4月27日 おはよう日本
パラレルワーカー。
1つの会社にとどまらず並行して複数の仕事をし収入を得るという新たなスタイルの働き方で
いま注目を集めている。
兵庫県伊丹市の畳の製造販売会社。
朝9時に出社した田畑恒平さん(42)。
6年前まで東京の大手広告代理店に勤めてきた田畑さんは
12月からこの会社で働き始めた。
田畑さんが働く時間は1か月に20時間
契約期間は1年だけである。
実は複数の仕事をして収入を得るパラレルワーカーなのである。
田畑さんのスケジュール表は4つの仕事が肩書ごとに色分けされている。
畳会社の顧問に加えて
情報学を教える大学の准教授
地域の特産品を売り出す会社のアドバイザー
そして自ら会社経営もしている。
この4つの仕事を同時並行で進めているのである。
この畳会社では
「インターネット経由で受注が来たときにスピード感を上げられないか。
欲しいときが買い時じゃないか。」
広告代理店時代の経験を生かし
チラシやインターネットの広告に対して顧客が反応したか毎週分析し
会社の戦略を練っている。
(あたらし畳 金田孝浩業務部長)
「的確なアドバイスをもらえる。
データに基づいてやっているので自信がついた。」
パラレルワーカーの魅力について田畑さんは
“さまざまな職場で新しい仕事に挑戦し続けることで自らの能力を高められることだ”と言う。
(田畑恒平さん)
「ひとつの組織の中に入っているとその世界観 価値観に染まるが
いろいろな会社とつきあう中で
こういう考え方見方もあると新しく気づかせてもらえる。」
田畑さんはこの日は午前11時半に退社し次の職場へ向かう。
長時間労働が常態化していた広告代理店勤務のときに比べ
パラレルワーカーは働く時間にメリハリをつけられることもメリットだという。
田畑さんを畳会社に紹介したコンサルティング会社。
パラレルワーカーとしての支援に力を入れている。
その仕組みは
中小企業の現状を調べ最優先の経営課題を洗い出す。
そしてその課題を解決できるスキルを持った人材を選び出し紹介。
その特徴は働く期間をおおむね1年程度としていて
1人の人材を1つの会社だけでなく複数の会社で働くパラレルワーカーとしていることである。
(サーキュレーション 笹島敦史関西支社長)
「中小企業は必要な人を必要な時に採用できていない。
必要なタイミングで必要なだけ活用してもらえる。
時代の流れに即したスピード感に合わせた活用ができる。
1人が同時に3社で働くことが出来る時代を作っていきたい。」
専門家はこうした新たな働き方はますます広がっていくと指摘している。
(同志社女子大学嘱託講師 河野尚子さん)
「同じ会社でずっと働くよりは
複数のキャリアを持って働く選択肢もある。
働き方を選んでキャリアを築いていく可能性が広がっている。」