マッシーパパの遠吠え

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「言わぬが花」だった?空幕長の軽率な論文!でももう「後の祭り」!

2008-11-03 09:03:08 | Weblog

田母神(たもがみ)航空幕僚長(60)が、日本の過去の戦争をめぐって、「わが国が侵略国家というのは濡れ衣だ」と主張する論文を書いて更迭された。そして、昨日の4大紙が社説で揃い踏み。

まず、左系の「朝日」は『ぞっとする自衛官の暴走』と「こんなゆがんだ考えの持ち主が自衛隊のトップにいたとは」と驚きあきれている。そして、「幕僚長一個人の問題でなく、組織の問題と重視、防衛大学等、幹部教育の見直しも必要だ」と迫っている(http://www.asahi.com/paper/editorial20081102.html)。

又、「毎日」も『トップがゆがんだ歴史観とは』と、「朝日」同様、「公表して悪びれない人物がなぜ空自の最高幹部に上り詰めたのか。大いに疑問である」とし、「文民統制(シビリアンコントロール)の機能不全を感じ、同氏を昇進させた防衛省に体質的な問題を覚える」と論じている(http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20081102k0000m070106000c.html)。

意外なのは、中道右派の「読売」まで『立場忘れた軽率な論文発表』と題し、田母神氏を「自衛隊の最高幹部という要職にあって、政府見解と相いれない論文を発表すれば重大な事態を招く、という認識がなかったのなら、その資質に大いに疑問がある」と批判。「なぜ、だれもチェックできなかったのか。これでは、自衛隊に対する国民や諸外国の信頼が揺らぎかねない」とまで言う(http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20081101-OYT1T00763.htm)。

又、極右の「産経」も「日本を<蒋介石により日中戦争に引きずり込まれた被害者だ>とするなど、独断的な表現も多い」と一応は批判する。だが、「田母神氏の論文は全否定すべきものでない」とか、「個人の自由な歴史観まで抹殺するのであれば、言論封じとして、将来に禍根を残すことになる」と苦し紛れの擁護論を展開する(http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/081102/crm0811020318002-n1.htm)。

ともあれ、今回の騒動、どう、ネット右翼が彼に贔屓しようが、勝ち目のない失態。

まず、「朝日」の言うように「その立場で懸賞論文に応募すること自体、職務に対する自覚の欠如を物語っている」。しかも、主催者側から「立場に影響しませんか」と念押しされた上というから何をかゆ言わんやである。

次に、制服組とはいえ、幕僚長は政府要人。その御仁が政府の基本方針を堂々と無視して振る舞うのはもってのほか。それを、平隊員の言うが如しに「言論の自由」を訴えるなど小ざかしい論理。いや、国民の一人として、「やっぱ、日本軍人はシビリアンコントロールになじまない」とあの、悪夢の第二次大戦の軍隊暴走を想起してしまうが落ち。

そして、今ひとつ言えば、戦争を知らない幕僚長のような世代が戦史を紐解いただけで「聖戦」と断じるのは極めて危険。論語読みの論語知らずに陥る恐れ大。ましてや、戦争が専門職の人間が一方的に「戦争を肯定する」など、しゃれにもならないだろう。どうしても、意のうちを語りたいのであれば、肩書きをはずしてからにすべきだった。

処で、マッシーパパは常々、この種、右系の歴史観に疑問を感じている。いわゆる「東京裁判史観」というか、「戦勝国が裁いた一方的なもので、決して、侵略戦争でもなく、戦争犯罪人などいないのだ」とするものだ。

この論の根拠は件の論文(http://www.apa.co.jp/book_report/images/2008jyusyou_saiyuusyu.pdf)にもあるように、「蒋介石に引きずり込まれた被害者」「ルーズベルトのわなにはまり真珠湾攻撃を決行」。とすべて他人のせいにすることから始まる。だからこそ、今に至るも、日本人の手で戦争責任が総括されていない所以であるのだ。

確かに、マッシーパパも「従軍慰安婦問題」や「南京大虐殺」などは史実に照らし、明らかに誤解であると思っているし、政府の弱腰には怒りさえ覚える。だからといって、中国や朝鮮に今次大戦でいささかの迷惑もかけていないなど、いえるはずがない。

いや間違いなく、中国大陸に侵略し、無辜(むこ:つみのない)の民を兵乱に巻き込んでいる。そして又、朝鮮人や台湾人を戦争や徴用に駆り出したのも事実である。問題は、「戦争というものに悪意がなくとも結果が悪ければ、責任が伴うものである」ということだ。つまり、極左や極右の人が良く言うようにオールオアナッシングで語れないということである。

そこんところを間違えないようにしないと、この幕僚長のように「何が悪い!」とケツをめくるようになるのだ。要は、何が正しいかは個人の考え方でなく、大方が認めてくれるかどうかである。それが、国際間に亘る問題なら、当事国はもとより、国際社会に賛同を得ねばならないだろう。それを、論文は中韓当事国を除いて、「タイ、ビルマ、インド、シンガポール、インドネシアアで、大東亜戦争を戦った日本の評価は高いのだ」と言っても説得力に欠けるだけ。

早い話、「井の中の蛙大海を知らず」ではだめ。本当に言うことが”真実”であれば、国内で、「右」や「左」の論議をするのでなく、国際舞台で、日本の濡れ衣を晴らす努力をせねばだめ。よしんば、日本人の大多数を説得しても、国際世論が誰一人耳を傾けてくれなければ、この問題は永遠に解決しない。むしろ、反感を買うだけだろう・・。

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