『間違われた男』見た。ヒッチコックの説明どおり、実話をもとにしたサスペンス。当時の捜査酷い。アリバイって容疑者が立証しなきゃダメなの?目撃証言だけで逮捕とかないわー 奥さんは精神病んでしまうし、間違えましたじゃ済まないよ!静かな怒りを表現したヘンリー・フォンダが素晴らしい! Posted at 04:39 PM
『間違われた男』ってtweetしちゃってるけど、『間違えられた男』が正解。間違えちゃった(o´ェ`o)ゞ 『ヒッチコック』が公開されたためWOWOWではヒッチコック作品を放送中。見たことない作品から見てみようってことで録画。たしかヒッチコック初の実話ベースの映画化。冒頭にヒッチコック自身が登場し、事実は映画よりも恐ろしいというような解説が入る。後にTVシリーズの「ヒッチコック劇場」では毎回解説していたと思うけど、映画でそれはあまりないかも?
「クラブで働くバンドマンのマニーは、妻と2人の息子と貧しいながらも幸せに暮らしていた。妻の歯の治療費を借りるため、保険会社に保険証書をもとに借金を申し込みに行くと、女性職員たちの動きがおかしい・・・ その夜、マニーは警察に連行されてしまう。最近New Yorkで頻発している強盗の容疑者として逮捕されてしまったのだった」という話で、何が恐ろしいって、これ単純に目撃者達の証言のみで逮捕されちゃったってこと。現在のサスペンスものから見ればテンポが遅くて、意外に呑気だったりするけど、やっぱり見せ方が上手い。
ヘンリー・フォンダがマニー。マニーは真面目で家族思いなのだけど、ヘンリー・フォンダが演じていることによって、ちょっと気難しそうで、暗い印象。しかも背が高い。そんな男が強盗に入られた保険事務所に現れたら、確かに警戒してしまう気持ちは分かる。当時の身だしなみとして、男性はソフト帽子を被っており、ありがちなコートを着ていたことも、没個性にしてしまっている。この辺りも上手い。疑心暗鬼になってしまっている人間は、正しい判断が出来ない。内ポケットに手を入れて証書を取り出す仕草だけでも、ピストルを取り出すのでは?!となっちゃう感じは、定番過ぎるけれども、とっても分かる。無自覚のまま怪しい行動を取ってしまい、それがより疑惑を呼んで、さらに仲間の女子職員たちと確かめ合う事で、似ている気がする?→犯人なのでは?→犯人決定!となっていく心理も分かるけど怖い。
警察の捜査がずさん過ぎる気がするのだけど、当時はこんな感じだったのかな? 目撃者の証言のみで連行してしまい、犯行に使ったメモをマニーに書かせて筆跡が似ている、同じ書き損じをしたというだけで逮捕してしまう。目撃者に面通しっていうのは当然するとは思うけれど、被害に遭った店をマニーに歩かせて、被害者に本人か確認してもらうとかあり? アメリカの逮捕からの流れみたいのがよく分かってないのだけど、保釈金を支払って帰宅、裁判にそなえて弁護士を雇い、自らアリバイを立証すべく証人を探さなきゃならない。まぁ、裁判になれば証拠集めをするのは当然だから、同じ手続きはすると思うけれど、そもそも警察がアリバイを崩しすらしていないで逮捕してしまうのがビックリ。強盗事件当日、カードゲームをしていた証人の内2人も亡くなってしまっていたのは、マニーにとって大変不利な状況だけど、この辺り精神的に追い詰められた妻が絶望する要素となっているだけに留まっている。現在なら真犯人に口封じされたということで、さらに事件が混乱すると思うけれど、そうはなっていないのは、この部分も実話だからなのかな? それとも、当時はあっさりしてたのかな?
結局、事件は真犯人逮捕ということであっけなく幕切れ。そりゃないよという気もしなくもない・・・ 明らかに誤認逮捕だし、アリバイを調べもしなかった警察の捜査にも問題がある。マニーの妻は精神を病んでしまい入院してしまったのに、その補償のようなものはあったのだろうか? 目撃者たちについてはそもそもは善意から出ていることだから、責めることはできないけれど、人間の思い込みによる記憶の不安定さというのは現在では常識だけど、当時はそうではなかったとしても、これはちょっと酷い。映画は真犯人が連行されて、保険会社の女子職員たちが面通をし、拘置所に連れて行かれる前にマニーと対峙、マニーが「お前のせいで妻の心が壊れた」というような台詞を言い、女子職員たちがこそこそとマニーの前を去り、刑事とマニーが微笑み合うシーンの後、マニー一家が並んで歩く姿の上に妻が2年後退院し今は幸せに暮らしているとの字幕が流れて終わる。マニーが女子職員をなじったり、刑事に対しても謝罪を要求していないので、悪いのは罪を犯した犯人だということで映画としてはまとめているのだと思うけれど、見ている側としてはちょっと納得いかないかなぁ・・・
マニーは名優ヘンリー・フォンダ。ご本人がそうなのか、当時の映画は今ほど感情を表に出す演技を求めていなかったのか分からないけれど、表情はほとんど動かない。でも、内に秘めた怒りは感じられたし、決して屈しないという姿勢は感じたけれど、ヒーローではなく小市民であるマニーの頼りなさのような部分も感じられて、さすがの演技。
冤罪事件なので、解決しても上記のような理由でスッキリしない。ヒッチコックや製作者側としては、警察の捜査のずさんさや、思い込みにより人を貶めてしまうことの恐ろしさについて問題提起しているのだと思うけれど、その切り口は以外にソフト。当時としてはギリギリだったのかなぁ・・・ でも、奥さんはワンピースを着てパンプス履いて、マニーはソフト帽被って出かけるなど、画的な部分も含めて品がある。声高に叫ばなくても伝わった時代なのも?
http://twitter.com/maru_a_gogo
『間違われた男』ってtweetしちゃってるけど、『間違えられた男』が正解。間違えちゃった(o´ェ`o)ゞ 『ヒッチコック』が公開されたためWOWOWではヒッチコック作品を放送中。見たことない作品から見てみようってことで録画。たしかヒッチコック初の実話ベースの映画化。冒頭にヒッチコック自身が登場し、事実は映画よりも恐ろしいというような解説が入る。後にTVシリーズの「ヒッチコック劇場」では毎回解説していたと思うけど、映画でそれはあまりないかも?
