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ロンドンから徒然に

見て、嗅いで、触って...

2010-07-28 | アート
 啖呵を切って中国と決別したかに見えたGoogleが、いつの間にか中国政府による検閲の受け入れを容認して市場にまた戻って行きました。
 検閲を拒否した時は随分英雄行為として持て囃されただけに、失望している人達も多いでしょうね。まぁそれほど中国市場の大きさというのは魅力なんでしょうが。

 「中国はもう分かった、じゃ次に来るのはどこの国だろうね」
 クリエイティブ関連の友人とそんな話になったのですが、ふたりともブラジルかな、という結論でした。
 経済が良くなってきたみたいで市場としても魅力だし、デザインやクリエイティブな面でも面白い人材がいそうだし。

 折しもロンドンでは6月から『FESTIVAL BRAZIL』というイベントがSouthbank Centreで続いています。
 その一環なのかな、Hayward Galleryではブラジルを代表するアーティストであるエルネスト・ネトErnesto Netoの展覧会が開かれており、先週末に行ってきました。




 伸縮性のある生地で空間を切り取った作品は、(若い人は馴染みがないかもしれないけれど)蚊帳を連想させます。その上に乗っているのが石だったり、間に挟まれているのがハーブだったり、ところどころに空いている穴から手を覗かせたり......彼の作品は自然素材をそのまま利用することが多く、また見るだけでなく、匂いを嗅いだり、実際に触って作品を楽しんだりします。

 ただ、正直言うと、どの作品も何だか小粒で、期待していたようなわくわく感を感じません。過去の作品を写真で見て、そのスケールの巨大さを想像していただけに、ちょっと残念でした。
 やはりブラジル人の奔放さは、器からして大きなものを用意してあげて、自由に動かしてこそ活きるような気がしました。

 こんなことを書きながら、つい先日のワールドカップのブラジル・チームのことを思うのは変かな?(笑)