植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

コガネムシは金持ちかもしれんが、仰向けには飛べない

2021年06月23日 | 植物
 夜半と早朝に雨が降り畑が黒く湿っております。雨が降ったら畑に入らない、が農作業の基本であります。土が固くなるし、濡れるしで、いいことはありません。

 しかしながら、雑草と害虫が気になって仕方ないので今日は一日小雨でも外仕事をすると決めました。雑務に追われて手抜きになっていました。雑草を抜く作業を嫌がったらガーデニングも農業も務まりません。単調な草刈り・草むしりを苦痛に思うならやめた方がいいですね。
 草をぬいたあとのさっぱり感が一番であります。草取りしながら植物や土の状態(病気や食害など)を見ていくのも重要で、ガーデニングの基本だと思います。

 先日ある方から「今年は、柑橘に幼虫を見ない。」と言うことを聞きました。全く同感です。アゲハが少なく、デコポンやゆず、レモンなどの葉っぱに卵も幼虫もほとんどついていないのです。気のせいか飛んでるアゲハ蝶もあまり見かけません。今年はまだ、殺虫剤は一切使用していません。そのうち押し寄せるかもしれませんが、なんにせよ果樹園栽培には歓迎であります。

 のみならず、ぶどう棚に来るコガネムシが少ないように感じます。秋口まで、毎朝ぶどう棚の支柱をゆすってパラパラ落ちて来るコガネムシを駆除するのです。あいつらは、下に落ちる途中で羽を広げて飛んで逃げるという器用な真似はしません。落ちてじっとしてるかガサガサ落ち葉や草むらに逃げ込むかさもなくば土に潜ろうとします。これを踏む潰すか手でねじるかが駆除方法です。

 多い時では20匹以上来ているのですが、このところせいぜい4,5匹しかいません。そして、よく見ると落ちて来る位置がぶどう棚の一番外側に集中しています。中心部分はほとんど葉っぱが無傷なのです。これは、今年取付けたビニールの覆い(屋根)の副産物ではなかろうかと想像しています。

 欧州系のぶどうはとにかく雨降りが禁物で、すぐ病気になりこれまで満足に収穫出来ませんでした。毎週殺菌剤を噴霧しても焼け石に水で、黒糖病などになってしまいました。苦労と逡巡の末にやっと取り付けた屋根のおかげで今のところ極めて順調なんです。

 あれほど梅雨時の雨を恨めしく眺めたのに、今年は八代亜紀さんの歌「雨雨降れふれもっと降れ♪♬~」と鼻歌が出るような気分なのです。

 コガネムシは、めぼしい木や葉っぱを見つけると割合低い位置を飛行して平行に飛びつきます。また、葉に付いた黒い糞に含まれるにおいに引き寄せられるようです。うちのブドウシャインマスカットの棚は4m四方に伸びていて中心から3mをビニールで覆っています。すると奴らはその屋根には着地してもしかたないので縁の部分に突入するんですね。足を下にして減速しながらふわりと飛び降りるといった感じでしょうか。

 屋根の下の葉っぱに対して、低空から上向きにアプローチしても、お腹を上にしては翔べないので、うまく葉や茎に飛び移れないのです。これは、欧州系ブドウ栽培のために、ビニールを被せて雨よけするというプランを思いついたときに期待した「コガネムシ除け」の狙いがまんまと当たったのです。

 コガネムシの食害からブドウを守るのに、下に防虫ネットを広げて撃退するというのは、ブドウの管理上邪魔になって仕方が無いのです。やろうと思えば、側面四方にネットのカーテンを張るということになりますが、これもうちの狭小ガーデンで、通行や草むしりなどの邪魔になってしまいます。

 端っこの葉っぱだけコガネムシに食べられるくらいなら損害軽微でよしとしましょう。そんなわけで、ビニール屋根のおかげで、殺菌剤散布の回数が大幅に減りました。
 「コガネムシは金持ちだ、金蔵立てた蔵立てた」という野口雨情の歌があります。一説によればコガネムシはゴキブリを指す、とかキラキラ光る玉虫のことだと言われています。ゴキブリがいる家は金持ちだった、とか、玉虫を沢山採集して商売にしたとか、諸説あるようですが、ワタシは、コガネムシは、小金持ちをもじったのではなかろうかと新説を立てております。
 
 あれだけ、費用と手間をかけているブドウやバラを断わりなく貪り食い、あげくに幼虫は土中でぬくぬく根を齧ります。これが人間だったら蔵の一つもたつでしょうよ。

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