芥川賞、直木賞の発表後はしばらく受賞作品が本屋に堆く積まれますね。今年の直木賞は松井今朝子さんの『吉原手引草』が受賞しました。久々に時代小説ジャンルからですが、他の候補作を見てもなかなかバラエティに富んでいます。その中で面白いなと思ったのが、他の女性候補のふたり畠中恵さんと桜庭一樹さんです。
畠中さんは漫画家アシスタント、漫画家を経て、2001年に第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞していますし、桜庭さんは1999年第1回ファミ通エンタテインメント大賞に佳作入選し、漫画の原作等も手がけています。漫画の小気味良いテンポを体感しているからか、ふたりとも独特のリズム感で飽きさせません。
ちなみに芥川賞の候補の中にも、漫画家の松井雪子さんが入っていました。
桜庭さんの候補作『赤朽葉家の伝説』は、これまでの作品の中でも一番の大作で、今回の候補作の中で個人的には一番好きな本でした。
帯にもあるように、昭和の山陰地方を舞台に、祖母、母、“私”の三代に渡る生涯が描かれるのですが、あり得ないような神話的世界がダイナミックに展開されて、久しぶりに“物語”を読んだ満足感がありました。中でも祖母に纏わる話は、そのエピソードのひとつひとつが魅力的で忘れられません。
その祖母ほどではないにしても、母の話もスケール感に富んで面白い!それだけに現代を生きる“私”の話が物足りなく感じるのですが、これも“神話”が成立しえない、誰もがこぢんまりした今の世の中を浮かび上がらせる為の意図的なものなのでしょうか。
実は国内の旅行でまだ行ったことのないのが山陰地方です。いつかこの土地を訪ねて、この物語の中にあるような深遠な神話的世界を覗いてみたいと思います。
畠中さんは漫画家アシスタント、漫画家を経て、2001年に第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞していますし、桜庭さんは1999年第1回ファミ通エンタテインメント大賞に佳作入選し、漫画の原作等も手がけています。漫画の小気味良いテンポを体感しているからか、ふたりとも独特のリズム感で飽きさせません。
ちなみに芥川賞の候補の中にも、漫画家の松井雪子さんが入っていました。
桜庭さんの候補作『赤朽葉家の伝説』は、これまでの作品の中でも一番の大作で、今回の候補作の中で個人的には一番好きな本でした。
帯にもあるように、昭和の山陰地方を舞台に、祖母、母、“私”の三代に渡る生涯が描かれるのですが、あり得ないような神話的世界がダイナミックに展開されて、久しぶりに“物語”を読んだ満足感がありました。中でも祖母に纏わる話は、そのエピソードのひとつひとつが魅力的で忘れられません。
その祖母ほどではないにしても、母の話もスケール感に富んで面白い!それだけに現代を生きる“私”の話が物足りなく感じるのですが、これも“神話”が成立しえない、誰もがこぢんまりした今の世の中を浮かび上がらせる為の意図的なものなのでしょうか。
実は国内の旅行でまだ行ったことのないのが山陰地方です。いつかこの土地を訪ねて、この物語の中にあるような深遠な神話的世界を覗いてみたいと思います。