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【cinema】『ブラック・ダリア』

2006-11-14 00:58:32 | cinema
'06.11.12 KTと『ブラックダリア』@品川プリンスシネマ プレミアムシート

エルロイの小説は未読だけど本屋で目にするたび気になってた。何度か手に取ったのに何故か未読。ブラックダリア事件は売れない女優エリザベス・ショートが惨殺されたという、実際に起きた未解決事件。切り裂きジャックを彷彿とさせる事件で当時のアメリカ国民を震撼させたらしい。

「コンビを組むバッキーとリー。捜査中の事件があるにも関わらず、ブラックダリア事件にのめり込んでゆくリー。リーの行動を不信に思いながらもその恋人ケイとの三角関係を続けるバッキー。事件の真相は意外なものだった・・・」という感じ。いわゆるハードボイルドなのでしょう。サスペンスモノは大好物。惨殺シーンとかも全然見れるけど、ハードボイルドなど男の美学的なものはちと苦手。イヤかっこいいとは思うし理解もできるけど、若干納得がいかずイラつきを感じたりする。リーのことを恩人だと思っているバッキーに対しても「裏があるに決まってるじゃん」なんて思ってしまうのは私が捻くれているからか? この手の映画の見すぎでどんなシーンにも裏があると疑いの目で見ているからか?(笑)

得意の長まわしや回転するカメラワークなどデ・パルマ節は健在。ヒッチコックの『めまい』を髣髴とさせる螺旋状の階段シーンなども思わずニヤリ。『アンタッチャブル』同様、マフィアが暗躍した暗黒時代を描いている。あの時代独特の暗い感じなんかはよかったと思うし、それなりにおもしろかったけどなんとなく乗り切れず。割と早い段階でオチが見えてしまうのが欠点かも。登場人物はそれなりに多いけどそんなに複雑に絡み合っていないから割と読めてしまうし・・・ 例の恩人うんぬんのシーンにしたって見た瞬間に真相は不明でもバッキーが思っているほど単純ではないのは分かるし、螺旋階段の上でのシーンでも近づく影が誰なのかすぐ分かってしまうし・・・ どんでん返しがあるのかと思えばそうでもないし。素材が面白いだけに残念。

出演者に関しては、ハードボイルドはどうかと懸念していた主演のジョシュ・ハートネットはまぁまぁ及第点。純粋で三角関係や父親のことで苦悩する感じなんかは合っていたと思うけど、アーロン・エッカートに食われていたし・・・ ヒッチコックものを彷彿とさせるブロンド美女を演じたスカーレット・ヨハンソンは相変わらずセクシー。もう少し謎めいた感じが欲しかった気もするけど、2人の男を狂わす感じは納得。リーが何としても手に入れたいと思う気持ちは分かる。そしてヒラリー・スワンクのビッチぶりがスゴイ。富豪令嬢でありながら怪しげな店に出入りするみだらな女性。スタイルはいいけど痩せていてグラマラスではないし、キレイだけどどちらかというと男顔のヒラリーだけど、全身から発するビッチ感がすごい。

肝心のブラックダリア事件に関しては一応の解決を見るけど、実際の事件が未解決なのでこれは映画の中だけ。いわゆる犯人が誰かということが分かってもすっきりしないのは、事件を追うことよりむしろ、その過程での人間関係の絡み合いに重点を置いているから。その割そんなにその絡み合いが解けた時も衝撃がないのは何故だろう。ある程度読めてしまったからかも。ブラックダリアことエリザベス・ショートがどんな女性でどんな人生だったのかもあんまり関係ない感じになっている。それなりにおもしろいけどなんとなく中途半端な感じがするのが残念。


『THE BLACK DAHLIA』公式サイト

コメント (2)
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