'10.09.10 『ヒックとドラゴン』@TOHOシネマズ錦糸町
どうしても見たくて、急に思い立って行ってきた。字幕版がよかったけど、ほとんどないし(涙)いろいろ考えて行けずにいたけど、意外に錦糸町なら帰りに行きやすいことが判明。ぐずぐずしてると終わっちゃうので、吹替版だけど見て帰ることにした。
*ネタバレありです
「バイキングの島、バーク島では島を襲い、食料を奪っていくドラゴン達との戦いが、日々繰り返されていた。バイキングの頭ストイックの息子ヒックは、賢く勇気もあったが、ひ弱な体型と優しい性格から、バイキングには向かないと誰からも思われていた。そんなある日、ヒックは傷ついた1匹のドラゴンと出会い…」という話で、これは本当によかった。ストーリー的には王道だし、展開も王道。でも、王道だからこそ大切なメッセージが詰まってる。そして、ドキドキ、ワクワクさせることで、その王道ゆえのメッセージに押し付けがましさや、わざとらしさをなくしている。
実はPIXERとかの表情と動きが過剰なアニメはちょっと苦手。ファンタジーも最近ちょっと食傷気味。なので、公開前から評判がよかったにもかかわらず、見るつもりはなかった。でも、Twitterでお世話になってるブロガーさん達の、絶賛のつぶやきを見ているうちに、どうしても見たくなった。結果、見に行って大正解! アニメなのでやっぱり動きや表情は大きめだけど、それは苦手と思うほどやり過ぎじゃない。すごくなめらか。冒頭からドラゴンに襲われてしまうけど、戦いの場面にも迫力があるし、そこに被るヒックのナレーションや、行動などから、彼が頭がよくて、勇気もあるけど、誤解されていて、本来の実力を発揮できないでいることが分かる。ヒックの悲しげな諦めの表情は何度も見ることになるけど、これが見事。ちょっと下唇突き出した後、軽く噛んで、眉をひそめて溜息をつくみたいな、このタイプの男の子が主人公の実写版映画でもよく見かける感じ。上手く説明できないけど(笑)
表情の豊かさで言ったらヒックの相棒になるトゥースにも言える。ドラゴンは実はいろんな種類がいるけど、トゥースはその中でも最強と言われるナイト・フューリーと呼ばれるドラゴン。夜の闇より黒い体を持ち、とても賢い。今まで誰も捕まえたことがないので、謎が多い。ヒックによると、何かとの間に生まれた子供のドラゴンとのこと(笑) このトゥースがカワイイ! 甥っ子が大好きな『リロ&スティチ』のスティチに似てるなと思ったら、同じスタッフだったんだね(笑) これは、ネコ飼ってたら絶対好き! これは製作側の狙いみたいだけど、トゥースの目は爬虫類というより、ネコっぽい。動きもネコに似てるし。
ヒックはひ弱なのでバイキングとみとめられず、ドラゴンとの戦いで片腕、片足を失ったゲップのもとで鍛冶屋の見習をしている。バイキングになりたいヒックは、知恵と鍛治屋の腕を生かして、ドラゴンを生け捕りにする大砲のようなものを発明する。トゥースは実はそれに引っ掛かってしまったのだった。ドラゴンが落ちた辺りを探しに行き、傷ついたトゥースを見つけたヒックは、ナイト・フューリーを倒せばヒーローになれると知りつつ、殺すことができない。何故、殺さなかったかについては、後に初恋の相手であるアスティに聞かれて答えているけど、この気持ちが重要なんだなと思う。難しく言えば同調なんだろうけど、要するに"相手を思いやる"ということ。これが大切。それは、相手を優先するということではなくて、相手の気持ちを推し量るということ。もちろん、人の考え方や感じ方はそれぞれだから、こうだろうと考えたことが、違っていることもあるけど、それでも気を使ってくれたことは伝わるはず。
ヒックはトゥースが尾羽根の片方を失っていることに気づき、義翼を作り、もう一度トゥースを飛ばそうとする。初めは警戒していたトゥースも、次第に心を開く。おずおずとヒックが差し出した手の平に、トゥースがコツンと頭をつけるシーンが大好き! ネコを飼っていたら、絶対経験あるはず! ネコ嫌いの方の理由の1つに、自分勝手だからというのをよく聞くけど、ネコ好きにとってはそこが魅力。いくら呼んでも来ないのに、抱っこしてと脚をよじ登ってきてくれた時の喜びといったら(笑)このシーンの場合は少し違って、警戒してた相手が初めて心を開いてくれたわけだから、喜びもひとしお。ヒックの気持ちがよく分かる。そして、このシーンに至るまでが丁寧に描かれているので、2人が"相棒"になっていく感じがすんなり入ってくる。
