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【play】「レ・ミゼラブル 2021」鑑賞@帝国劇場

2021-07-18 02:28:48 | play

【play】「レ・ミゼラブル 2021」鑑賞@帝国劇場

 

 

2年振りの上演。ここ10年くらいは「ミス・サイゴン」と交互に上演されているけれど、昨年は新型コロナウィルスにより「ミス・サイゴン」が全公演中止に😭

 

今年になってもコロナは収まる気配がなく「レ・ミゼラブル」もいつ中止になるか分からない状況の中で開幕。自分としても不安が全くなかったわけではないのだけど、ここは関係者の方々を信じて行ってきた!

 

作品についてザックリ書いておくと、文豪ヴィクトル・ユゴー(Wikipedia)よる長編小説「レ・ミゼラブル」(Wikipedia)を原作として、クロード=ミシェル・シェーンベルクとアラン・ブーブリルによりミュージカル化されフランスにて初演。その作品を聴いたキャメロン・マッキントッシュにより、トレバー・ナン演出版として1985年10月28日にロンドンにて初演されたのが今作「レ・ミゼラブル」(Wikipedia

 

25周年を記念してローレンス・コナーによる新演出がなされ、随時新演出版に切り替わっていき、ロングランを続けていたロンドン公演も2019年で旧演出版の上演は終了。ちなみにヒュー・ジャックマン主演の映画版(感想はコチラ)も旧演出版がベースとなっている。

 

日本では1987年6月11日に東宝により帝国劇場にて初演された。自分が初めて見たのは実はロンドンで、もう30年近く前になる。しばらく「民衆の歌」が頭から離れなかったのを覚えている。東宝版も何度も見ていて、近年では2013年(感想はコチラ)、2015年(感想はコチラ)、2017年(感想はコチラ)そして2019年(感想はコチラ)に見ている。

 

 

 

 

前述したとおり2年振りの上演だけれど、自分的にも観劇は1年4ヶ月ぶり。最後に見たのはラミン・カリムルー主演の「CHESS The Musical」(感想はコチラ)だった😳 「ミス・サイゴン」はじめ、チケット取ってた公演がことごとく中止になった😢

 

この日はe+貸切公演。10列目以内確実というチケット抽選に当選。ダウンロードしたら3列目となっていたけど、オーケストラピットがあるので実質1列目だった! ただし、かなり右端。

 

劇場によって違うと思うけれど、帝国劇場で言えばこの席は見やすい席ではなかった。ステージの高さと目線が同じくらいなので、例えばステージ上に何かを置いたり、寝転んだりすると全く見えなくなってしまう💦 とはいえ、コゼットと再会して複雑な気持ちを歌うエポニーヌがめちゃ近い😅

 

そして、この近さならではなのが、幕が開く直前に発声練習している声が聴こえてきたりする。そして、マイクを通した声ではなく地声が聴こえて来る。これはやっぱり貴重な体験。

 

 

今回、ジャン・バルジャンとジャベール以外は結構入れ替わりがあった印象。自分的キャストを記事(コチラ)にしたけど、ほぼ見たいキャストで見れた✨ 

 

前回は名札を入れ込む式のキャスト表が1カ所のみだったのだけれど、今回は上記の印刷版が数カ所に設置してあった。これもコロナ対策なのかなと思う。

 

 

シュガーさんこと佐藤隆紀は以前から評判が良く気になっていたのだけど、「CHESS the Musical」で声量と声の深さに感動して、是非バルジャンが見たいと思っていた。

 

前回の記事にも書いたと思うけれど、映像ではあるもののジャン・バルジャン役として一番見たり聴いたりしていたのはコルム・ウィルキンソン。生で「Bring Him Home(彼を帰して)」を聴く機会もあり(記事はコチラ)、自分の中のバルジャン像はコルムさんになっている。

 

ちょっとズングリとした体形の、深い味わいのある声で、包み込むような優しさのある人物というイメージ。そういう意味でシュガーさんは容姿含めとても自分のイメージに近いバルジャンだった。

 

バルジャンは根っからの悪人というわけではない。妹の子つまり甥っ子か姪っ子が飢えて死にそうになっていたため、パンを一つ盗んだだけで、脱獄を繰り返して19年間牢獄にいることになった。多分、妹たちのことを考えての脱獄だったと思うけれど、繰り返しているうちにおそらく本来の理由も見失い、ジャベールに極悪人の烙印を押された。

