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ロンドンから徒然に

国会議事堂見学

2008-08-19 | 旅・イベント
 市内を歩いていると、あるいは地下鉄に乗ると、英語よりも他の外国語を聞くことの方が多いくらいです。もちろん住みついている人も多いのでしょうが、やはりそれほど観光客が多いのだと思います。何しろ年間に1,500万人以上が訪れる、世界で1番の観光都市なわけですから。
 その人たちが(特に初めての渡英なら)滞在中に絶対一度は訪れるに違いないのがビッグ・ベンです。あの時計塔の美しさはぜひ昼と夜の両方の姿を味わってほしいと思います。

 ところでビッグ・ベンというのは本来は時計塔の鐘自体を指す名称でしたが(このあたりのことは4月11日のブログに書いています)そのうち時計塔全体を指しても用いられるようになり、さらにはウェスト・ミンスター宮殿全体についてもその呼称を使う人もいるようです。
 ご存じのように宮殿は国会議事堂として使われていますので、厳重に警備されていて、通常は一般の人は入ることはできません。
 “通常は”です。実は一般の人が入る機会があるのです。それが今の夏休みの期間です。議事堂内の見学ツアーが実施されています。



 議事堂の前の道を隔てた所にチケット売り場がありますが、当日は長い列になりますので、前以て予約を入れた方がいいと思います。チケットを入手したら、入口で写真を撮られ、荷物検査を受け、要するに飛行機に搭乗する時のような厳重なチェックがあります。
 ツアー待ちの列は言語毎に分かれていますが、日本語は見当たりませんでした。僕が並んだ英語の列は、他のフランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語に比べると少ない列でしたが、多分回数が多いからでしょう。ちなみにロンドン在住は僕だけで、他は皆国内の地方都市からと、アメリカ、オーストラリアからの人たちでした。

 古い建物を見るだけなら、どこの観光地でもイヤというほど存在しますが、こんな立派な建物が実際に政治の中枢を司る役目を果たしているのに驚きます。
 こちらでは国会中継専門のチャンネルがあるくらいなので、議場の風景は見慣れていましたが、それでも実際にその場の雰囲気を味わうと、あの熱を帯びたやり取りが目の当たりに浮かぶような気がします。

 その下院(イギリスでは“上院=貴族院House of Lords”に対して“庶民院House of Commons”と言われます)も、実は大戦中にドイツ軍による爆撃に会い、破壊されてしまいましたが、チャーチルの主張で、昔通りの与党と野党が角突き合せる狭い距離が保たれています。
 日本の議会のやり取りは退屈なことが多いですが、こちらは本当に論理のぶつけ合いで面白いですよ。国民が政治に関心を持つのも分かる気がします。

 内部は厳格に撮影禁止でしたので、残念ながら何も見せられるものがありません。せっかくですから、撮影の許されたホールの写真を載せます。あ、ついでにトイレの手洗い場の写真も(笑)