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ロンドンから徒然に

ほのぼの&クール!~象物語 第7話

2010-07-01 | アート
 やめときゃよかったんですが、ふざけて象物語と副題を付けていったら、もう7回も取り上げることになりました。
 しつこい気もしますが、この2ヶ月ばかりの間、街角の象たちには本当に癒されましたし、何しろ260頭近くの象が皆個性的なので、一度におざなりに済ますのも申し訳無い気がして...
 ということでもう何回かだけ、今まで写真を載せていない子を中心に書いてみようかと思います。下の写真のように、まさしく“You stole my heart”です。



 ところでこの写真の象を作ったAdam Bridglandという人は、“Your favourite leisure time artist”と称されていて、何だかほのぼのとする作風のプリントなどを手がけています。
 その“ほのぼの”感では負けていないのが日本人デザイナーのSoju Tanakaさん。ご自分のホームページでも、自分の作品で人々(と自分自身)をHappy にしたい、と書かれています。
 彼の制作した象は2頭。どちらもその特徴が出ていると思います。



 こういった作風とはがらりと異なるのが、Carrie Reichardt ake The BaronessとNick Reynoldsの共作になる下の写真のPhoolan。作品を見た若者がCool!と叫んでいました。
 同じ象の右側と左側を見ると、ほらこんなに違います。



 また細部まで凝った作りで、その制作の様子はBBCテレビでも取り上げられていました。



 さらに違った次元のアーティストとなると、著名な彫刻家Marc Quinnの作品もあります。
 いつも物議を醸すようなテーマや、珍しい素材を使ったりした作品の多い彼の象は、意表を突くようないたってシンプルな白。そして繊細な感じがします。
 これはさすがに屋外に飾れないと判断したのか、ずっとオークション会社のサザビーズの受付の前に鎮座していました。名前はありません(“Untitled”)



 先のPhoolanもこのUntitledも以前一度チェックした時は、他の象とはゼロの桁が違うくらい高値が既に付けられていましたが、さっき見てみるとそのリストの中にありません。何か特別扱いで所有者が決まってしまったのかな?

 誰だったか忘れましたが、制作者のひとりがこれを作った動機について、「自分の孫達が絵本の中でしか象のことを知らないような時代が来たりしたらいやだろ」というようなことを語っていました。
 確かに子供の頃は当たり前のように存在したものが、いつの間にか見られなくなっているというのは数えていけば幾つもあるような気がします。象をその中のひとつには入れたくないですね。