ヒックは試行錯誤しながら、トゥースの義尾翼を作って、谷でトゥースとともに試す。簡単に説明すると、義尾翼に連結したハンドルが取り付けられたハーネスみたいなものと、鞍みたいなものをトゥースに装置してヒックが乗り、義尾翼を操作しながら飛ぶというもの。警戒するトゥースをなだめて義尾翼を取り付ける。最初は暴れて振り落とされたり、上手く飛べなかったりするけど、ヒックは根気よく改良を続ける。それはもちろんトゥースのためだと思うけど、トゥースを飛ばしてあげることに夢中になっている部分もある。そしてそれが正しい姿なんだと思う。介護問題となると、自身は体験したこともないし、もっともっと大変な側面があると思うので、そう簡単ではないと思うけど。でも、やっぱりそういう側面があったから、ヒックは頑張れたんだと思う。この辺りも、決して長い時間はかけていないのに、丁寧に描かれているので、すごくよく伝わってくる。子供達はきっと、こんなおばちゃんみたいにいちいち分析しなくても、感覚で理解できると思う。
鍛治屋のゲップはドラゴンとの度重なる戦いで、片腕と片脚を失っている。だから今はめったに前線には立てない。なので戦いに参加させてもらえないヒックの気持ちがよく分かる。ヒックの父親ストイックは、自身が頭であるため、息子を愛しているけど、後継ぎとしては失望している。ゲップはドラゴンと戦うのが向いていないのであれば、得意なことを極める道もあるのでは?とストイックに言うけど、"バイキングの男はこうあるべき"という価値観を捨てられない。それは間違っているわけではないし、村をおさめる頭ならば、意見がぐらついてしまうのも違うのかなとも思うのだけど、全ての人や事が一つの価値観で計れるはずもなく、ヒックのように"規格外"の人物ができてしまう。でもそれは、一つの考え方によってであって、いろんな見方をしたら"規格外"の人なんていないはずなのだけど…
ヒックも村で暮らす以上、村の価値観にそって考えてきた。だから、足手まといだと言われながらもドラゴンと戦う日を夢見ていた。初恋の相手アスティが華麗にドラゴンを退治してみせれば、憧れと同時に自分のダメさ加減に情けない思いをしたりしていた。そんなヒックの気持ちを察したゲップの助言で、ヒックもドラゴン退治の練習に加わることになるけど、あんなに望んでいたのに嬉しくない。ドラゴン達は穏やかに接したら攻撃を仕掛けてこないことが分かったし、トゥースの仲間を殺したくはない。ヒックはドラゴン達=退治するものという図式に疑問を持ちつつ訓練に参加する。攻撃することに躊躇するから、いつも一歩遅れてしまう。仲間はヒックをダメだと決めつけて、足手まといだと思う。でも、そんなヒックがドラゴン達をおとなしくさせるようになると彼を英雄扱いする。それは力で屈服させたわけではなく、実は彼らの警戒心を解いただけのこと。そして、それはトゥースとの触れ合いによって学んだこと。この辺りもきちんと段階を踏んで描かれているから、ヒックが少しずつドラゴンのことを理解していく過程や、疑問が確信に変わっていく感じも、しっかりと伝わる。チビッコ達にもきっと分かる!
急にヒーローになったヒックを不審に思ったアスティは、彼の後をつけて行き、ヒックの秘密を知る。アスティを乗せたヒックとトゥースが大空を舞うシーンは、ホントに全てが美しくて、気がついたら涙が止まらなくなってた。実は、思い出すと今も泣きそう(笑) 風景の美しさもそうだし、初恋の少年と少女が空を舞うのもそうだし、一心不乱に飛ぶトゥースのうれしそうな姿もそう。それはヒックとトゥースの間にしっかりと友情が芽生えている証拠。すごいスピード感で、見たこともない絶景の中を飛び回るシーンは感動! 無条件で泣いてた(笑) ホントに大画面で、しかも3Dで見てよかった!
