上野駅近くの宿を8:30にチェックアウトして上野公園に向かう。
途中の苦手な階段を登りきればどちらに歩いてもミュージアムに行き当たる。
〈上野西洋美術館〉
最初はアンチンボルトを観るべく上野西洋美術館に入った。
ご存じのようにアンチンボルトは15世紀イタリアの肖像画家、歴史上ひときわ異彩を放つ「騙し絵」画家だ。
来場者は彼の肖像画の前に立つと、息を凝らして見つめ、
感嘆の声を発してから少し笑顔になる。
それから更に絵に近づいて何が描いてあるの?と絵解きを始めるのだ。
動物野菜、果物が巧みに組み合わせて肖像画を構成するアンチンボルトの奇抜な才能にも、
自然科学に関する豊かな知識にもただ驚嘆した。
しかし、見慣れてくると画家の騙し絵に対する凄さと言うか
執念みたいなものが伝わってきて不思議な気持ちになった。
※画面をスクロールすると騙し絵の種明かしが出来ます。
〈春 花が一杯 〉 〈大気 鷲と孔雀〉
〈夏 世界中の野菜〉 〈火 様々な武器〉
〈大地 動物たち 〉 〈秋 豊穣な実り〉
〈冬 皇帝の寓意 〉 〈水 60種以上の魚類〉
上に掲出した四つのペアが主要展示品だった。各々のペアには深い寓意が込められている。
〈上野の森美術館〉
私は好みの書体を見ると気分がいい。
特に上手の手になる楷書・隷書の起承転結の見事さには暫く見とれる方である。
現代の大家の個展と知ってそれを期待して入館したのだが・・・
〈石川九楊の書〉
〈同 部分〉
氏の書は、私のような凡俗が百年考えても決して想致し得ない書芸術の世界だった。
因みに私が読めた文字は僅か一文字、そこで思った、
「入館料1200円払っているんだ、凡人に読める書も展示してよ」
私の欠点は高い交通費を払って遠くまで来たんだ、沢山見て元を取れという貧乏性だ。
美術館巡りは殆ど立ちづめ、歩きづめだから館を出るとくたくた、
今回も疲れが抜けなくて1日寝込んだ。
お わ り
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