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ロンドンから徒然に

企業所蔵のアート・コレクション展

2007-08-05 | アート
 よく「あなたのおうちにいるようにくつろげます」というホテルの歌い文句があります。意図するところは良く分かるのですが、僕はむしろホテルで味わえる非日常がすごく好きなのです。あの普段の生活とはちょっとかけ離れた時間と空間が漂うような場が。でも、このところどこのホテルも変に現実的で、そういった感覚の味わえるところが少なくなりましたね。
 ホテル・オークラ東京に行って来ました。ここは昔、某フランス女優を日本に呼んだ時に、空港まで迎えに行って泊めたところで、色々とハプニング(そのうちまた書きます)もあったので思い出深い場所です。久しぶりだったのですが、何だかオールドな雰囲気が残っていて良い感じでした。

 脱線しました。ホテルの話を書きたかったわけではないのです。実は今年で13回目となる『秘蔵の名品 アートコレクション展』がホテル・オークラ内で行われているのです。
 様々な企画展が日本でもよく行われますが、個人や企業が所有している絵画はなかなか観る機会がないものです。こんな風に一般の目に触れる機会を作ってもらえるのは嬉しいです。しかも本来チャリティ・イベントとして始まったものですから、今回も収益の全てが日本赤十字社他に寄付されます。

 かつてバブルの頃には“メセナ”の名のもとに、企業の文化活動が盛んでしたが、本来のメセナの意図したところ(すなわち「即効的な販売促進・広告宣伝効果を求めるのではなく、社会貢献の一環として行う芸術文化支援」)とは違って、短期的な経済リターンを求める広告宣伝型、冠イベントタイプのものが多く、バブルの崩壊と共に激減しました。
 メセナとはちょっと意味合いが異なりますが、今回のイベントのように芸術に関連したことで、企業が社会貢献するのはいいことだと思います。一般公開するそのことだけでも価値はあるでしょう。

 うちの家の壁にもいくつか絵や写真が飾っています。観に来て下さい。もっとも経済的価値となると、何桁も0の数が違いますが(笑)