goo blog サービス終了のお知らせ 

・*・ etoile ・*・

🎬映画 🎨美術展 ⛸フィギュアスケート 🎵ミュージカル 🐈猫

【cinema / DVD】『ヒューゴの不思議な発明』

2013-02-25 00:00:00 | cinema / DVD
・・・『ヒューゴの不思議な発明』・・・
『ヒューゴの不思議な発明』観了!好き好きー!!最初はベン・キングスレー怖過ぎと思ってたけど、それが後半に生きてくる。さすがの演技!お伽噺っぽい感じなのも好き!!オートマタの外見があんまりなのもイイw エイサくんと、クロエちゃんがカワイイ☆画が素晴らしい!! #映画 Posted at 05:01 PM



「最愛の父を亡くし、駅で時計係をしている飲んだくれの叔父に引き取られたヒューゴ。今は使われていない駅員の休憩室に隠れ住み、戻らない叔父に代わって時計のネジを巻き、食料を盗んで暮らしていた。ヒューゴにはどうしても完成させたいものがあった。そのため彼は構内のおもちゃ屋から部品を盗んでいた。ある日、店主の老人に見つかってしまい・・・」という話。これは好き! 昨年のアカデミー賞では作品賞ノミネート。マーティン・スコセッシ監督が監督賞を受賞したのも納得! ブロガーさんたちの評判も良くて、見たいと思っていたのだけど見逃してた・・・ これは、映画館で見るべきだったと後悔!

冒頭から映像がスゴイ! パリの街並みから駅に向かって飛行機に乗っているか、鳥になったかのような映像。この時点では人々や建物はとってもアニメっぽい。これって3D上映されたんだっけ? 3D前提だからなのか不明だけど、以降街並みなどはとってもアニメっぽい。ヒューゴがいる所のみリアルな映像になったりするけど、全体的にはアニメっぽいかな・・・ それが作品全体をお伽噺っぽくしてて、少年が1人で駅で暮らしているという設定すら、お伽噺のような感じにしている。この感じは好き。お伽噺っぽいからといって子供っぽいということでもない。

ヒューゴはおもちゃ屋の店主に部品を盗んでいたことを見つかってしまう。ポケットの中身を出すように言われ、しかたなく小さなノートを渡す。中には機械仕掛けの人形の設計図のようなものが描かれていた。驚く老人。誰がコレを描いたのかと尋ねるけれど、答えようとしないヒューゴ。強情な子供だと店主は怒るけれど、店主がそこまでノートを返さないのも頑固過ぎるだろうと見ている側は思う。この駆け引きも後の伏線となっている。

実はこのノートを描いたのはヒューゴの亡くなった父親。母親を早くに亡くしたヒューゴは、父親と2人暮らし。時計の修理店をしながら、美術館にも勤めていた父親は、ある日美術館の倉庫の奥から作りかけの機械仕掛け人形(オートマタ)を持ち帰る。2人で修理する楽しい日々。でも、ある日父親は美術館の火事で亡くなってしまう。叔父に荷物をまとめて一緒に来るよう言われたヒューゴは、唯一つオートマタだけを持って駅で暮らすことになったのだった。何故、ヒューゴがきちんと老人に話さないのかと若干イライラもしたけれど、父親との大事な思い出を壊されたくなかったのかもしれない。

ノートを返してくれない老人の後を追い、とうとう彼の家までついていってしまうヒューゴは、彼の養女であるイザベルと出会う。以後、彼女の協力と自分の粘りでヒューゴは老人の店でおもちゃ修理の手伝いをすることになる。頑固で笑顔なども見せない老人だけど、師弟というよりは祖父と孫のような雰囲気。てっきりこの老人が祖父なのだと思っていたら、なんとビックリな展開に!

イザベルと一緒に書店に通い、店主の老人と友達になったり、カフェのテラス席で飼い犬にじゃまされながらも、愛をはぐくむ老紳士と老婦人など観察したりしつつ、おもちゃ屋で働きながらオートマタ修理を続けるヒューゴ。駅には警備員がいて、その内の1人は獰猛な犬を連れた義足の男。孤児院で育った彼は、浮浪児は孤児院で育つべきとの考えから、ヒューゴを捕まえることに執念を燃やしている様子。そんな彼も花屋の娘に恋していたりする。ほとんどの場面が駅構内か、店主の自宅など数箇所で話が進む。でも2時間超なのに飽きてしまうことがない。朝、活気のある構内。人々がのんびり過ごす昼。夕方にはまた人々が帰ってきて、そして夜静寂に包まれる。そんな中、一生懸命オートマタを修理するヒューゴが健気でカワイイ。

