残しませんでした。
 自分が本当に嫌になりました。
 カジノにはまらなければ
 今頃 子どもや孫と手をつなぎ一緒に幸せに過ごしていたでしょう。」
カジノによる環境の悪化を理由に町を去る人が後を絶たない。
廃校になった小学校。
チョンソン群の人口はカジノのオープン以降も減り続けている。
地域振興団体の代表を務めカジノの誘致を推進してきたチェ・ギョンシクさん。
自分たちの決断は正しかったのか
複雑な思いを抱いている。
(チェ・ギョンシクさん)
「カジノができてよかったことはありません。
 最後の手段・選択だったのです。
 現状をどう維持し幸せに暮らせる町にするか
 そのことだけを考えています。」
雇用と収益を生み出し
地域の再生を担ってきた家事の施設。
一方で変貌する町の姿に住民の心は揺れている。





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