 

だから冒頭ではかなりやさぐれており、さらに仮出獄許可証のために人々に蔑まれ、自暴自棄の人間不信になっている。シュガーさんもやさぐれて粗ぶってはいるものの、どこかにいい人感がにじむ。

 

このいい人感はバルジャンが後にマリウスから聖者だと言われるゆえんでもあるので、とてもいいと思う。そして豊かな声量と深みのある声、そして歌がめちゃくちゃ上手い!

 

 

前回も良くて是非また見たいと思っていた濱田めぐみファンテーヌ。自分の中でパワフルな歌唱が印象的だったので、ファンテーヌにはちょっと強いかなと思っていたのだけど、新演出版ではコゼットのために必死で運命に抗う姿が強調され、割と強めに設定されているように思う。

 

そういう意味で「夢やぶれて」の歌唱がとても良く、ファンテーヌの堕ちて行く運命を思い泣いてしまう😭 そして、芝居がとても細かくて、咳き込んだりとどんどん病んでいく。

 

死の場面でコゼットに歌いかける場面では、ファンテーヌが見ているコゼットが見ている側にも見えてしまう。それがスゴイ! この後登場するであろうコゼットよりも小さい、ファンテーヌの記憶の中で遊んでいるコゼットが見える。

 

ファンテーヌはその死の瞬間、バルジャンにコゼットを託し、目覚めたら会いに行くと穏やかな心持ちになれたのだと思う。そして、バルジャン約束通りコゼットを守り育て、そしてマリウスに託してこの世を去る。その旅立ちを導くように現れる姿が神々しかった✨

 

どんな理由であろうとバルジャンが罪を犯したこと、そして罪を重ねたことは間違いない。その罪を赦し救ってくれた司教様への恩を、コゼットや人々を救うために生きることで返した。それを象徴しているのがファンテーヌが迎えに来るということなのかなと思う。

 

ファンテーヌが赦すことが、バルジャンの贖罪が終わったということなのかなと。なので、ここでの姿や歌唱が神々しいのはとても重要で、それを体現できるのは改めて素晴らしいと思った。

 

 

直近2回のジャベールは川口竜也で、川口ジャベもとても好きなのだけど、そろそろ違うジャベも見てみたかった。伊礼ジャベはシュッとしたジャベールで、ラミンがハドリーとの配信ライブ(記事はコチラ)で、ヨージヤマモトみたいなジャケットと言っていたのはどの衣装か分からない🤔 基本警官の制服だからね😅 でも、どれもめちゃ似合う!

 

伊礼彼方を見るのが初めてなので、勝手に冷酷な感じのジャベールをイメージしていたのだけど、意外に人間臭いジャベールだった。なので「星よ」よりも「ジャベールの自殺」の方が良かった気がする。もちろんどちらも良かったのだけど。

 

毎回、あの宙づりになる仕組みが分からない🤔

 

 

毎回書いているから今回も書くけど、個人的に「レ・ミゼラブル」は学生たちのシーンを見に行っている。1幕終盤に登場してきて、フランスの現状を憂いて革命を計画、そのうねりがジャン・バルジャンをも巻き込み、それぞれが明日への思いを歌って1幕終了。そして、革命シーンから2幕が始まる。

 

「レ・ミゼラブル」という作品が一番盛り上がる場面を引っ張るのが学生たちで、そのリーダーがアンジョルラス。個人的にはどれだけカリスマ性のあるアンジョルラスをキャスティングできるかで、作品の出来が左右されるのではないかとすら思っている。

 

木内健人は今回がアンジョデビューだそうで、他の作品などでも見たことがなかった。ラミンのようなカリスマ性の塊というよりは、自己陶酔型のように思った。もちろん革命を起こそうと思ったのは純粋に社会を変えたいからで、革命を起こすこと自体や"革命を導く俺"に酔っているわけではない。

 

でも、革命を起こすのだと思いついた時点から、その考えに陶酔しているというか・・・ 上手く言えないな🤔 とにかく、彼がその考えに陶酔して突っ走ることで、周りの学生たちも巻き込まれていく。実際、彼らの革命は市民の心を動かすことはできず、玉砕してしまうのだけど、アンジョルラスはやみくもに突っ走って周囲を巻き込む迷惑な人になってはダメで、そうはなっていなかった。

 

ちょっと線が細いけれど姿も良く、声量もある。歌も上手い。個人的にこれを聞きに行っている「群れとなりてー!」もとてもかっこよくて大満足!

