おれは、土門拳になる。第2章 写真家増浦行仁公式ブログ

写真家<増浦行仁>のオフィシャルブログ。
志を追い続けた増浦が「夢を追う」こととは何かを本音で語る。

パリの写真展ご案内かたがた

2019年08月29日 | お知らせ

お盆が過ぎ、処暑も過ぎ、朝夕が随分過ごしやすくなった。と思ったら既に秋雨前線が暴れている。地球の温暖化が原因か気候変動や異常気象が激しい。

人間は自然の生き物だから自然に逆らっては生きられない。僕たちはもう一度真剣に自然とともに生きる術を学ぶ必要があるだろう。それも早急に。

それに引き換え僕たちのご先祖は偉大だ。八百万の神をお祀りすることで、自然を畏れ感謝しながら行きていた。そしてそれを神事に託して後世(現在)に伝えている。今を生きる僕たちはそれを未来へと正しく継承しなければならない。 

話しは変わるが、今年4月にパリのノートルダム大聖堂の鐘楼と大屋根が焼け落ちた。セーヌ川から見るノートルダムは優美で、パリの有名な景観の一つだった。何より、市民の大切な祈りの聖地である。その象徴である鐘楼が焼失したのだ。僕は若い頃パリで暮らしていたので、ニュースで見た時は信じられず非常にショックを受けた。パリでは昨年11月から現政権に抗議するデモが続き、暴徒化していた。人々が美しいパリの街を破壊している姿に心が痛んだ。そんな時にノートルダムの火災が起きたのだ。まるで何かの暗示(天の警告)のようだ。僕はこれを機にデモが収まるのではないかと思った。ところが反対だった。ノートルダム再建の為に大富豪から寄付の申し出が相次いでいることに対し、「自分たちにはくれない」と不満を募らせて最大規模のデモが行なわれたのだ。物質的な貧しさは心まで蝕むのか、と改めて思い知らされた。僕もパリ時代、食べて行けずに残飯を漁った日もあった。その頃僕の心も病んでいたのだろうか・・・。ただ生きるために必死の日々だったが、他人のせいにしたことはない。

さて、そんなパリでこの秋「神の宮」写真展を開催することになった。会場は、7区の区役所内ギャラリーだ。7区といえば、パリ市内でも最も洗練されたお洒落な区の一つだ。その行政主催で行なわれる。当時の僕からは考えられないほど光栄なことだ。これも偏に今迄僕を支えてくださった皆様のおかげだ。

「神の宮」は2013年に斎行された出雲大社と伊勢神宮の遷宮を準備の祭事から撮影した写真集だ。遷宮には“自然(神)に感謝し、万物と共に生きる”という、平和な世の永続を願う深い祈りが込められている。僕は「神の宮」の作品を通してそのことを伝えたい。古来人々が大切に守り受け継がれて来たもの。それはアニミズムとして西洋の人々にも通底するものだ。

僕の思いに賛同してくれた有志が集まって、2013年に共働態が結成され、現在は一般財団法人神の宮共働態として活動している。パリでの写真展もその一環だ。 

今、各国で持続可能な世界に向けて様々な取組みがなされている(はずだ)。2030年迄に国連の目標(SDGs)がクリアされるかは甚だ疑問だが、誰もが“共に生きる”という意識を持つことが出来れば可能かも知れない。僕も神の宮共働態のメンバーとともに、写真家として出来ることをするのみだ。期間中、パリを訪れることがあれば是非写真展にお立ち寄りください。

ポスターとチラシはデザイナーの奥村昭夫氏にデザインして頂いた。ありがとうございます。

 

期間:2019年10月24日(木)〜11月6日(水)

   開館時間 11:00〜18:00(最終日は15:00迄)

   *入場無料、日曜休み

会場:Salle Béatrice HODENT de BROUTELLES

   Mairie du 7éme arrondissement de Paris-116,

   rue de Grenelle-75340 PARIS

 

奥村先生HPアドレス:http://www.okumura-akio.com/