おれは、土門拳になる。第2章 写真家増浦行仁公式ブログ

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志を追い続けた増浦が「夢を追う」こととは何かを本音で語る。

古寺巡礼 ~東大寺番外編~

2012年11月19日 | 日記--感じたことなど
先日、奈良の撮影でいつもお世話になっている佐野女史の企画で「東大寺二月堂修二会事前講座」に参加した。
今年から修二会を撮影させて頂いているので少し勉強しておこうと思ったのだ。
今回の内容は「二月堂の建築と宗教空間」というものだった。
二月堂は奈良時代に創建された仏堂だが、今の建物は1669年に再建されたもので国宝に指定されている。蝋燭が引火したりで何度か火災に見舞われているとのこと。木の文化の悲しいところだ。現代のお寺はコンクリートを使用している所もあるが、やはり寺院や神社は木造であってほしい。



実は、僕が撮影させていただいている伊勢神宮でも明治時代にご社殿をコンクリートにしようという動きがあったらしい。20年毎の遷宮で、全ての建造物を建替えるのは、負担が大きすぎるというのだ。確かに合理性だけを追求すれば、その意見も正しいと言える。でも、日本古来の貴重な精神文化や伝統技術が失われてしまうだろう。そのことに気付き、異を唱えたのが時の天皇だ。もし、明治天皇のご高察が無ければ、1300年以上も続いている式年遷宮はどうなっていただろう。
木と紙の文化は、日本の風土にも精神性にもしっくりとあう。自然と調和することこそ僕たちの文化の真骨頂であり、誇りだ。

東大寺の修二会(一般的にはお水取りと言われる)は、来年には1262回を数える。人々の幸福を願い連綿と続けられて来た。(遷宮と同じだ)
来年もまた、極寒の中、11名の練行衆が厳しい修行に入られる。
合掌。


佐野女史の主宰する奈良インターカルチャー概略
http://www.chiiki-dukuri-hyakka.or.jp/profile/profile.html
*創立は平成元年なので、既に25年近くも活働されています。

こちらもやってます。
奈良市国際交流ボランティア協会 http://www.kcn.ne.jp/~nieva/

佐野女史は、奈良の素晴らしさを伝えるため、ひたすら私心なく貢献されている。とびきりの奈良を知りたい方は是非ご参加ください。


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1 Comments

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自然の時空間 (ぽん)
2012-11-23 20:41:08
先日観た 染司よしおかさんのドキュメンタリー映画「紫」の中で、修二会のために 紅花とくちなしで染めた和紙を納める場面が出てきました。「自然の色には 化学染料にはないプラスαがある」と 染め師の方がおっしゃっていたのが 印象的に残っています。

また、先日訪ねた林業家の方は 現在四百年の樹を育てる挑戦をしておられますが、そのきっかけとなったのが 二千年後の法隆寺の材木をどうするのか という問いかけだったとか。
現在では捉えきれない時間軸ですが 自然のリズムで捉えれば 当然のことなのかもしれません。

木と紙と そして 天然由来の鮮やかな透き通った色。
大切にし 育んでいきたい 日本の文化です。


来年も極寒の時期に 11名の練行衆の方々が よしおかの鮮やかな紅と黄の和紙で椿の花を作られるのですね。
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