この夜空の大飛行で、2人はドラゴン達の秘密を知る。この秘密はデカイ! 文字通りデカイ(笑) 訓練の成績優秀者による公開ドラゴン退治試験に合格すると、ヒックはドラゴン退治に参加できるようになる。ドラゴンを退治したくはないけど、自分もみんなと同じように出来ると認めて欲しい気持ちも分かる。不本意ながらも、期待に応えなければと思う気持ちも。でも、みんなの期待が裏目に出てしまう… 人間の前に姿を現すことのなかったトゥースが、ヒックの危機に夢中になって飛んで来る姿にまた涙。なんてかわいい(涙) 捕らえられたトゥースを救おうと、父親を説得するため、ドラゴン達の秘密を話してしまうヒック。ヒックはもちろんこの秘密をきちんと解決するつもりだったけど、父が決めた方法じゃない。この辺の行き違いの感じは、ハラハラしつつも、お互いの立場や考え方の違いを考えれば、こんなことになっちゃうよねと思い、短絡的なストイックや、上手く説明できないヒックにイライラすることはない。どちらが正しくて間違っているかは、いろんな考え方があるけれど、チビッコだってきっとヒックと同じ意見のハズ!
ここまでの展開も、この後の展開も、とっても王道。こうあって欲しいという方向に進むし、こうあって欲しいと思う位置に着地する。ただ、ヒックにとっては辛い勲章を授かってしまうけれど… 実は、現在8巻(日本では6巻)まで出版されている原作にはないエピソード。原作は未読だけど、パンフレットによると、伝説のバイキング ヒック・ホレンダス・ハドック3世の自伝を、原作者のクレシッダ・コーウェルが英訳したという形をとっているらしく、ヒック達はドラゴンを飼い馴らせる唯一のバイキングで、ドラゴン訓練でトゥースレスというチビドラゴンとコンビを組んで以来、2人(?)で数々の冒険をするという話らしいので、今回の映画は別物かも。原作に思い入れがあると違和感があるかも知れないけれど、未読の身としてはこの大胆な変更は良かったんじゃないかと思う。ヒックはそれまで努力して段階を経てきたし、ヒックの身に起きたことは悲劇だけど、成し遂げたことは大きい。だからヒックならきっと、これからも困難に打ち勝っていけるハズ! そんな希望が持てるラストだった。そして、障害のある方や子供達にも、ヒックの存在が心強く感じるんじゃないかと思う。
声優さん達の演技もよかったと思う。得にヒックは一人もしくは、トゥースに話すことが多いので、一人でずっと喋りっぱなしになる。少年のはずなのに大人声だったから、最初のナレーションでは困惑気味だったけど、ヒックのあのあきらめの表情と、台詞のトーンがピッタリ合ってた。有名俳優やタレントを使わず、プロの声優さんのみだったのは良かったと思う。個人的には俳優のスキルと、声優のスキルって違うと思っているので。あと、ご本人の顔が浮かんでしまうし。
画がホントに素晴らしい! ヒック達が身につけている毛皮の質感とか、髪の毛の感じとかビックリするくらいリアルなのに、顔の感じがアニメっぽい。そのバランスも良かった。あんまりリアル過ぎるのも違うと思うし。風景がすごく美しかった。飛べなくなったトゥースがいた谷のようなところは幻想的で美しい。そして、前にも書いたけど、トゥースがヒックとアスティを乗せて大空を舞うシーンの美しさ! これはホントに劇場で見て良かった!
とにかく少年とドラゴンの友情、少年と父親との関係、少年の初恋、少年の成長がきちんと丁寧に描かれている。大切なことがたくさん詰まっていて、押し付けがましくない。子供達に是非見てほしい。甥っ子達にも見せてあげたい!