 

 

キャスト表紙ってつぶやいちゃってるけど、正しくはキャスト表。今回、e+貸切公演だったのでチケット取る時点でキャストは分かってたのだけど、ティナルディエのことすっかり忘れてた😅 

 

登場してからしばらくして、あれ?もしかして?と思ってよく見たら斉藤司だった!😳 どうしてもテレビで見るイメージが強いので、あのちょっと甲高い声で来るのかなと思ったら、意外にも良い声でビックリ。ティナルディエなのでテレビの声のままでもキャラ的にOKだと思うけれど、ちゃんと歌っていたし、歌も上手かったので好感がもてた。

 

時々アドリブを入れてくる。そういうの浮き勝ちだったりするけど、ちゃんと笑えたのはさすが芸人。

 

 

以前も3列目の右端で見たことあって、マリウスがコゼットに恋した瞬間を目撃した後、コゼットへの複雑な思いを歌うシーンがめっちゃ近いことは分かっていたので、そのシーンが近づくとドキドキした。ちなみに群衆シーンなどでは、この両サイドにせり出した部分のセットも有効に使われている。

 

地上波テレビあまり見ないので、アイドルとしての生田絵梨花のことを全く知らないのだけど、やっぱりアイドルであるということと、前回見たコゼットのイメージがあったので、健気なエポニーヌを想像していたのだけど、「オン・マイ・オウン」が意外に自虐的に始まってビックリした。上手く言えないけど、どうせ自分なんかこんなもんよねと思ってる感じ。

 

歌い出しの"またあたし一人行くところもないわ"の所は、とても悲しくも出来ると思うけれど、そうではなくて"どうせ行くところもないから"というような感じ。でも、ふてくされているわけではなく、あくまで自虐的で、そうすることで心を保っているというような。でも、思いがあふれてきて、最後は初めて愛してるって口に出してみたみたいな。とても興味深かった。

 

 

バマタボアというのは娼婦になったファンテーヌにねちっこく絡み、ファンテーヌが拒絶すると暴力をふるい、駆けつけたジャベールにあることないこと言う最悪な男。この役を演じた宇部洋之が気持ち悪くてとても良かった。ホメてます!

 

リトルコゼット、リトルエポニーヌ、そしてガブロッシュの子役たちも頑張っていたし、アンサンブルに至るまでアチャー😫となってしまうキャストがいないのは、やっぱり「レ・ミゼラブル」のレベルの高さを物語っていると思う。

 

毎回思うけれど、主人公の死で終わる作品なのに、何故か生きる希望が湧いてくる。何度見ても感動してしまい、ラストは毎回号泣😭 

 

 

カーテンコールでは、ジャベールの伊礼彼方がMCのような形で、バルジャンの佐藤隆紀と共にご挨拶。基本的にはお礼だったけれど、印象的だったのは観客の中に名古屋からいらした方がいたようで、どうやら新幹線が遅れて間に合わないとツイートしていたらしく、伊礼彼方が間に合ったか心配していたこと。結構ツイッター見てるものなのね😲 ちなみに、間に合ったようでよかった😃

 

とにかく、このコロナ禍で昨年から休演や中止などが続き、今回も上演が危ぶまれた中での公演。劇場側も密にならないようにキャスト表を数カ所に展示したり、陽性者が出た場合に備えて連絡先の登録を促したり(任意)と、様々対策を講じていた。

 

何が正解なのか分からないウイルスとの闘いは、全てが手探りだとは思うけれど、不便を感じることなく観劇できたのは、キャストやスタッフはもちろん、劇場関係者や東宝の皆さまのおかげ。大変ありがたく思っております。ありがとうございました🙏🏻🙏🏻🙏🏻

 

やっぱりレミは素晴らしい✨ そして、やっぱり生の舞台は最高🙌🙌🙌


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