■製作年:2011年
■監督:ウディ・アレン
■出演:オーエン・ウィルソン、マリオン・コティヤール、レイチェル・マクアダムス、他
ウディ・アレン監督の「ミッドナイト・イン・パリ」を見ました。久々に、ホント久々にウディ・アレン監督の映画を映画館でみました。「マンハッタン」とかあの辺り以来なのですから何十年ぶりということになります。その久々の映画館でのウディ・アレンの映画の遭遇は、なんと期待以上の至福の時間でした。多作で次々と秀作を作り、本作はアレン監督の興行面で最大を記録したというのも充分うなずけます。今回のウディ・アレンの映画は「いいよ!」と口コミで広がったに違いないのです。まさに、ウディ・アレン・マジックとでもいうような、映画ならではの夢心地気分にさせてくれるのです。
ウディ・アレンといえばニューヨークとくるのですが、パリも人一倍好きな都市だったんですね。冒頭のジャズをバックに見せるパリの街の風景、私はこの場面だけで痺れまくってしまいました。かつて都市の風景をこれほどまでに官能的でお洒落に撮った映像はあったのだろうか?というほどに、素晴らしかったのです。私はこの数の映像を見ただけでこの映画のサントラ盤が欲しいとも思いました。いやいや、まいりましたね。
ウディ・アレンのマジックはこんなもんではありません。続くハリウッドで活躍する脚本家のギル・ペンダー(オーウェン・ウィルソンの喋り方はどことなくウディ・アレンに似ていた)、あこがれの1920年代のパリへとタイムスリップするにあたり、眩惑の手法は冴えまくります。話しの展開としてはSF的なのにもかかわらず、まったくSF的ではない。ロマンチシズムに溢れているわけです。何と言うのか、憧れの時代へタイムスリップしたワクワク感、ドキドキ感を切なくそしてイキイキと描いてみせるそのマジック。
フィッツジェアルド、ヘミングウェイ、ピカソ、エリオット、ダリ、ブニュエル、マン・レイ…らが登場するスリリングさは、私にもその魅力はわからぬでもない。してベル・エポックの時代のパリ、ロートレック、ゴーギャン、ドガ、ああ、それらは日本においても展覧会を開催すれば動員の目玉となる企画を担う芸術家ばかりではないのか?そして彼等は皆、一昔の時代がいいと憧れる。過去のあの時代はよかったというのだ。そしてその連鎖で繋がる今という時代。この映画は、魅力的に生きるとは今を精一杯生きることなんだと、ロマンチックな映像とともにさりげなく感じさせてくれる作品なのでした。映画館を出て、50歳を過ぎてしまい、もう一度過去をやり直したいなあと思いながら、いいや、まだまだ人生はこれから、今という時間を大切にしなきゃね、と思い直すのでありました。ウディ・アレンの映画に乾杯!!
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あんな事態に巻き込まれたいです。
まあ、フランス語が話せる前提ですけど。
Hさんの視点がいいです!