And Li Po also died drunk

勝手に好きな音楽、映画、本を書き連ねる。

反射していますか

2014-07-26 23:57:19 | 日記
昔から洋画ばかりで日本映画など見向きもしなかったのだが、10年くらい前、急に観たくなって、
LDで次々名画らしきものを集め出した。初めは黒澤、「七人の侍」くらいしか観たことなかったが、
オークションで黒澤のLDを全部落として観始めた。出た頃の黒澤のレーザーディスクは高くてそれだけで腹立ったのだが
その頃はオークションで安く手に入れられた。黒澤終わったら小津。小津安二郎こそ何も観たことなく、これも
全部LDで揃えた。それも終わったら溝口健二。溝口の場合は戦前のものが失われている物が多かったが、現存するフィルムは
すべてLDで揃えられた。溝口も初めてだったが、小津の家庭ものとは違い、どろどろした人間関係が面白かった。
そして木下恵介と揃えたが、黒澤以外は2度観ようとは思わなかった。そのすべてDVDで買い直したが、どれとして観直した物はない。
日本映画はそんなものかと思ったが、唯一観直して面白いと思ったのが本人の監督作品でなく、
新藤兼人が昔のゆかりのある人にインタビューした「ある映画監督の生涯」
人間としての溝口健二、本当に面白い。俳優、スタッフに無理難題を言いまくる。映画が儲かっていた時代なので
黒澤だけでなく監督はみな天皇。映画のためだけに原寸の松の廊下を作ってしまう。国宝の壺持って来い、電柱気に入らないからなくせ、
自分の気に入った空になるまで撮影しない。女優入江たか子に昔使われていたという屈辱から、のち落ち目の入江たか子を罵倒して立ち直れないようにしたとか。
それで傑作揃いかといえば、観られないような駄作も多々ある。戦時中は息子がお国のために死んでよかった、よかったという戦意高揚映画まで作ってる。
映画監督は奇人変人多いというが、ここまでの人間はいないと思う。こんなのそばにいたら大変だが、「映画」として観るとこんな面白い人間いない。


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