「クラブで働くバンドマンのマニーは、妻と2人の息子と貧しいながらも幸せに暮らしていた。妻の歯の治療費を借りるため、保険会社に保険証書をもとに借金を申し込みに行くと、女性職員たちの動きがおかしい・・・ その夜、マニーは警察に連行されてしまう。最近New Yorkで頻発している強盗の容疑者として逮捕されてしまったのだった」という話で、何が恐ろしいって、これ単純に目撃者達の証言のみで逮捕されちゃったってこと。現在のサスペンスものから見ればテンポが遅くて、意外に呑気だったりするけど、やっぱり見せ方が上手い。
ヘンリー・フォンダがマニー。マニーは真面目で家族思いなのだけど、ヘンリー・フォンダが演じていることによって、ちょっと気難しそうで、暗い印象。しかも背が高い。そんな男が強盗に入られた保険事務所に現れたら、確かに警戒してしまう気持ちは分かる。当時の身だしなみとして、男性はソフト帽子を被っており、ありがちなコートを着ていたことも、没個性にしてしまっている。この辺りも上手い。疑心暗鬼になってしまっている人間は、正しい判断が出来ない。内ポケットに手を入れて証書を取り出す仕草だけでも、ピストルを取り出すのでは?!となっちゃう感じは、定番過ぎるけれども、とっても分かる。無自覚のまま怪しい行動を取ってしまい、それがより疑惑を呼んで、さらに仲間の女子職員たちと確かめ合う事で、似ている気がする?→犯人なのでは?→犯人決定!となっていく心理も分かるけど怖い。
警察の捜査がずさん過ぎる気がするのだけど、当時はこんな感じだったのかな? 目撃者の証言のみで連行してしまい、犯行に使ったメモをマニーに書かせて筆跡が似ている、同じ書き損じをしたというだけで逮捕してしまう。目撃者に面通しっていうのは当然するとは思うけれど、被害に遭った店をマニーに歩かせて、被害者に本人か確認してもらうとかあり? アメリカの逮捕からの流れみたいのがよく分かってないのだけど、保釈金を支払って帰宅、裁判にそなえて弁護士を雇い、自らアリバイを立証すべく証人を探さなきゃならない。まぁ、裁判になれば証拠集めをするのは当然だから、同じ手続きはすると思うけれど、そもそも警察がアリバイを崩しすらしていないで逮捕してしまうのがビックリ。強盗事件当日、カードゲームをしていた証人の内2人も亡くなってしまっていたのは、マニーにとって大変不利な状況だけど、この辺り精神的に追い詰められた妻が絶望する要素となっているだけに留まっている。現在なら真犯人に口封じされたということで、さらに事件が混乱すると思うけれど、そうはなっていないのは、この部分も実話だからなのかな? それとも、当時はあっさりしてたのかな?
結局、事件は真犯人逮捕ということであっけなく幕切れ。そりゃないよという気もしなくもない・・・ 明らかに誤認逮捕だし、アリバイを調べもしなかった警察の捜査にも問題がある。マニーの妻は精神を病んでしまい入院してしまったのに、その補償のようなものはあったのだろうか? 目撃者たちについてはそもそもは善意から出ていることだから、責めることはできないけれど、人間の思い込みによる記憶の不安定さというのは現在では常識だけど、当時はそうではなかったとしても、これはちょっと酷い。映画は真犯人が連行されて、保険会社の女子職員たちが面通をし、拘置所に連れて行かれる前にマニーと対峙、マニーが「お前のせいで妻の心が壊れた」というような台詞を言い、女子職員たちがこそこそとマニーの前を去り、刑事とマニーが微笑み合うシーンの後、マニー一家が並んで歩く姿の上に妻が2年後退院し今は幸せに暮らしているとの字幕が流れて終わる。マニーが女子職員をなじったり、刑事に対しても謝罪を要求していないので、悪いのは罪を犯した犯人だということで映画としてはまとめているのだと思うけれど、見ている側としてはちょっと納得いかないかなぁ・・・
マニーは名優ヘンリー・フォンダ。ご本人がそうなのか、当時の映画は今ほど感情を表に出す演技を求めていなかったのか分からないけれど、表情はほとんど動かない。でも、内に秘めた怒りは感じられたし、決して屈しないという姿勢は感じたけれど、ヒーローではなく小市民であるマニーの頼りなさのような部分も感じられて、さすがの演技。
冤罪事件なので、解決しても上記のような理由でスッキリしない。ヒッチコックや製作者側としては、警察の捜査のずさんさや、思い込みにより人を貶めてしまうことの恐ろしさについて問題提起しているのだと思うけれど、その切り口は以外にソフト。当時としてはギリギリだったのかなぁ・・・ でも、奥さんはワンピースを着てパンプス履いて、マニーはソフト帽被って出かけるなど、画的な部分も含めて品がある。声高に叫ばなくても伝わった時代なのも?
http://twitter.com/maru_a_gogo