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日本航空 19日再上場

2012-09-19 08:42:43 | 報道/ニュース


  9月19日 おはよう日本


  日本航空はおととし1月
  事業会社としては過去最大の約2兆3,000億円の負債を抱え経営破綻し
  会社更生法の適用を裁判所に申請した。
  日本航空は
  国などが設立した企業再生支援機構から3,500億円の出資を受け
  赤字路線からの撤退や
  1万6,000人にのぼる人員削減などを行って経営の再建を進め
  昨年度の決算で2,000億円超の過去最高の営業利益を達成した。
  その結果 
  日本航空は9月19日東京証券取引所1部に再び株式を上場することになった。
  破たんから再上場まで2年8か月という異例に早さである。
  今回の再上場によって6,000億円超の資金が調達される見通しで
  集まった資金は支援機構からの出資金の返済や
  国への納付金などに充てられることになっている。
  日本航空は国の支援のもとでの再建を終え
  独立した民間企業として再スタートを切ることになる。

  その陰には徹底的なコストの削減があった。
  人件費を減らすため
  破綻前にいた4万8,000人の従業員のうち1万6,000人を削減。
  希望退職などが目標に達しなかったため
  パイロットと客室乗務員の165人を対象に
  雇用契約を打ち切る整理解雇に踏み切った。
  こうした取り組みによって人件費は
  経営破綻前の平成20年度には約4,300億円だったが
  昨年度は約2,200億円にほぼ半減。
  
  日本航空の経営の立て直しには多くの痛みを伴った。

  エアアジア・ジャパン機長を務めている野口雅義さん(61)は
  2年前まで日本航空の機長だった。
  出勤先は成田空港の手狭な事務所。
  出発前の打ち合わせは空きスペースで行う。  
  野口さんの人生は日本航空の破綻で大きく変わった。
  野口さんは総飛行時間は1万5,000時間のベテラン機長で
  さらに教官も務め多くの後輩を育ててきた。
  しかし突然の経営破綻。
  航空会社を10社以上受けたがいずれも不採用で収入は無くなった。
  ようやく採用された格安航空会社はこれまでとは大きく勝手が違う。
  給与は大きく減り
  操縦室でとっていた機内食も自分で用意しなければならない。
  この日 一緒に乗務したパイロットも日本航空からの再就職組。
  「私なんかはまだ同じ仕事で幸せですけど
   教え子の中にも結構辞めたり
   東南アジアで安い給料で飛んでいたり
   犠牲というか
   そういうのがあったことは知ってほしい。」
  日本航空を離れ気づかされたこともある。
  この会社では機内清掃や毛布の片づけには
  客室乗務員だけでなく機長もできるだけ参加する。
  こうした仕事を手伝ううちに野口さんは
  快適な空の旅を提供するという航空会社の原点を改めて感じている。
  「少しでもきれいに(毛布を)たたもうとかね
   トイレットペーパーでもあの辺を濡れていたら拭こうととか
   LCC(格安航空会社)にはLCCのやり方があるので
   その中で
   お客様が最高だったなというフライトを作っていきたいを思います。」

  もうひとつ野口さんは思いを新たにしたことがある。
  安全への取り組みである。
  その原点にあるのが
  520人が犠牲になった御巣鷹山の日航ジャンボ機墜落事故。
  再就職先でも教官を務めることになった野口さんは
  安全教育など後進の育成にかかわることになった。
  まだ就航したばかりの会社では教材も一から手作りである。
  野口さんは
  新たなスタートを切る日本航空も
  安全という航空会社の原点を忘れずにいてほしいと思っている。
  「微力でしたけれども
   自分が教えてきた足跡は残っていてくれればいいなと。
   日本航空の社員がその思いを引き継いでくれたらいい。」

  経営破綻で痛みを受けたのは社員たちだけではない。
  株主も大きな痛みを受けた。
  日本航空の株主のうち約6割にあたる約45万人が個人の株主だった。
  しかし破綻後の株価は下限の1円まで下がり上場が廃止され
  最終的には株式の価値がなくなる結果となった。
  再上場された日本航空の株式の取引は
  19日午前9時から始まる。 
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