『ヒックとドラゴン』Official site
どうしても見たくて、急に思い立って行ってきた。字幕版がよかったけど、ほとんどないし(涙)いろいろ考えて行けずにいたけど、意外に錦糸町なら帰りに行きやすいことが判明。ぐずぐずしてると終わっちゃうので、吹替版だけど見て帰ることにした。
*ネタバレありです

実はPIXERとかの表情と動きが過剰なアニメはちょっと苦手。ファンタジーも最近ちょっと食傷気味。なので、公開前から評判がよかったにもかかわらず、見るつもりはなかった。でも、Twitterでお世話になってるブロガーさん達の、絶賛のつぶやきを見ているうちに、どうしても見たくなった。結果、見に行って大正解! アニメなのでやっぱり動きや表情は大きめだけど、それは苦手と思うほどやり過ぎじゃない。すごくなめらか。冒頭からドラゴンに襲われてしまうけど、戦いの場面にも迫力があるし、そこに被るヒックのナレーションや、行動などから、彼が頭がよくて、勇気もあるけど、誤解されていて、本来の実力を発揮できないでいることが分かる。ヒックの悲しげな諦めの表情は何度も見ることになるけど、これが見事。ちょっと下唇突き出した後、軽く噛んで、眉をひそめて溜息をつくみたいな、このタイプの男の子が主人公の実写版映画でもよく見かける感じ。上手く説明できないけど(笑)
表情の豊かさで言ったらヒックの相棒になるトゥースにも言える。ドラゴンは実はいろんな種類がいるけど、トゥースはその中でも最強と言われるナイト・フューリーと呼ばれるドラゴン。夜の闇より黒い体を持ち、とても賢い。今まで誰も捕まえたことがないので、謎が多い。ヒックによると、何かとの間に生まれた子供のドラゴンとのこと(笑) このトゥースがカワイイ! 甥っ子が大好きな『リロ&スティチ』のスティチに似てるなと思ったら、同じスタッフだったんだね(笑) これは、ネコ飼ってたら絶対好き! これは製作側の狙いみたいだけど、トゥースの目は爬虫類というより、ネコっぽい。動きもネコに似てるし。
ヒックはひ弱なのでバイキングとみとめられず、ドラゴンとの戦いで片腕、片足を失ったゲップのもとで鍛冶屋の見習をしている。バイキングになりたいヒックは、知恵と鍛治屋の腕を生かして、ドラゴンを生け捕りにする大砲のようなものを発明する。トゥースは実はそれに引っ掛かってしまったのだった。ドラゴンが落ちた辺りを探しに行き、傷ついたトゥースを見つけたヒックは、ナイト・フューリーを倒せばヒーローになれると知りつつ、殺すことができない。何故、殺さなかったかについては、後に初恋の相手であるアスティに聞かれて答えているけど、この気持ちが重要なんだなと思う。難しく言えば同調なんだろうけど、要するに"相手を思いやる"ということ。これが大切。それは、相手を優先するということではなくて、相手の気持ちを推し量るということ。もちろん、人の考え方や感じ方はそれぞれだから、こうだろうと考えたことが、違っていることもあるけど、それでも気を使ってくれたことは伝わるはず。

ヒックは試行錯誤しながら、トゥースの義尾翼を作って、谷でトゥースとともに試す。簡単に説明すると、義尾翼に連結したハンドルが取り付けられたハーネスみたいなものと、鞍みたいなものをトゥースに装置してヒックが乗り、義尾翼を操作しながら飛ぶというもの。警戒するトゥースをなだめて義尾翼を取り付ける。最初は暴れて振り落とされたり、上手く飛べなかったりするけど、ヒックは根気よく改良を続ける。それはもちろんトゥースのためだと思うけど、トゥースを飛ばしてあげることに夢中になっている部分もある。そしてそれが正しい姿なんだと思う。介護問題となると、自身は体験したこともないし、もっともっと大変な側面があると思うので、そう簡単ではないと思うけど。でも、やっぱりそういう側面があったから、ヒックは頑張れたんだと思う。この辺りも、決して長い時間はかけていないのに、丁寧に描かれているので、すごくよく伝わってくる。子供達はきっと、こんなおばちゃんみたいにいちいち分析しなくても、感覚で理解できると思う。
鍛治屋のゲップはドラゴンとの度重なる戦いで、片腕と片脚を失っている。だから今はめったに前線には立てない。なので戦いに参加させてもらえないヒックの気持ちがよく分かる。ヒックの父親ストイックは、自身が頭であるため、息子を愛しているけど、後継ぎとしては失望している。ゲップはドラゴンと戦うのが向いていないのであれば、得意なことを極める道もあるのでは?とストイックに言うけど、"バイキングの男はこうあるべき"という価値観を捨てられない。それは間違っているわけではないし、村をおさめる頭ならば、意見がぐらついてしまうのも違うのかなとも思うのだけど、全ての人や事が一つの価値観で計れるはずもなく、ヒックのように"規格外"の人物ができてしまう。でもそれは、一つの考え方によってであって、いろんな見方をしたら"規格外"の人なんていないはずなのだけど…
ヒックも村で暮らす以上、村の価値観にそって考えてきた。だから、足手まといだと言われながらもドラゴンと戦う日を夢見ていた。初恋の相手アスティが華麗にドラゴンを退治してみせれば、憧れと同時に自分のダメさ加減に情けない思いをしたりしていた。そんなヒックの気持ちを察したゲップの助言で、ヒックもドラゴン退治の練習に加わることになるけど、あんなに望んでいたのに嬉しくない。ドラゴン達は穏やかに接したら攻撃を仕掛けてこないことが分かったし、トゥースの仲間を殺したくはない。ヒックはドラゴン達=退治するものという図式に疑問を持ちつつ訓練に参加する。攻撃することに躊躇するから、いつも一歩遅れてしまう。仲間はヒックをダメだと決めつけて、足手まといだと思う。でも、そんなヒックがドラゴン達をおとなしくさせるようになると彼を英雄扱いする。それは力で屈服させたわけではなく、実は彼らの警戒心を解いただけのこと。そして、それはトゥースとの触れ合いによって学んだこと。この辺りもきちんと段階を踏んで描かれているから、ヒックが少しずつドラゴンのことを理解していく過程や、疑問が確信に変わっていく感じも、しっかりと伝わる。チビッコ達にもきっと分かる!
