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ロンドンから徒然に

大人の悩み、子供の悩み

2008-08-14 | 日常


 公園で何気なく子供の遊ぶ姿を見ていると、感心することがあります。本当に彼らは遊びの天才だなと思うのです。次から次に新しいルールを自分たちで紡ぎだして、飽きることなく遊びを続けます。
 その意味では規定の“ルール”に則って自分を制御しなければいけない大人の社会は大変なのかもしれません。仕事しかり、恋愛しかり。

 子供は無邪気でいいなぁ、と思うのですが、待てよ、自分が子供の頃はそれなりに抱えきれないほどの“悩み”を持っていなかったか?
 じゃ、学生の頃は?...の頃は?...の頃は?と、考え始めると、それぞれの時期が一番大きな悩みを抱えていたと信じ込んでいたように思います。
 時を経てみると、どれも大したことがないと感じるのに、どうして“今この時点のこと”をそういう風に考えることができないのでしょうね。

 ところで悩みと言えば、ロンドンで大先輩の日本人がいます。環境に馴染めずに留学中、殆ど部屋から出ることもなく過ごしたという夏目漱石。1900年当時のロンドンと言えば、霧が街中を覆って暗い雰囲気だったのでしょう。悩みを抱えた人には耐えられない環境だったのかもしれません。本の中でも忌み嫌っているのが分かります。

 しかし同じ頃にロンドンに暮らした画家、牧野義雄はロンドンの霧を美しいものと捉えて水彩画に描きとめています。
 それこそ気持ちの持ちようで色んな景色の見え方も変わってくるのでしょう。できるものならいつでもポジティヴな気持ちでいたいものです。