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ロンドンから徒然に

“政府認定”日本料理

2007-06-23 | 旅・イベント
 昨日のアイルランドの話の続きをもうひとつ。
 翌日、またパブで何杯かのビールを飲んだ後、さて何を食べようかという話になりました。彼等が言うには、日本料理の店ができたのだが、自分達はまだ和食というものを一度も食べたことがない。良い機会だし、行ってみないか。
 そこで、車で少し郊外の方にあるそのお店に行くことにしました(あれっ、これって飲酒運転ですよね。今でもまかり通っているのかな?)

 場所がやや分かりにくいところにあるからか、そもそも日本人の住人や観光客があまりいないのか、その店に日本人らしき人は僕ひとりでした。
 メニューを見るとお決まりのスシ、テンプラ、ミソスープの他に、なにやら良く分からないサラダや、単語からは想像できない品が並びます。説明したり、されたりしながら幾つか注文しました。
 これが和食か、美味しいな、と言われるのですが、素直に肯定するにはちょっと.....(笑)

 海外(特にフランスなんか)では、いわゆる似非日本料理店がはびこっていて、日本人の料理人のいるお店はせいぜい1割。大抵は他のアジア系の人が働いているお店が多く、日本食とはとても言えないような品を出しているケースが多いようです。
 そこで政府が乗り出して、ミシュラン形式で取材して、純粋な日本食のお店にお墨付きを与える認定制度を始めるらしいです。

 食も文化であるという大義名分で説明されると納得しそうな感もありますが、これにはちょっと違和感を感じます。
 そもそもどのお店が美味しいとか不味いとかいうのは、クチコミだとか報道だとかで自然に伝わっていき、実際に体験して選んで行くもので、わざわざ政府が2億7千万円(!)もの予算を付けて乗り出すようなことでもなさそうな気がします。(これを口実に和食屋を渡り歩く海外の政府駐在員なんてのも頭に浮かびます)

 第一、日本で流行っているイタリアンのお店だって、あれが純粋なイタリア料理かと言われるとおそらくは違うけども、それでも本場より美味しい工夫だってされているわけで。
 カレーだって、ラーメンだって、インドや中国の味のままだと、こんな食文化に繋がるほどの味は究められなかったんじゃないかと思います。

 和食は好きですが、美味しい分とびきり高い京都のお店なんてのは、やはり何回かに一回の楽しみです。いわゆる政府認定店がこんなお店ばかりになるのもどうしたものでしょう?似非日本料理店が流行る背景には、他の国の料理と比べると圧倒的に高い日本料理の値段も影響しているのでは?
 多分放置しておいても、本物と偽者あるいは美味しいところと不味いところは自然と淘汰されていくと思いますよ。

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