植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

梅雨は憎し、でも嘆いても始まらん

2020年07月21日 | 植物
 梅雨明けの走り(笑)でしょうか、二日晴れ間がのぞきました。南の方からようやく梅雨明けの情報が出始めました。やはり記録的な長い梅雨であったようです。
 
 バラたちは、日照不足と長雨の為に黒星病で葉っぱを落としました。メインのシャインマスカットやロザリオビアンコなど欧州種のブドウは、黒糖病が全体に広がり、若い葉やツルは茶色に枯れ、ブドウの房には黒い点や茶色のシミが出ています。雨の合間に消毒剤を散布してはいますが、もはや手遅れで病気は蔓延しております。今年は袋掛けをしないで育てています。病気になったままで袋掛けをしても、結果は悲惨なものになります。むしろ、見えるような状態で薬を掛けたり、摘果出来る方がいいのです。
 
 それから、来年は少なくともロザリオビアンコにはビニール屋根をつけて雨除けをしようと決めました。豊産性があり甘みも強いのがわかりましたから、一部でもいいから一切雨に濡れない部分を確保しようと思います。来春までは時間がたっぷりあるので、低コストで風に飛ばされないための設計を考えるとしましょう。

 そうしてもう一つのメインの「スイカ」であります。5本の苗から10数個と理想的な着果でした。入梅あたりまでは至極順調であったのですが、期待に反して、低温・日照不足・大量の降雨という三重苦に見舞われました。(実は昨年も同様でした) 
 収穫したものの味は残念ながら、及第点とはいきませんでした。気温が低い分生長が落ちて肥大化が進みませんでした。更に土中の水分が過剰なので、果肉は瑞々しいのですが、糖度が低いのです。早い話水っぽいのですね。日照不足はともかく露地栽培の限界です。対策は、ハウス(トンネル)栽培なのですが、そこまですることもありません。売るわけではありませんからね。

 そんな中で、唯一成功したのが初めてチャレンジした「屋上スイカ」であります。乾燥して高温になる屋上がスイカにとっては好適なので、プラ舟に土を盛って、自家製のボカシ肥料をたっぷり施し、小玉スイカを植え付けました。プランター栽培ではどうしても根張りが限定されるので大玉は厳しいかと考えたのです。ツルや葉は、風で動くのを嫌うので、ツル物用のネットを地面に並行に張って這わせました。
 完全な無農薬・有機栽培です。乾燥するときは、水遣り代わりに液肥を少し注ぎます。そして降り続く雨には大きなトレーで土に覆いをして過湿になるのを防ぎました。 

3個ついたスイカの一つはカラスに突かれてダメにしました。残り2つはスイカ自体に鉄壁のガードをし、周辺にもテグスを張りました。 そして、無事に収穫しました。
収穫のタイミングもドンピシャ! 薄い外皮の際まで真っ赤な果肉であります。
切った瞬間にスイカのかぐわしい匂いおいが広がります。そうして、その味たるや、強い甘みと旨味が凝縮されて絶品であります。ワタシは心底「世界一美味しい」と思いました。東京のデパート地下の特選果実コーナーで桐の箱に入れて売っていてもおかしくないと思えるほどの出来でした。
 書道仲間の、舌が肥えたおば様方に振舞いましたが。「これを食べたら、他所で買う気が失せる」とか「今まで食べた中で一番おいしい」などど絶賛していただきました。

 してやったり!の気分です。しかも、2個収穫の後もいくつか雌花が開花しました。うまくいけば、この梅雨明けのタイミングでスイカが大きく甘く育つ可能性が高いのです。メロンやトマトと同じく、少し手間がかかりますが、プランター栽培は自然まかせにするよりも、日照・肥料・水量などの管理が行き届き「なり物」を作りやすいのです。
 来年は、少なくともあと二苗は作ろうと思います。すでにある花壇の一つを他の植物を掘り上げて使えます。葉が広がるスペースだけは十分にあります。融通無碍に対応しますよ、なんでも物は試し、経験ですね。

 梅雨時期の雨量が多く、日数も長くなる、それも地球温暖化の影響だろうと思います。一方で、日本の四季の中で、大地を潤し植物たちを成長させる大切な時期でもあります。

 西日本を中心に甚大な被害を及ぼした梅雨です。しかし、これを避けるわけにはまいりません。どうすれば、好ましい環境を維持できるのか、自然を毀損することなく共存し、過酷な環境でもうまく順応出来るか、それが叡智と経験であります。

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