マッシーパパの遠吠え

インターネット情報を丹念に読み取り、ニュースの裏に潜む真実を綴るあなたのためのブログです。

高齢者に厳しいシャバ!ムショは天国!?

2008-11-09 10:49:40 | Weblog

08年版犯罪白書によると、去年一年間に一般刑法犯で検挙された65歳以上の「高齢犯罪者」の数が、検挙人数全体の13.3%にあたる、4万8000人余りに上るという。これは10年前のおよそ4倍の数だが、その6割近くが動機に「生活の困窮」を挙げているとか。

一方、刑務所に入所する高齢者は1884人で、97年の596人の3.2倍。07年の高齢犯罪者の一部を抽出し、前科・前歴を分析したところ、「11回以上」が23%で、「なし」の25%とほぼ並んだ。窃盗犯の場合、30歳未満で1度目の犯罪を起こし、その後も継続しているパターンが全体の35%を占め、顕著な再犯傾向がうかがえたとか(http://mainichi.jp/seibu/shakai/news/20081108ddp012040027000c.html)。

ま~、格差社会の進んだ娑婆(しゃば)では、窃盗以外、手に職がなく、身寄りのない彼らにとって、社会復帰は至難の業ということ。又、よしんば刑務所作業で習得した仕事があっても、時代遅れで出所後の職探しには役立たないということかも・・。

いや、むしろ塀の中にいる方が、据え膳で食事ができ、風呂も入れ、あったかい布団で安眠できる。又、病気になれば、薬も貰えるし、ムショで間に合わなければ、塀の外の専門医にも見てもらえる。挙句に立ち居が困難といえば、刑務官の手厚い看護までしてもらえる。こんなありがたい施設は世界のどこを探してもなく、多数回再犯をしてでも、「刑務所に戻りたいから窃盗しました」になるのであろう。実際、毎年、年末近くになると、この手の犯罪者が増えるとも聞く。

さらに困ったことには、高齢者が増えれば日常生活に支障がでる障害者も増えるのが道理。実際、高齢受刑者の数は平成9年の3500人から18年には8700人に増加、しかも、介護の必要な者も882人を数え、彼らの世話に刑務官の負担が増える深刻な問題になっているのだ。

そこで、当局は08年中に83億円をかけて、広島、高松、大分の3ヶ所に各360人収容できる高齢受刑者専用棟を設置するという(http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1215079766/85-101)。 

どうやら、この種の専門病棟は既に、尾道、豊橋、西条にも例があるとか。例えば、広島刑務所・尾道支所では介護を必要とする高齢受刑者50人を収容、舎房と作業場を同一のフロアにして、車椅子で移動ができるよう、手すりやスロープ等もつける等、施設のバリアフリー化に努めているそうだ。しかも今度設置するとかいう3刑務所は都市部にあることから、立地条件を生かして近くの公立病院とタイアップ、受刑者が診療を受けやすくするといういたれりつくせりだ。

いわば、高齢化社会の問題を矯正行政が先取りしたということだが、果たして、手放しで喜んで良いのだろうか。というのは、世の中に倒産企業が増え、失業者も高い数字を誇り、かたやで生活保護家庭が激増している。いや、地方の財政難から、生活保護の認定すら、容易でなくなっており、一層、ホームレスすれすれの極貧生活者が増えているのだ。

そんな中で、「犯罪犯せば、それ以上の生活が保障される」ということになれば、大変なことになりかねない。更に心配なのは、高齢受刑者がどんどん増えてくれば、いずれ、その中に認知症者も当然、激増してくるはず。

実際、この1月にも報道された、「福岡刑が懲役の務まらない認知症の受刑者を北九州医療刑務所に受け容れを打診したら拒否された」と言う(http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1199509665/)。

要するに、精神疾患でもない限り、受け容れられず、理由は治療の見込みがないからだとか・・。

だったら、刑務所なら面倒見れるというのもおかしな論議で、言うならば、典型的な役所のセクショナリズムであろう。

だが、問題はそんなセクショナリズムにあるわけでなく、社会福祉問題を矯正行政で担おうとしている矛盾にある。即ち、「社会復帰させるために矯正する」はずの行刑施設が、ただ犯罪と言うカテゴリーだけで収容、福祉施設化させてしまってることだろう。

もっと、おかしなことには、この移管を求めた認知の受刑者は「窃盗をしたことも覚えておらず、刑務官との会話もおぼつかない」と言う。ならば、刑務所に収容されたこと自体、問題があったというべきではないか?・・。

ともあれ、福祉切捨て、高齢者受難の世の中で、手厚く看護して貰えるのは「塀の中」、ではしゃれにもならない。そして、益々、高齢者犯罪の増、高齢者受刑者の過剰収容が続くことになり、行刑施設の増設といたちごっこになるのも困ったものである。

だからこそ、根本の社会福祉の見直しの方が先決でないかとマッシーパパは声を大にして言いたいのだ。

ホントこの国はおかしなもので、名古屋刑務所の「ホース放水事件」と「革手錠事件」以来、受刑者の個々の待遇は、過剰なぐらいどんどん改善するのに、根本の行刑問題には取り組もうとしない。いっそ、全国の刑務所も高齢者の「多数回再犯者お断り」を宣言すればいいのだが!?・・。

「マッシーパパの遠吠え」の「ブログ村」と「人気ブログランキング」の順位が少し下がっています。ランキング順位はよい記事を書く励みにもなりますので、是非下記応援クリックをよろしくお願いします・・。♪

<a href="http://news.blogmura.com/news_nihon/">にほんブログ村 国内ニュース</a>

<A HREF="http://blog.with2.net/link.php?666082">人気ブログランキング