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ロンドンから徒然に

キャッツ

2007-08-14 | 映画・演劇
 久しぶりにミュージカル『キャッツ』を観て来ました。もう既に初演の地ロンドンでも上演が終了しているにもかかわらず、日本では幾度となく復活して、今年3月には入場者100万人を突破したらしいです。

 1983年頃だったと思いますが、初めて『キャッツ』を観た時は、これまでのミュージカルの概念とあまりに違う形態に本当にびっくりしました。人間を猫の大きさに見做した大道具・小道具を配した舞台、それがいきなり回転し、客席にまでネコが現れる、音楽も桁外れに楽しい.....始まってすぐに客席との一体感が生まれる、その様子に魅了されました。
 それからはロンドン・ミュージカルにのめり込み、現地に出かけては『ミス・サイゴン』、『レ・ミゼラブル』、『オペラ座の怪人』等を何度も続けて観ました。

 最近ではロンドン・オリジナルのミュージカルは当時のような元気はありませんが、劇団四季のいわば日本流翻訳ミュージカルの流れは完全に定着したようで、ハリウッドのヒット作を翻訳した新作の『ウィキッド』も何ヶ月か先まで満席のようです。今日のお客さんも、場面場面での拍手の軽妙な入れ方から、リピート層も相当多いと見ました。

 『キャッツ』のラスト近く、長老ネコが皆を諭す台詞の中に「忘れるなかれ、ネコはイヌにあらず」というのがありました。媚びることなく、自分の信念を通せ、ということでしょうが、四季も成功ゆえの妬みからか、色々と言われることもありましたが、ネコの精神でこれからも頑張って、日本のミュージカルをもっと成長させて欲しいものです。