急にヒーローになったヒックを不審に思ったアスティは、彼の後をつけて行き、ヒックの秘密を知る。アスティを乗せたヒックとトゥースが大空を舞うシーンは、ホントに全てが美しくて、気がついたら涙が止まらなくなってた。実は、思い出すと今も泣きそう(笑) 風景の美しさもそうだし、初恋の少年と少女が空を舞うのもそうだし、一心不乱に飛ぶトゥースのうれしそうな姿もそう。それはヒックとトゥースの間にしっかりと友情が芽生えている証拠。すごいスピード感で、見たこともない絶景の中を飛び回るシーンは感動! 無条件で泣いてた(笑) ホントに大画面で、しかも3Dで見てよかった!

ここまでの展開も、この後の展開も、とっても王道。こうあって欲しいという方向に進むし、こうあって欲しいと思う位置に着地する。ただ、ヒックにとっては辛い勲章を授かってしまうけれど… 実は、現在8巻(日本では6巻)まで出版されている原作にはないエピソード。原作は未読だけど、パンフレットによると、伝説のバイキング ヒック・ホレンダス・ハドック3世の自伝を、原作者のクレシッダ・コーウェルが英訳したという形をとっているらしく、ヒック達はドラゴンを飼い馴らせる唯一のバイキングで、ドラゴン訓練でトゥースレスというチビドラゴンとコンビを組んで以来、2人(?)で数々の冒険をするという話らしいので、今回の映画は別物かも。原作に思い入れがあると違和感があるかも知れないけれど、未読の身としてはこの大胆な変更は良かったんじゃないかと思う。ヒックはそれまで努力して段階を経てきたし、ヒックの身に起きたことは悲劇だけど、成し遂げたことは大きい。だからヒックならきっと、これからも困難に打ち勝っていけるハズ! そんな希望が持てるラストだった。そして、障害のある方や子供達にも、ヒックの存在が心強く感じるんじゃないかと思う。
声優さん達の演技もよかったと思う。得にヒックは一人もしくは、トゥースに話すことが多いので、一人でずっと喋りっぱなしになる。少年のはずなのに大人声だったから、最初のナレーションでは困惑気味だったけど、ヒックのあのあきらめの表情と、台詞のトーンがピッタリ合ってた。有名俳優やタレントを使わず、プロの声優さんのみだったのは良かったと思う。個人的には俳優のスキルと、声優のスキルって違うと思っているので。あと、ご本人の顔が浮かんでしまうし。
画がホントに素晴らしい! ヒック達が身につけている毛皮の質感とか、髪の毛の感じとかビックリするくらいリアルなのに、顔の感じがアニメっぽい。そのバランスも良かった。あんまりリアル過ぎるのも違うと思うし。風景がすごく美しかった。飛べなくなったトゥースがいた谷のようなところは幻想的で美しい。そして、前にも書いたけど、トゥースがヒックとアスティを乗せて大空を舞うシーンの美しさ! これはホントに劇場で見て良かった!
とにかく少年とドラゴンの友情、少年と父親との関係、少年の初恋、少年の成長がきちんと丁寧に描かれている。大切なことがたくさん詰まっていて、押し付けがましくない。子供達に是非見てほしい。甥っ子達にも見せてあげたい!
