HOBNOBlog

ロンドンから徒然に

改装後のロイヤル・オペラ・ハウス

2008-08-01 | 映画・演劇


 このところの日本からのメールを読むと、その暑さがこちらまで伝わってきそうです。先週まで最高気温でも20度行かないくらいの冷夏だったロンドンでは、もう30度を超す気温とか70%を超す湿度なんて信じられない数字です。
 ただ今週は夏らしい陽射しも戻って汗をかく日も続いています。今日は風もなかったせいか特別暑く感じましたが、それでも最高気温は28度で、明日はまた21度の予想です。
 以前も地下鉄のことで書きましたが、エアコンの設備がないところが多いので、たまに暑い日が続くと大変なことがあります。かつてはここもそうでした。

 コヴェント・ガーデンの駅からすぐのところにあるロイヤル・オペラ・ハウスRoyal Opera Houseは、ロイヤル・オペラとロイヤル・バレエの本拠地として使われています。
 オペラ通の(HOBNOBの相方)西川はよくオペラを聴きに訪れていたようですが、僕はむしろバレエが好きで、丁度前回の赴任時には、パリ・オペラ座を退団したシルヴィ・ギエムがロイヤル・バレエのゲスト・プリンシパルとして華々しく活動していた時期だったので、彼女のジャンルを問わない素晴らしいバレエに魅せられて足繁く通ったものです。
 ちなみにその頃のロイヤル・バレエは、熊川哲也が小さい身体ながら滞空時間の長い跳躍で客席を沸かせたり、吉田都が移籍してきて、その愛らしい容姿と確かな技術でたちまち人気者になったり、日本人の活躍も目立っていました。

 僕は大のネクタイ嫌いなので、(あまり大した意味はないのですが)悲劇のオペラの時を除いたら、あまり正装はしませんでしたが、やはりイギリス紳士たちはきちんとした服装で舞台に向き合うのです。
 ところが当時のロイヤル・オペラ・ハウスはエアコンもなく、夏の公演の休憩時間ともなると皆一斉に外に出て(こちらの方が涼しいのです)涼を取りました。何しろ4層になった円形観客席は2千人を超える収容人員数でしたから、熱気があったのです。

 そのロイヤル・オペラ・ハウスも、丁度僕の帰国した1996年から4年間に及ぶ工事を経て生まれ変わっています。以前の2倍にも及ぶ容積になり、様々な新機能が組み込まれ、地下にはThe Limbury Theatreという劇場まで出来ています。それでも歴史ある立派な観客席はそのまま残されたようです。
 実は僕はまだ改装後のこの建物に入ったことがありません。関心のあるプログラムと自分の暇な時間がなかなか合わなくて、今に至ってしまいました。そろそろ出かけてみようかと思います。ちょっと汗かきながら観るのもよかったんですけどね。