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ロンドンから徒然に

夏のケンウッド・ハウス

2008-08-18 | 映画・演劇
 昨日のついでにもうひとつ、『ノッティング・ヒルの恋人』のロケ地を紹介します。ケンウッド・ハウスKenwood Houseです。アナ(ジュリア・ロバーツ)が文芸作品の映画化のロケをここで行い、その場をウィリアム(ヒュー・グラント)が訪れるという設定でしたね。
 ウィリアムも通った木立のトンネルを抜けると、あの緑が一杯の撮影場所が現れてきます。



 これはセットでなく、本当にロケ地です。あまりにも広大過ぎて、これをセットで作るのはちょっと無理でしょう。
 ロンドン中心部から少し北に外れますが、それでもぎりぎりゾーン2の中に入ります。天気の良い日に散歩を兼ねて訪れたい人はHampsteadの駅で降り、バスですぐ近くまで行きたい人は(ゾーン3に入ってしまいますが)Golders Greenで降りて乗り換えればいいと思います。



 広大なハムステッド・ヒース(地元の人は単にHeathと呼びます)の中にある邸宅は、もともと17世紀には建てられていたものらしいのですが、初代マンスフィールド伯爵に当たるWilliam Murrayが1754年にここを買い取り、Robert Adamというスコットランド人の建築家に1764年から1779年の間に大幅な改築をさせて、現在の形になっています。

 ここは現在English Heritageの管理下にありますが、中の見学は無料でできます。ここにはレンブラントの晩年の自画像など見応えのある絵画がたくさんありますが、何といっても必見はフェルメールの『The Guitar Player』でしょう。
 彼の作品の中では、あまり質の高いものと見做されていないようですが、ギターを弾く少女の愛らしさと、1974年に盗難に合ったという話題も含めて、ここでは一番の人気者です。

 このように建物の中も素晴らしいのですが、やはり広大な緑の中に遊ぶのが一番気持ちがいいと思います。毎年夏の週末の夜にはその名も“ピクニック・コンサート”と名付けられたイベントがあります。
 ステージに近いデッキ・チェア席と、芝生に座る(寝転ぶ?)プロムナード席がありますが、せっかくだったらやっぱり芝生の上でお弁当を広げて、文字通りピクニックを楽しむプロムナード席がお薦めです。こちらの方が安いですし。

 過去に2度ほど行ったことがありますが、日本と違って蚊がいないので助かります。ただ、夜になると冷え込むので注意が必要です。
 よく見るとすぐ近くに人気のTVキャスターが家族と一緒に座っていたりとか、夏の人気イベントとして定着しているようです。陽も落ちる終演間際に上がる花火も見ものです。



 今年も行く気満々でいたのですが、以前とちょっとステージと客席の位置も違うようだし、システムも変わったみたいで戸惑っています。それに、ここにきてあまりに冷夏のロンドンゆえ、何だか気持ちが冷めてしまってそのままです。でも、電車で気軽に行ける場所に、これだけの別世界があるのはいいですよね。

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