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ロンドンから徒然に

シティの真ん中で

2009-05-27 | 日常
 昔ロンドンで1年半過ごした時、1度も医者に行かずに済みました。いや、病気をしなかったというわけではなく、一度なんか高熱でうなされて2日間寝たきりなんてこともあったのですが、そうなったらそうなったで医者まで出かける元気がなく、逆にちょっとくらいの調子の悪さなら薬ももらわずに自分で治したので、結局行く機会がなかったというだけです。

 なのに、今年になって既に3度目の診療所。いや、一度は健康診断のためだったのですが、あとは2回ともちょっとした事故で身体を痛めた次第。
 日系の診療所だからか、受付が終わると院内ではマスクをかけるようにと渡されました。忘れかけていた新型インフルでしたが、まだまだ影響はこんなところにもあります。



 その診療所はいわゆる“シティ”にあります。言わずと知れた金融の中心地です。ロンドンの起源となる地域でもあり、古い立派な建物が残り、その威厳ある感じはちょっと圧倒的でもあります。
 上の写真はある意味象徴的な場所かもしれません。イングランド銀行(左)があり、王立取引所(右)があり、真ん中にはロンドン証券取引所(青いビル)があります。

 ちょっと分かりにくいですが、そのロンドン証券取引所の後ろに見える黒い建物はもともとナショナル・ウエストミンスター銀行のために建設され(そのため“ナットウエスト・タワー”と呼ばれていました)、1980年代にはイギリスで一番の高さを誇っていました。今は“タワー42”と呼ばれ(42階建てだからだと思います)、5位の座に甘んじていますが、それでもシティでは一番高い建物です。

 銀行がここを手放す理由になったひとつは、建築様式のせいで広い空間が取れず、商取引にそぐわなくなってきたということが挙げられますが、直接の引き金になったのは、1993年のIRAのトラック爆弾によるテロでしょう。
 この被害による建物の補修の後、もう銀行がこの建物を所有することはなくなりました。
 
 あの頃IRAの標的だった銀行も、今はこの不景気でいまいち元気がなく、その悪環境をもたらす発端となった経済面の不祥事で今度は庶民の怒りの対象になっています。

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