おれは、土門拳になる。第2章 写真家増浦行仁公式ブログ

写真家<増浦行仁>のオフィシャルブログ。
志を追い続けた増浦が「夢を追う」こととは何かを本音で語る。

2008年12月31日

2008年12月31日 | 日記--感じたことなど
今年は、公私ともに大変な1年だった。
これまでの人生で一番落ち込んだ年だった。泥沼の精神状態だった。
漸く気持ちを切り替えることが出来、全てが良い方向へと
変わりつつある。
このブログを始められたのも、平成版古寺巡礼を撮り始めたのも、
気持ちが前向きになり、再びエンジンがかかったからだ。
気がつけば、もう大晦日だ。
そんなこんなで、僕の恩師である人にも不義理をしてしまった
・・・ごめんなさい。


人生にはさまざまな出会いがある。
ある人との出会いがその後の人生を変えることもある。
22歳の時、そんな人と僕は出会った・・・


その人の名は積哲夫。
当時、僕はギィ・ブルダ ンのアシスタントを辞め、
パリから一時帰国していた。
現実と夢との ギャップの大きさに呆然とし、
闇の中必死で将来を掴もうとしていた 時だった。
まぁ殆ど絶望に近い状態だったと言える。
そんな中、世界への扉を開いてくれたのは積さんの一言と
殆ど博打のような僕への投資だった。
僕が、マイヨールの相続者であるディナ・ヴィエルニ女史と
面識があることを知った積さんは、
マイヨールの全作品を撮影するというプロジェクトを立ち上げ
「撮影して来い」と知り合って間のな い僕にポンと
1千万くれたのだ。


いったい積さんは僕の中に何を見たのだろう・・・今でも不思議だ。
あのまま1千万持ち逃げされたかも知れないのに。
実際「それも一つの 選択だ」と積さんは僕に言った。
とりあえず逃げ出すこともなく、僕はディアドルフ(8×10)の
カメラを持って単身パリに戻り撮影を開始した。
その時、積さんが約束してくれたことがある。
「将来、私が君を一流と認めたら、私のオフィスを
ギャラリーにしよう」


その約束が交わされてから15年後、
2000年6月に SEKI Galleryはオープンした。
現在、このギャラリーは常設展として僕のプラチナプリントの作品
「khaos」(ロダン作品集)と
「GENESIS」(ミケランジェロ作品集)を展示している。
ただ、 ここは僕の作品だけのギャラリーではない、
当時の僕のような若いアーティスト達を育てて行くという
将来世代の為のギャラリーだ。


「khaos」闇の奥に


「GENESIS」光の奇跡


僕の夢は、僕で完結するのでなく、僕をスタートとしたい。
若い世代の人達が、どんどん世界に飛び出し活動する、
そんな時代を願っている。
僕はといえば、来年の撮影のスケジュールは目いっぱい。
幸せだ!!!
今までと、そしてこれからの素晴らしい出会いに感謝!

大阪にオフィスを構えて21年目となる2009年。
新たな挑戦が始まる。


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