おれは、土門拳になる。第2章 写真家増浦行仁公式ブログ

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志を追い続けた増浦が「夢を追う」こととは何かを本音で語る。

伊勢志摩サミット2016開催記念 「神の宮」写真作品集 特装版についてのお礼等々

2016年09月27日 | 日記--感じたことなど
さて、この度 東京大学出版会から「神の宮」写真作品集の特装版が出版されることとなった。
これは、今年5月に開催された伊勢志摩サミット記念として作成されたものだ。写真集とはいえ、和紙にプリントされた123点の作品が納められ、特製の額も付いている。また作品だけでなく、塗りの外箱、それ結ぶ紐、包む風呂敷、運搬用のアルミケースに至るまで、日本の伝統技術の粋が注ぎ込まれた芸術品といえる。
なぜ、こんな豪華版の写真作品集を作成することになったのか。当初、「神の宮」の作品を伊勢志摩サミットの参加国元首のおみやげにして頂こうと企画していた。「神の宮」は日本古来の重要な精神文化である“遷宮”を撮影したものだ。そして遷宮に込められた感謝と祈り、繰り返し行われるシステムこそが、1300年以上も世代を渡り継承されて来た公共幸福文化であり、国連が提唱する、持続可能な開発の為の目標にも通じるものだ。そこで、このことを世界に伝えようと、神の宮の全作品を収録した玉手箱を作成することになったのだ。



特装版の完成品を見た時、クオリティの高さに感動した。これこそ日本が誇る、文化が詰まった玉手箱だ。残念ながら、いろいろ問題があり、サミット当日に本体を渡すことは出来なかったが、「神の宮」の作品は、三重県知事からの記念品として参加各国の元首の手に渡った。また、特装版のプロトタイプは昨年、安倍首相に渡している。首相は非常に感動され、これを沢山の人に見て貰いたいと言われたそうだ。僕もそのつもりである。「神の宮」は僕個人の写真集ではなく、生命の永続を願う古来の人々の祈り、万物と共生共存する叡智を伝える媒介なのだ。そこに、今を生きる人々の思いが重なった特装版は、まさに世界の未来を開く玉手箱といえる。それを世界中に届ける為に、僕は今後も各地で巡回展を開く。

末筆ながら、「神の宮」の主旨に賛同し、利益を度外視して制作に携わってくださった皆様に、改めてこの場を借りてお礼申し上げたい。
見事な塗りの外箱を作成して下さった有限会社みさき創屋 代表取締役 三崎憲雄様と越前漆器株式会社 専務取締役 森下桂樹様、渾身のアルミケースを作成してくださったヒロセ工業株式会社 代表取締役 廣瀬正貴様と株式会社伊藤ケース製作所 代表取締役社長 伊藤嘉規様、昔ながらの手作りで風呂敷を仕上げてくださった田勇機業株式会社 代表取締役 田茂井勇人様、そして全ての手配をしてくださった浮田産業株式会社 代表取締役 浮田昌宏様にも深く感謝申し上げる。

特装版には、一昨年の7月に天皇皇后両陛下に献上した作品4点も含まれている。その作品は献上してすぐ御所に掛けられ、日々ご覧頂いているとのことだ。光栄至極である。


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