会期が明日までとなった『パルマ展』を観て来ました。
パルマと聞くと、どうしても生ハム(プロシュット・ディ・パルマ)やチーズ(パルミジャーノ・レッジャーノ)が浮かんでしまいます(笑) でも『パルマ イタリア美術、もう一つの都』と銘打ったこの展示会のコピーのように、イタリア美術の歴史を語る上で欠かすことのできない都市でもあるのです。
ルネサンス期の優美なコレッジョとパルミジャニーノの作品を楽しむもよし、不自然に曲がりくねり引き伸ばされた人体表現である独特のマニエリスムの作品を楽しむもよし。とはいえ、日本人にとってあまり馴染みのある絵が多いわけではありませんよね。
そんな中で僕が注目したのがバロック期の画家バルトロメオ・スケドーニ。彼も日本では殆ど知られていませんが、光と影の強烈な対比が主題を際立たせ、鋭い直線的な描写があの時代の枠を超えて現代の画風にも通じるような感覚をもたらします。その意味で今回の展覧会の中にあって一際異彩を放っていました。
特に凄かったのが『キリストの墓の前のマリアたち』。キリストの復活を告げる天使の白い衣装がひと際輝く中で、大胆に配置されたマグダラのマリアたちの黄、緑、臙脂色彩の組み合わせ。遠くから観てもこちらに迫って来るような迫力がありました。
ところでバロック期と言えば何といっても有名なのはカラバッジョでしょう。実はスケドーニは画風のみならず、その奇異な生涯の類似性においてカラバッジョと比較されることが多いのです。
激情型の性格の持ち主というのが共通していて、女性問題や脅迫、賭博などで度々裁判沙汰になる事件を起こし、その度に彼の才能を惜しむ貴族達が仲介に入ったらしいのですが、結局は賭博での負けによる“激情の発作”を起こし自殺してしまいました。カラバッジョの死とほぼ同じ年齢の37歳の時です。またカラバッジョが殺人を起こす原因になったテニス(に似た球技)に彼も夢中になって右手の機能を失いかけたとも言われています。
天才と激情というのは付き物なのでしょうか。こんな天才ふたりがもしも長生きしていたら、どんな作品を残してくれたのでしょう?
パルマと聞くと、どうしても生ハム(プロシュット・ディ・パルマ)やチーズ(パルミジャーノ・レッジャーノ)が浮かんでしまいます(笑) でも『パルマ イタリア美術、もう一つの都』と銘打ったこの展示会のコピーのように、イタリア美術の歴史を語る上で欠かすことのできない都市でもあるのです。
ルネサンス期の優美なコレッジョとパルミジャニーノの作品を楽しむもよし、不自然に曲がりくねり引き伸ばされた人体表現である独特のマニエリスムの作品を楽しむもよし。とはいえ、日本人にとってあまり馴染みのある絵が多いわけではありませんよね。
そんな中で僕が注目したのがバロック期の画家バルトロメオ・スケドーニ。彼も日本では殆ど知られていませんが、光と影の強烈な対比が主題を際立たせ、鋭い直線的な描写があの時代の枠を超えて現代の画風にも通じるような感覚をもたらします。その意味で今回の展覧会の中にあって一際異彩を放っていました。
特に凄かったのが『キリストの墓の前のマリアたち』。キリストの復活を告げる天使の白い衣装がひと際輝く中で、大胆に配置されたマグダラのマリアたちの黄、緑、臙脂色彩の組み合わせ。遠くから観てもこちらに迫って来るような迫力がありました。
ところでバロック期と言えば何といっても有名なのはカラバッジョでしょう。実はスケドーニは画風のみならず、その奇異な生涯の類似性においてカラバッジョと比較されることが多いのです。
激情型の性格の持ち主というのが共通していて、女性問題や脅迫、賭博などで度々裁判沙汰になる事件を起こし、その度に彼の才能を惜しむ貴族達が仲介に入ったらしいのですが、結局は賭博での負けによる“激情の発作”を起こし自殺してしまいました。カラバッジョの死とほぼ同じ年齢の37歳の時です。またカラバッジョが殺人を起こす原因になったテニス(に似た球技)に彼も夢中になって右手の機能を失いかけたとも言われています。
天才と激情というのは付き物なのでしょうか。こんな天才ふたりがもしも長生きしていたら、どんな作品を残してくれたのでしょう?