植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

創造的生活 自分で作ったものが喜ばれる

2021年04月22日 | 植物
ワタシが色々と趣味を広げているので、多くの方がお世辞で「金がとれる」とか、商売にすればいいというようなことを仰います。よくわかっております。商売はそんなに甘いものでは無く、素人がちょっと真面目に取り組んだからと言って、お金を頂戴できると思ったら大間違いであります。若い頃は、少しばかり手先が器用だったせいか「器用貧乏」と言われたことが幾度がありました。(貧乏は余計だろ笑)

 最近ではやはりお世辞半分で「すごーい、槐松亭さんは、何でもできるんですね」というお褒めの言葉を頂くこともたまにあります。いえいえ違いますよ。定年してから書道と篆刻を学び、昔好きだった水彩画を描き、メダカを育て、園芸をやりDIYも少し、あとは蕎麦打ちくらいで、他には何もできません。体を動かすスポーツ全般はゴルフ以外まったくやらなくなりました。音痴ではないけれど、楽器は何も演奏できません。茶道・華道・算盤どれも未経験、やりたかった陶芸にもいまだ触れもしません。

 浅く広く、中途半端に手を出していると言えばその通りなので、到底お金を稼ぐというような気持にもレベルにも達しておりません。しかし、今までなかったものが自分の努力や工夫で形になる、ということ自体が大いなる喜びなのです。それで、欲しい人にはただで差し上げるということにしております。貰い物をして怒る人や気分を害する人はいません。案外喜んで受け取ってくれるのです。自分で書いた書や、畑でとれたものはどんどん差し上げます。篆刻印も欲しい方にはすぐに彫ってあげます。こちらも喜んでもらえればいい気分ですからお互いハッピーです。

 今週は、メダカと「クサイチゴ」を取り扱うことになりました。昨年メダカが増えすぎたので知り合いのカナちゃんの花屋さんに、ミックスメダカのパックで売って貰ったのです。割合好評だったらしく、今年も明日から少しづつ持ち込みます。1パック500円くらい、ワタシの手許にはプラパックのコスト分だけを貰います。いいのです、ワタシにとっては増えるメダカの口減らし、カナちゃんのところで売り上げがわずかに増え、メダカの飼育をする人が安く買えるのですから、皆さんにとってメリットがあるのです。

 先日は、ワタシの倅の同級生が始めた石田君のケーキ屋さん「ドミネジョア」に、ウチで採れた「クサイチゴ」を持ち込みました。彼の作り出すケーキは素材そのものにこだわっていて純粋で混じりけのない素晴らしい味なのです。クロワッサンも美味しくて、予約して買いに行くほどです。お寺の息子さんが国立大学を出て長年修行して1年前に開店しました。今時いないくらいまじめで優しい男、やせっぽちできれいな目をしています。

 彼は地元のフルーツを使い、甘さを控えた素朴でシンプルなお菓子というコンセプト、ウチで育てたクサイチゴが似つかわしい、と思ったのです。クサイチゴは日本の山野に自生している野イチゴですが、ちょっと栽培が難しく、繊細なのです。日持ちしないので八百屋さんやスーパーではまず見かけません。作ってる人間(山で見つけた人)だけが口にできる素朴なラズベリーです。ルビーのようにキラキラ輝き、森の宝石と言っていいくらいです。甘さや酸味は控えめですが瑞々しさとプチプチした食感、独特の風味があります。見た目がきれいなので真っ白な生クリームに映えると思います。


有機栽培無農薬で苦節5年(笑)、ようやくいちご畑と言えるほど育って収穫できるようになったのが昨年でした。石田君から、新作のフランボワーズに早速使った、追加で欲しい、というメールが来ました。望むところ、面目躍如であります。今まで果物を栽培してもほとんど家内からはOKが出ず、鼻で笑われていたのです。これから100個ほど採って持参しようと思います。勿論タダです。ワタシが栽培したクサイチゴが上に乗ったケーキを是非に拝みたい、その一念でありますな。

 若い人が生活に窮々とし、混迷と沈滞の日本にした責任の一端はワタシ達の世代にあります。せめて若者たちにいくらかでも足しになれば、と思うのであります。


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