勝部の家にて……
勝部、智美、絵里、繁子の4人は、テーブルを囲んだ。
テーブルには、スーパーで買ってきたお総菜や、繁子の作った料理が並べられた。
「さあさあ、始めよう」
「すいません……本当にいいんですか?」
「じいちゃんと孫の間で、なにを遠慮するかね。はい、智ちゃん、ビールだ」
勝部はビールの缶を智美に渡した。
「絵里ちゃん、あんたはオレンジスプライトな」
「えー、あたしもビール飲みたい」
「だめだめ」
勝部は、4人に飲み物が行き渡ると、
「まずは、アッちゃんのために黙祷を捧げよう」
4人は手を合わせ、黙祷した。
「では、来年はいい年でありますように。乾杯!」
「かんぱーい!」
4人は、杯を合わせた。
「智ちゃん、あんた、けっこういけるね」
「ふふっ、鍛えてますから」
「ふだん、誰と飲んでるんだい?」
「女の子ばっかりです」
「本当かい、そりゃ?」
「ねえ善さん、きいてよー」
絵里は、オレンジスプライトだけで、酔った気分になったらしく、
「あたし、男を見る眼がないのかしら」
「んー? ボーイフレンドか」
「いたけど捨てられちゃったよ」
「そうか、男なんぞいくらでもいるんだ。焦るな焦るな」
「そーいえばさ、智美さん、彼氏はー?」
智美は話を振られると、
「んふふ、実は、いるのよー」
勝部は、
「……そうなのか?」
「いるけどね、私を置いてドイツに行っちゃって」
「ありゃま」
「いつ帰ってくるかわかんないから、もう、新しいの見つけちゃおうかなー」
絵里は、オレンジスプライトの缶を突き出して、
「いえー、男運がないどうし、かんぱいっ!」
宴たけなわも過ぎ、ペースダウンしてきた頃……
外はすっかり暗くなっていた。
「智ちゃん、絵里ちゃん、一緒の部屋で寝てくれるか」
「はーい」
繁子は、
「あんた、いいの? 絵里ちゃんまで……ご両親が心配するよ」
「大丈夫。帰りの車の中で、滝沢さんには連絡しといた」
「でも……」
「これから2人で、積もる話があるのさ。ガールズトークってやつだよ」
翌朝……
「じゃあ、絵里ちゃんを送っていきます」
「よろしく頼むよ」
絵里は車の中から、手を振って、
「善さん、繁子さん、ありがとう!」
車は、絵里の家へと向かっていった。
(楽しかったな)
これで、丸く収まった……のだろうか。
絵里を下ろした帰り道、智美は運転しながら、
(おじいちゃんに今度、ご飯でも作ってあげようかな。だいぶ、お世話になっちゃったから)
すると、携帯が鳴った。
(あれ。誰だろ?)
智美は、車を左に寄せた。
「もしもし」
突然、フロントガラスが突き破られ、何者かが、智美の首をわしづかみにした。
「うっ!」
抵抗しようとしたとき、なにかの薬品の匂いのする布を、口に押しつけられた。
「……」
眼がかすみ、意識がぐんぐん遠くなった。
(つづく)
勝部、智美、絵里、繁子の4人は、テーブルを囲んだ。
テーブルには、スーパーで買ってきたお総菜や、繁子の作った料理が並べられた。
「さあさあ、始めよう」
「すいません……本当にいいんですか?」
「じいちゃんと孫の間で、なにを遠慮するかね。はい、智ちゃん、ビールだ」
勝部はビールの缶を智美に渡した。
「絵里ちゃん、あんたはオレンジスプライトな」
「えー、あたしもビール飲みたい」
「だめだめ」
勝部は、4人に飲み物が行き渡ると、
「まずは、アッちゃんのために黙祷を捧げよう」
4人は手を合わせ、黙祷した。
「では、来年はいい年でありますように。乾杯!」
「かんぱーい!」
4人は、杯を合わせた。
「智ちゃん、あんた、けっこういけるね」
「ふふっ、鍛えてますから」
「ふだん、誰と飲んでるんだい?」
「女の子ばっかりです」
「本当かい、そりゃ?」
「ねえ善さん、きいてよー」
絵里は、オレンジスプライトだけで、酔った気分になったらしく、
「あたし、男を見る眼がないのかしら」
「んー? ボーイフレンドか」
「いたけど捨てられちゃったよ」
「そうか、男なんぞいくらでもいるんだ。焦るな焦るな」
「そーいえばさ、智美さん、彼氏はー?」
智美は話を振られると、
「んふふ、実は、いるのよー」
勝部は、
「……そうなのか?」
「いるけどね、私を置いてドイツに行っちゃって」
「ありゃま」
「いつ帰ってくるかわかんないから、もう、新しいの見つけちゃおうかなー」
絵里は、オレンジスプライトの缶を突き出して、
「いえー、男運がないどうし、かんぱいっ!」
宴たけなわも過ぎ、ペースダウンしてきた頃……
外はすっかり暗くなっていた。
「智ちゃん、絵里ちゃん、一緒の部屋で寝てくれるか」
「はーい」
繁子は、
「あんた、いいの? 絵里ちゃんまで……ご両親が心配するよ」
「大丈夫。帰りの車の中で、滝沢さんには連絡しといた」
「でも……」
「これから2人で、積もる話があるのさ。ガールズトークってやつだよ」
翌朝……
「じゃあ、絵里ちゃんを送っていきます」
「よろしく頼むよ」
絵里は車の中から、手を振って、
「善さん、繁子さん、ありがとう!」
車は、絵里の家へと向かっていった。
(楽しかったな)
これで、丸く収まった……のだろうか。
絵里を下ろした帰り道、智美は運転しながら、
(おじいちゃんに今度、ご飯でも作ってあげようかな。だいぶ、お世話になっちゃったから)
すると、携帯が鳴った。
(あれ。誰だろ?)
智美は、車を左に寄せた。
「もしもし」
突然、フロントガラスが突き破られ、何者かが、智美の首をわしづかみにした。
「うっ!」
抵抗しようとしたとき、なにかの薬品の匂いのする布を、口に押しつけられた。
「……」
眼がかすみ、意識がぐんぐん遠くなった。
(つづく)
でも、アーノンでは無いですよね?
薬品云々ってことは人だから、やっぱり悪者は人間ってことなんでしょうか?
でもアーノンが少し…おおっと、これは次回のお楽しみ、ということで。
いよいよ、ラストにさしかかります。
今日もお読みいただき、ありがとうございます!
この辺りから、ラストへ向かって
盛り上がっていくわけねーーーーーー
ワクワクーーーー
ドキドキーーーーーー
いよいよラストですが、いかがでしたか?
楽しんでいただけたのなら、嬉しいです。
最終回までよろしくですー!