修理が完成したオートマタを動かすには、ハート型の鍵が必要なことが分かる。実はこの鍵はイザベルが持っている。ご都合主義な気がしないでもないけど、この後もっとスゴイことが起きるので、別に気にならない。ハート型の鍵で動き出したオートマタが描き出したのは、父親が大好きだったジョルジュ・メリエスの『月世界旅行』の一場面。そこにジョルジュ・メリエスの名前を見つけたイザベルにより、おもちゃ屋店主こそメリエスだということが分かる。映画の父と呼ばれるジョルジュ・メリエスは実在の人物。映画でも紹介されていたとおり、そもそもは自分の劇場を持つほどの人気奇術師だった。リュミエール兄弟の活動写真を見て感激し、私財を投げ打ってスタジオを設立。斬新なアイデアを持って次々映画を製作。人気を得た。しかし、第一次世界大戦が勃発。終戦後、大きな悲劇を体験した人々には、メリエスの作風は受入れられなかった。メリエスは映画製作を辞め、自ら撮影したフィルムのほとんどを焼いてしまったというのも実際の話。おもちゃ屋店主をしていたのも事実。映画のラストではメリエスを讃える上映会が開催されているけど、これも実際にあったらしい。生活は苦しかったけれど、映画組合が施設を設立し、メリエス一家を入居させたため、晩年をここで過ごすことができたのだそう。この辺りのことは今作と併せて放送された、ドキュメンタリー映画で語られていた。このドキュメンタリー映画も当時の映像が満載でおもしろかった。

映画では失意の底にいるメリエスを立ち直らせようと、メリエス研究家の教授の力を借りて、『月世界旅行』を上映する。イザベルの養母は元女優でメリエスの作品の主演女優であることも分かる。これも事実。メリエスの作品はフィルムに手で彩色したカラー作品! もともとの映像にさりげなく養母を合成しているのがおもしろい。メリエスを傷つけてしまうのを恐れて、最初は上映に反対する養母。でも、見てしまえば楽しくてついつい笑ったりしてしまう。そこにメリエスが現れて、感動し昔の情熱を取り戻すのは、王道中の王道だけどやっぱり感動する。書き忘れていたけど、そもそもオートマタを作ったのはメリエス。彼にオートマタを見せようと、駅に戻ったヒューゴ。そこでまた一波乱あるのだけど、こちらも王道の中の王道で解決。ハッピーエンドとなる。

キャストも豪華。メリエス役はベン・キングスレー。気難しくて、ちょっぴり怖いけど、実は繊細で優しい心の持ち主である感じをさすがの演技で表現。苦手なサシャ・バロン・コーエンが警備員役。やっぱり、大芝居部分が苦手だったけど、彼はその生い立ちゆえ、自分が正しいと思うことをしているけれど、視野が狭い上に真面目なためやり過ぎてしまっているのだと思わせたのは良かった。父親のジュード・ロウも短い出演シーンながら、キッチリ印象を残す。ジュードも私生活ではお父さんだものね・・・ イザベルのクロエ・グレース=モレッツは安定の演技。クロエちゃん上手いのに全然嫌味がないのは何故なんだろう? ヒューゴのエイサ・バターフィールドはとにかく瞳の美しさが印象的。粘り強く、1人で生きる強さを持つ少年だけど、冒頭のメリエスとのやり取りなどは強情でイヤな子にもなりかねない。事実、メリエスはそう言ってる(笑) でも、そうなっていないのはエイサくんのおかげ。健気でカワイイ。そうそう! 個人的には書店の店主役でクリストファー・リーが出演していたのがうれしかった! すでに演技をしているのだか、いないのだかわからない独特の存在感。パリが舞台だけど英国紳士然とした佇まいがさすがリー様

画が美しく、そして楽しい! 迷路のように入り組んでいて、まるで一つの街のような駅構内がイイ。大人にとっては交通の手段に過ぎないけれど、ヒューゴにとってみればここは家であり、街なんだよなと思ったりする。メリエスの登場により、映画創世記を知ることが出来て映画好きにはたまらない! とにかく見ていて楽しくて幸せな気分になる。かわいくて、ちょっぴり辛くて、でも最高にハッピーになれる。見終わった後、甥っ子達に見せてあげたくて、即翌日の吹替え放送予約した(笑) 映画好きとしても大満足! さりげなくジャンゴ・ラインハルトとか出てくるのもニヤリ

お伽噺っぽいドキドキわくわくのファンタジー好きな方オススメ! 映画好きな方是非!!

『ヒューゴの不思議な発明』Official site


http://twitter.com/maru_a_gogo



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする