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[不満] 街角に公衆トイレはあっても、公衆Wi-Fi環境がない不便さ

2013-01-13 | Weblog

「東京には街中にフリーのWi-Fiがない」という点だ。

 東京など日本の大都市には外国人旅行者を含め、短期滞在者が手軽に使える無料のWi-Fiがほとんどない。都市部では無線LANの電波は飛んではいるのだが、ほとんどは携帯キャリアや通信事業者が提供する無線LANで、事前契約者しか使用できない。

昨年サービスを開始したローソンWi-Fiにしても、アプリを事前にダウンロードしなければいけないうえ、Ponta会員にならないと利用できない。短期滞在者にとっては敷居が高いだろう。海外には、鍵なしでログイン不要、もしくは店員にパスワードを教えてもらうなどしてWi-Fiを利用できるスポットが多く、日本はガラパゴス化している。

「ニューヨークは、公園など公共の場所で無料Wi-Fiが使える。ログイン不要で、誰でも使える。スタバなどのカフェや飲食店でも、ログイン不要の無料Wi-Fiがたくさんあり、街中でのネット利用は困らない」(ニューヨーク在住日本人)

「ベトナムの都市部はほとんどどこでも無料で無線LANに接続できる。屋台みたいな食堂や、個人経営のカフェまで普及しているんです。どこに行ってもネットに繋がるので、日本以上に便利です」(ホーチミン在住日本人)

「中国の都市部のカフェや飲食店には、店の無料Wi-Fiがだいたいあるので、みんな店員にパスワードを聞いてネット接続しています。ノートPCを広げてオンラインゲームをしている若者も多いですよ。一方、香港ではコンビニでプリペイドのWi-Fi利用カードが売っており、街じゅうを飛んでいる公衆無線LANサービスにカードのパスワードを打ち込むだけで使えます」(広州在住日本人)

「ドイツやフランスは公共の無料Wi-Fiはほとんどないけど、手軽に使える有料Wi-Fiはたくさんある。その場で接続して、クレジットカード番号を入れればすぐ使える。日本も無料でなくてもいいので、せめて観光客や一時帰国者が簡単に公衆無線LANサービスを利用できる環境を作ってほしい」(ミュンヘン在住日本人)

 日本では、唯一スターバックスが利用客向けに手軽に利用できる無料Wi-Fiを提供しているが、利用者登録が必要で、店舗内でそれを行なう場合、登録時に一時的に有料プランを購入しないと接続できないという絶望的な状況なのだ。

「無料Wi-Fi環境が欧米やアジアにも劣るのは、日本では“便利さ”よりも“治安”が優先されるから。確率が低くても、鍵なしの無料Wi-Fiが犯罪に利用されるリスクがある以上、社会全体がそれを認めないということ。

極端な話、100万人が普通に利用して、便利に感じているサービスでも、犯罪が起こる可能性が1件でもあれば、それを排除しようというのが日本社会。また公共の無料Wi-Fiの整備に関しても、役所や官僚は“万が一の犯罪利用”の責任を取りたがらないので遅々として進まない」(ITジャーナリスト)

 世界中でスマホユーザーが急増しているこの時代、外国人観光客にとって、渡航先のネット環境を調べることは当たり前となっている。例えば旅行先を日本とタイで迷っていて、「日本ではネットが繋がらない」ことを理由に、タイに行くということも十分にありえるだろう。

国交省は数年前から、訪日外国人観光客を誘致しようと積極的なキャンペーンを行なっているが、まずは無料Wi-Fi網の整備から始めてもらいたいものだ。(SPA)


環境相石原伸晃 発覚にパニクって雲隠れ

2013-01-13 | Weblog

 

本ブログ管理人の一言:

福祉を切り捨てハコモノ土建行政を得意とした前都知事石原慎太郎。東日本被災地の災害廃棄物(瓦礫)の受け入れにはきわめて積極的だった。会見でも、「反対する人には黙れと言えばいい」といいきった。

放射能を帯びた瓦礫は燃やされ灰になっても、放射能はのこる。このため、住民の健康被害が懸念されるが、住民への説明もほどほどにして、石原は、23区長会、宮城県、女川町との行政会合だけで受け入れを決めてしまった。そしてまず、宮城県女川町の瓦礫が東京の「中央清掃工場」に搬入され焼却された。

この瓦礫処理は、業界最大手、鹿島建設が中心となったゼネコン・グループに独占的に発注された。金額にして約二〇〇〇億円だ。それもそのはずである、石原の元公設第一秘書・栗原俊記が鹿島建設の常務執行役員におさまっているためだ。だから石原の積極姿勢は、被災地東北を思いやってのことではなかったわけだ。

栗原は15年近く石原の秘書だった。1983年の第37回衆議院総選挙で、石原の対抗候補であった新井将敬(その後自殺)の選挙ポスターに「元北朝鮮人」と書いたシールを貼り付けた黒シール事件を起している。そして公職選挙法違反の容疑で書類送検された。石原は終始、秘書が勝手にやったことと弁解しており、結局、秘書栗原が石原の身がわりになった形だ。

朝日の記事にあるように発覚した手抜き除染作業。鹿島が絡む事件だ。息子伸晃から相談をうけた石原慎太郎が、”マスコミにでるな”、”雲隠れしろ”と命じたにちがいない。

ちなみに、鹿島建設は宮城県女川町との関係が深い。東北電力女川原発建設は、一号機から三号機までを鹿島が施工している。また女川町が東北電力からの電源交付金や固定資産税の税収を原資に建てた町民施設すべてが、鹿島に工事発注されている。また石原は女川町の他に岩手県宮古市の瓦礫の受け入れも決めた。こちらの処理業者は東電の子会社「東京臨海リサイクルパワー」である。

 

 写真:記者会見を打ち切った石原伸晃環境相=11日午前、環境省

記者会見を打ち切った石原伸晃環境相=11日午前、環境省

 

沈黙続ける石原環境相 手抜き除染発覚の日、登庁せず

2013/1/11 ASAHI

手抜き除染が発覚した4日に登庁しなかったことについて、石原伸晃環境相が沈黙を続けている。11日の定例記者会見も一方的に打ち切った。

 朝日新聞取材班の記者2人は11日の会見で最初に挙手したが、約17分間の最後まで指名されなかった。他の記者5人の質問で除染の話題はなかった。一方、石原氏が再生可能エネルギーの推進策について、5分間近く身ぶり手ぶりを交えて述べる場面もあった。

 環境省の中尾豊広報室長が会見を打ち切ろうとしたため、朝日新聞記者は「大臣、除染の件で聞かせて下さい」「4日は何をしていたのですか」と呼びかけたが、無言で立ち去った。記者は広報室に書面で改めて取材を申し込んだが、この日、返答はなかった。石原氏は4日の行動についてこれまでの取材に「覚えていない」と述べている。

 

関連記事:

手抜き除染調査、ゼネコン不徹底 証言の7人に聴取せず 2013/1/10

福島第一原発周辺の手抜き除染問題でゼネコン4社(最大手2社、鹿島建設・大成建設、及び準大手2社、大林組・前田建設工業)が11日までに調査結果を環境省に提出した。

だが、環境省もゼネコンもこの日は公表しなかった。朝日新聞に手抜きを証言した作業員のうち少なくとも7人はゼネコンから聴取されていないと話しており、調査が徹底して行われたかは疑問だ。

 本格除染を巡る調査結果を提出したのは福島県楢葉町担当の前田建設工業、飯舘村の大成建設、川内村の大林組、田村市の鹿島。前田と大成は1件ずつの手抜きを7日の聴取ですでに認めている。4社とも11日の取材には「報告したが、内容は言えない」と答えた。

 田村市で土を投棄させられた40代男性は「作業責任者はゼネコンに呼ばれ聴取されたようだが、認めるはずがない」。楢葉町での手抜きを環境省に通報した20代男性は10日夜に同省から事情を聴かれたが、ゼネコンから連絡はない。「環境省が私のように各作業員に直接聴かないと、全容は解明できない」と語った。

 

手抜き除染、反応鈍い環境省 「聞いてない」解明及び腰2013/1/10

 手抜き除染の情報に、環境省の動きは鈍かった。巨額予算の国家プロジェクトを担う行政組織として機能しているのだろうか。

■12月25日「確認する」

 ヘルメットに現場責任者の印であるピンクのラインが入った作業員が落ち葉を川の中へ次々に蹴り出していく――。その写真が朝日新聞1面に掲載されてから5日後の9日、井上信治環境副大臣が福島県田村市の同じ現場に入った。足元に積もっていた落ち葉は消え失せ、地面はむき出しだ。落ち葉はその後の作業で回収されたのか、それとも川へ流れていったのか。視察だけでは分からない。

 除染現場のほとんどは昨年12月28日に年内の作業を終える。新年から下請け業者や作業員が入れ替わることが多く、手抜きの実態を解明するには年内に調べるのが有効なはずだった。

 取材班は12月11~18日に13カ所で手抜き現場を目撃し、25日に環境省に詳細な情報を伝えている。だが環境省は調査に及び腰で、すぐに動かなかった。

 

そのほか:

 

  

 

 


[話題] iPhoneでの360度画面撮影、自分を回転させるかorアプリでいくか

2013-01-08 | Weblog

 

iPhoneで360度画面を撮影する場合どうするか。本ブログ管理人からのアドバイス。

通常、iPhoneを手に持った自分自身が回転するわけだが、iPhone自身が回転してくれるアプリがあるという。

その名は、Cycloramic (サイクロラミック)。これをインストールすれば、iPhone自身が360度回転し、動画を撮影してくれるという、すぐれものだ。アプリを立ち上げただけでiPhoneが回転する、なんとも不思議なアプリだ。

仕組みは、バイブレータの振動で回転させるため、iPhoneをバイブレータ設定しておく必要がある。そうしないとアプリが作動しない。

まず、アプリをダンロードした後、iPhoneを滑らかで水平なところに縦に置く。ガラスや大理石がベストで、表面がより滑らかでないと、iPhoneがウマく回転しない。

ちなみに機種は、バイブレータの性質や重さから判断して、iPhone5が最もスムーズに動くという。あとは画面のGOボタンを押すだけ。iPhoneが回転撮影を開始。そしてSTOPボタンを押すまで、動画撮影を続けてくれる。Cycloramicの値段は85円だ。

 

https://itunes.apple.com/jp/app/cycloramic/id587578368?mt=8 

 

iPhone 5 automatically rotates using Cycloramic App.

 

 

 

 

 

 

 

 

 


芸能界とかけて、オレオレ詐欺とトク、そのココロは(ギャラの為なら自分のファンも騙します)

2013-01-08 | Weblog

ほしのあきは30万円 芸能人「ステマ」ギャラ一覧を入手(GENDAI)

 ほしのあきが関与していた「ペニオク詐欺」。あたかも、ネットオークションで商品を落札したかのようなニセの情報をブログに書き込み、バイト代30万円を受け取っていた。

 このように消費者に広告と分からないように宣伝する「ステルスマーケティング」に協力しているタレントは山ほどいる。日刊ゲンダイ本紙は50人以上の芸能人が掲載されたギャラ一覧表を入手した。実在する広告代理店が作成したもので、タレントと料金がセットになっているのが特徴。〈読者モデル〉〈テレビタレント〉〈小悪魔アゲハモデル〉などと分類されている。

「ギャラは必ずしもタレントの人気や費用対効果に比例しているわけではありません。タレントさん側との交渉でなんとなく決まります」(関係者)

 例えば熊田曜子がブログに1回書き込みをすると、50万円の“ギャラ”(掲載料)が発生する。トップは吉川ひなの120万円。小森純110万円、辺見えみり100万円……。もちろん一覧表は広告代理店側が営業用につけた“ギャラ”であって、必ずしも全員がステマに協力しているわけではない。

<芸能界も不況のあおりを受け…>

 ステマがはやっているのは芸能界が不況だからだ。
「去年自殺した上原美優は、『月給15万円』と報じられました。若いタレントは顔が売れていても安月給のケースが多く、若いマネジャーも手取り月給は20万円以下でコキ使われている。そこで事務所には内緒で、ステマみたいなバイトに励み、マネジャーとタレントで小遣いを山分けするのです」(芸能プロ関係者)

 ステマのメーンターゲットはダイエットやファッションに興味がある20代の女性。人気モデルが「このコスメいいよ!」とか書いてあるのは、ほとんどが広告と思った方がいい。

【1回あたりの書き込み料金】
◆熊田曜子/50万円
◆吉川ひなの/120万円
◆辺見えみり/100万円
◆あびる優/58万円
◆佐田真由美/100万円
◆上原さくら/65万円
◆住谷杏奈/70万円
◆小森純/110万円
◆鈴木奈々/90万円
◆misono/80万円
◆安西ひろこ/30万円
◆仁科仁美/5万円
◆川村ひかる/10万円

 

関連記事:

1.各局「ペニオク芸能人使うな」通達 (NEWSポスト)

お小遣い稼ぎの代償はあまりにも大きかった――インターネット競売『ペニーオークションサイト』の詐欺事件の余波は、まだまだ続いている。

 ペニオクを自身のブログで勧めた小森純が、12月27日にブログ閉鎖を報告。「落札した」とウソの記事を投稿したほかの芸能人も、これからさらなる窮地に追い込まれていくという。事件に対する、テレビ界の反応を業界関係者が明かす。

「選挙もあったし、年末に入ったことで世間では忘れ去られつつありますが、現場はそうもいきません。警察に事情聴取をされた松金よう子はもちろん、ブログで宣伝したほしのあき、ピース綾部、熊田曜子、小森純、永井大は今後、徐々にテレビの露出度が減っていくはずです。なぜなら、各局とも上層部から『ペニーオークションに関わった芸能人は使うな』と通達が出ているからです。

 レギュラー番組の出演を取りやめさせるのは、局としても代償が大きいので、難しいでしょうが、準レギュラーや新しい仕事は激減するでしょう。犯罪に加担したと取られる行為をしているわけですから当然ですし、テレビ局としてはなによりスポンサーに対して、彼らを使う理由が説明できない。そこまでのリスクを負う意味がないし、正直なところ、代わりはいくらでもいるわけですから」

 なかには、知人に頼まれ、人の良さから宣伝してしまった芸能人もいるかもしれない。だが、断る勇気とウソはいけないという信念、そして何より物事の善悪をきちんと見極める目を持つべきであった。

2.ペニオク詐欺事件「芸能人に宣伝依頼」会社役員を起訴 (ASAHI)

 インターネット競売「ペニーオークション」をめぐる詐欺事件で、インターネット関連会社役員の鈴木隆介容疑者(30)=大阪市中央区=が「芸能人にペニオクサイトをブログで宣伝するよう、知人を介して頼んだ」と供述していることが、捜査関係者への取材でわかった。京都地検は28日、鈴木容疑者ら4人を詐欺罪で起訴した。

 起訴状によると、4人は共謀して1~7月、実際は一般入札者が落札出来ない競売サイトを運営し、4人から入札手数料計3万3750円を詐取したとされる。サイトには「最大99%オフ」「激安価格で落札出来る」と記載していた。

 捜査関係者によると、鈴木容疑者はサイト運営側のトップ。2010年秋ごろ、知人を介してグラビアアイドル松金ようこさん(30)にサイトの宣伝を依頼。タレントほしのあきさん(35)ら複数の芸能人が虚偽の内容の書き込みをして宣伝していたことが発覚している。

芸能界とかけて、沢田研二とトク、そのココロは(自分の言葉で歌いたい)

2013-01-07 | Weblog

 

本ブログ管理人から一言:

1960年代後半に大人気だったグループサウンズ「ザ・タイガース」が、44年ぶりに再結成される。

沢田研二(64)、加橋かつみ(64)、岸部一徳(当時修三、65)、森本太郎(66)、それに瞳みのる(66)のオリジナルメンバー5人衆がファンのもとに戻ってくるという。

ザ・タイガースのメンバーも60代なら、彼らのファンも定年を迎えたべビィブーマー世代がほとんどだ。

やはり、英国にも1963年のレコードデビュー以来、現役でがんばっているロックバンドの大御所がいる。ローリング・ストーンズだ。ボーカル担当のミック・ジャガーは今年で70歳だ。

こちらはベビーブーマー世代からその子供達のジェネレーションX、そしてその孫達のジェネレーションYまでと、ファン層が広い。自分の言葉(歌曲)で社会にメッセージを与え続けていることが、世代を超えて共鳴させるためだ。

いまだ日本では、ミュージシャンなど芸能人が、自分の言葉で自由に発言することがご法度だ。そんな芸能界あって、沢田研二は目覚めたようである。この衆院選では、原発反対を掲げた東京8区の山本太郎候補者を応援するために、荻窪駅前に駆けつけ街頭演説をおこなっている。

----------以下に記事引用。

 

ザ・特集:沢田研二さんに会いに行く 「震災」「脱原発」への思い 自分の言葉で歌いたい MAINICHI

骨のある生き方って何だろう−−。東日本大震災後、時折そんなことを考える。あるコンサートに足を運んでから、歌手のジュリー、沢田研二さんに聞いてみたくなった。今、何を考えていますか。【太田阿利佐】

 ◇売れなくなって考えた 何が一番大事なのか ちゃんと言わないと恥ずかしい

 ◇立ち直っていない人、きっと多い 「頑張らなくていい」「大丈夫」言い合える曲、作りたかった

 舞台には、黒いタキシードのジュリーが汗を光らせて立っていた。昨年12月23日、パシフィコ横浜・国立大ホールでのコンサート。ザ・タイガースのメンバー、瞳みのるさん、森本太郎さん、岸部一徳さんが加わったツアーで、若い頃より太ったジュリーは、おなかの肉をつまんで「あげるよー」とメンバーに投げつけるふりをしたりしながら、「僕のマリー」など代表曲を次々披露。会場の“元若者たち”もすごく楽しそうだ。

 一方、ロビーでは「さようなら原発1000万人署名」が行われていた。作家・大江健三郎さんらによる脱原発を求める活動だ。女性たちが次々に署名していく。なんだか甘いマスクでダンディーなイメージが変わっていく……。

15日から4月半ばまで、東京、大阪、名古屋で上演される音楽劇「お嬢さんお手上げだ」。その稽古(けいこ)場を訪ねた。ジュリーは素顔のまま、アロハシャツ姿で、首にタオルを巻いて現れた。

 「ま、歌の仕事もそうなんですけど、僕は大体が積極的にやるっていうたちじゃないんです。でも脱原発は賛成なので、自分なりに何ができるかな、と。それも会場に来た人に『署名を』とお願いするのではなく、気が付いて賛同する人は署名すればいいし、そうでない人はやらなくていい。いろんな人がいていいんじゃないの、というのが僕のスタンスだから」

 淡々としている。でもこれだけではない。11日発売のCD「3月8日の雲」は、4曲すべて東日本大震災がテーマだ。

こんな目に遭うなんて情けない、胸がしぼむ、と歌うタイトル曲。みんな流されて君ひとりが残った……と始まる「恨まないよ」。頑張らなくていい、泣いていい、でも笑って生きていくしかないという「カガヤケイノチ」。そして、大ヒット「TOKIO」以上にポップなリズムで、この国は一体何を護(まも)るのか、バイバイ原発!と繰り返す「F・A・P・P」(フクシマ・アトミック・パワー・プラント、福島原発の意味)。すべてジュリーの作詞だ。しかも「がんばろう」も「絆」も出てこない。

 「危険なふたり」「勝手にしやがれ」……。調査会社オリコンによると、1968年からの20年、最も多くのシングルレコードを売り上げたのは美空ひばりさんでも山口百恵さんでもなく、ジュリーだ。

 ブンブン売れていた頃、多くを人にまかせていた。曲のイメージも、派手な衣装も。阿久悠さんのカッコいい歌詞は「実は好きじゃなかった」という。

 「売れている時はそれでもいい。売れなくなって真剣に考えるようになるんだよね」

 30代半ば、ヒットが減っていく。「でもみんなが言うの。『ジュリーは派手でいくべきだ』。本人がもう無理無理って思っているのに」

85年に大手プロから独立してからも10年近く迷い続けた。「資金もないし、セットとかいろんなことを削って削って、結局何が一番大事なのかとなった時、思った。売れる売れないはもう違う。やっぱり『あいつはちゃんと考えている』と思われないと応援する気にならないよな、と」。コンサートに回帰した。嫌いな曲はもう歌わない。08年、東京ドームで約3万人を集めて「人間60年 ジュリー祭り」を開催。憲法9条を守ろうとの思いを込めた「我が窮状」も発表した。

 それにしても、大震災という生々しい出来事を歌うのには、ある意味、勇気がいる。

 「いや、こっちに邪気がなかったら大丈夫なんです。これで売れたいとか下心があったら『被災者の気持ちじゃない』と言われたら困るけど、下心がなければ『いや、これ僕の気持ちなんだもの』って。それで十分じゃないですか」

 あっさり、そう返された。

「テレビや新聞には、元気で、前向きな被災地の方々が出てくるでしょう。けなげだし立派だけれど、一人になったら泣いているんじゃないかな、と思う。立ち直っていない人の方がきっと多い。でも立ち直れないまま、自分のやるべきことを黙々とやっている、そういう人も多いでしょう。だって、昔から人間はそうやって生きてきたから」

 だから「頑張ろう」ではなく、被災した人もそうでない人も「きっと大丈夫」「こういう気持ちだよね」と言い合えるような曲を作りたかった。

 CDのタイトルは自分の体験からだ。昨年3月8日、空の雲を見て写真に撮った。3日後に大震災とは夢にも思わずに。誰もがそうだったよね……そんな思いを込めた。

 それでももう一度、聞いた。被災地の人が聴いてどう感じるか、怖くないですか。

 「もちろん怖さはあるけど、それはどんな歌でも同じでしょう。一緒に頑張ろうという曲だって嫌な人はいる。ただ、みんな絶対、わざわざ原発の歌なんて作らないでしょうね」

アハハハハ、と大笑いしてから続けた。「結局、自分の言葉じゃないと歌えなくなったんですね。古い曲もヒット曲も歌う。でも新しい曲は自分の気持ちを、自分の方法で歌わないと、純度が下がる」

 どきん、とした。あなたはあなたの言葉で記事を書いている?と問われたようで。

 インタビューの間中、ジュリーは首のタオルを取らなかった。まるで、かつてのようにカッコいいヒーローとして派手に書かないでくれ……そう言っているみたいだ。

 79年公開の映画「太陽を盗んだ男」。ジュリーは、原発からプルトニウムを盗み原爆をつくって政府を脅迫する理科教師を演じた。原発には当時から関心が?

 「9条も含めて、売れている頃は、そういうことは考えないようにしていました。考えて何かしようとしても、きっと周囲が止めると分かっていたから。でも、こんな年齢になったから、ちゃんと言っていかないと恥ずかしいよね。集会やデモの先頭に立って、ではないけど。だって自分に無理のない方法でやらないとしんどいでしょう。だから俳優の山本太郎くんと仕事がしたい。脱原発を主張していてつらいと思うから」

横浜のコンサートで、歌った1曲「怒りの鐘を鳴らせ」にこんな一節があった。

 ♪目をさませ いくじなし お前が やるのだ

 還暦を過ぎ、タオルを巻いてても、この人はカッコいい。多分、若い頃よりも。

 

関連ブログ:

2012年01月01日 芸能界とかけて、なんとトク、そのココロは(?)

2012年12月15日 [衆院選] 山本太郎候補 (東京8区石原親子と戦う) #4


[政治] おかしなメディアの世論調査(支持するはほんとう?)

2013-01-04 | Weblog

本ブログ管理人から一言:いつであったか、海外の新聞に「日本メディアの世論調査はおかしい」という記事がでていた。確かにおかしい。まず、過去10年の間に、日替わり弁当のように、ほぼ毎年毎年、首相が変わる国も日本ぐらいだろうし、また発足ホヤホヤで何らの実績もあげていない新内閣について、「あなたは支持しますか」と質問し答えさせる国も日本ぐらいのものだ。ましてや、新聞各社が独自に調査を実施しており、証券の格付機関のような中立の第三者機関が世論調査したものではない。今時の日本の新聞(とくに産経)は、お気に入りの政党の応援団で、互いの利害関係の中で背もたれしており、調査結果に納得がいくものではない。

-----------以下に記事を引用

内閣支持率:世論調査 「無関心」反映、各社で差 重ね聞きも影響(MAINICHI) 

 第2次安倍内閣発足を受けた報道各社の世論調査が発表されたが、報道機関によって内閣支持率に差が生じた。最も高い読売新聞(65%)と最も低い毎日新聞(52%)とでは13ポイントの幅があった。毎日新聞の内閣支持率は、質問の仕方から他社より低く出る傾向がある。内閣の評価が定まっていない段階だったため、よりその傾向が強く出たとみられる。

 毎日新聞は、内閣への支持・不支持を聞く場合、「支持する」「支持しない」に加えて「関心がない」という選択肢がある。この3択方式は、1969年の第2次佐藤内閣からで、以来継続して「無関心層」を調べている。

 今回、「関心がない」と答えた人は21%で、他社の「その他・無回答」より高くなった。不支持率のばらつきは各社でそれほど大きくないため、支持か不支持を決められない人の多くが「関心がない」を選び、毎日新聞の調査では相対的に支持率が下がったとみられる。これは、今回の衆院選が戦後最低の投票率だったことと矛盾しない。

 ちなみに、民主党政権が誕生した09年の前回衆院選後の世論調査では、鳩山内閣の支持率は77%で、「関心がない」は9%にとどまっていた。

 このほか、「重ね聞き」をするかしないかの違いもある。「支持する」か「支持しないか」の質問にはっきり答えず、考え込んでいる対象者に、「強いて選ぶとすれば」や「気持ちに近い方は」と問いかけて、どちらかを選ぶように促す調査方式だ。毎日新聞は採用していないが、無回答をできるだけ減らすために採用している報道機関もある。こうした聞き方の違いも、支持率に差が生じた要因の一つとみられる。


安倍政権発足、竹中平蔵の内定で官邸、霞が関は大揺れ

2013-01-02 | Weblog

 

本ブログ管理人の一言:

安倍政権下で新設された産業競争力会議の委員に、慶大教授竹中平蔵が内定した。この内定はまことに奇妙だ。一言でいえば、成長戦略の安倍が構造改革の竹中をスカウトしたことになるからだ。それも、竹中は橋下の維新のアドバイザーでもある。

竹中の政策スタンスは小さな政府だ。小泉政権下で郵政事業を民間に払い下げるために解体を断行した。一方の安倍は成長戦略を掲げる。それが証拠に日銀の金融緩和を求める発言を繰り返してきた。そして首相に就くと、総裁人事も含めた日銀法改正をチラつかせて気の弱い日銀総裁を脅し、デフレ脱却へ向け2%の物価上昇率を目標とした政策協定に同意させてしまった。

これで日銀の独立性は失われ、時の政権安倍の財政ファイナンスブローカーに成り下がってしまった。いずれにしろ、経済にド素人の安倍は、竹中を起用したことで、政策の違いばかりでなく、竹中と過去にしがらみをもつ安倍政権中枢の人物達(特に麻生)との火種をかかえることになった。

-------------以下、新聞から引用。

麻生・飯島氏らが「包囲網」

 「竹中氏は日本維新の会の衆院選候補者選定委員長だった。登用すれば、消費税増税の3党合意を結んだ民主党を首相が切り捨て、維新と連携するというメッセージになりかねません」

 政権発足から一夜明けた12月27日。安倍は元首相の小泉純一郎の腹心で、内閣参与としてやはり「再登板」させた飯島勲のこんな進言に耳を傾けた。竹中は小泉の下で経済財政諮問会議を切り回す担当相を務め、「首相の決断」を演出した。安倍はその諮問会議を再起動。議論をリードする民間議員として竹中に白羽の矢を立てたが、飯島は政治的リスクを指摘した。

 副総理・財務・金融相の麻生太郎も、安倍の竹中起用の意向を知って驚がくした。話は2005年に遡る。小泉が推進した郵政民営化を巡り、小泉に忠実に仕えた竹中と、郵政事業を所管する総務相だった麻生は鋭く対立。小泉は「郵政解散」後の衆院選で圧勝すると、竹中を総務相に据えて民営化の完遂を命じた。麻生は外相に横滑りさせる形で事実上、更迭したのである。

積極財政論者の麻生と小さな政府論者の竹中は今も水と油。麻生は安倍を止めにかかった。新設の経済再生相で、諮問会議を担当する甘利明も麻生に加勢したが、安倍は説得を振り切ろうとした。最後に動いたのは、小泉政権でやはり竹中と反りが合わなかった飯島だった。思わぬ「反竹中包囲網」に安倍は渋々、マクロ政策を動かす諮問会議への登用だけはあきらめた。予算編成に竹中が口を出すのを危ぶんだ財務省も安堵した。

政権中枢に亀裂の芽

 「私は竹中氏はいいと思っている。発信力は抜群だし、国際的な人脈も相当なものだ。維新とのパイプだって大事ではないか。民間議員に迎えるだけのことでなぜ大騒ぎをするのか」

 官邸内でこう安倍と竹中の擁護に回って見せたのは官房長官の菅義偉だけだ。政権中枢を形作る安倍―麻生―菅―甘利のカルテット。かつて第1次安倍内閣と麻生内閣でも屋台骨を支え合った盟友関係だ。9月の自民党総裁選から組閣までぴったり呼吸を合わせてきたが、権力を奪取した矢先に「竹中平蔵」というまさかの亀裂の芽を抱え込んだ。この含意は存外に深い。

 「内閣の総力を挙げて、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略、この三本の矢で経済政策を力強く進めて結果を出していく」

安倍は26日の記者会見で経済政策の「三本の矢」を強調して見せた。竹中が安倍に助言してきたのも三本柱だが、微妙に換骨奪胎されている。

「成長戦略」か「構造改革」か

 金融政策はインフレ目標2%の緩和路線で一致するが、財政政策で竹中は「短期的に出動するが、中長期的な財政の信認回復と一体で」と指摘。民間投資につながるのは「成長戦略」ではなくいて一線を画す。

 実は竹中は小泉の下で「成長戦略」を策定したことはない。「官から民へ」を旗印に郵政などの民営化路線を進め、規制改革や改革特区に力を注いで「構造改革」を名乗った。当時、竹中を支えた1人が菅だ。今の自民党で「構造改革」は死語に近い。政府が補助金や税の減免で特定分野の産業を戦略的に育てるターゲティングポリシー型の「成長戦略」が好まれがちだ。

 竹中が参画するのは、内閣に新設した日本経済再生本部の中核になる産業競争力会議。元経済産業相の甘利が司令塔役だ。「新しいターゲティングポリシーで国家プロジェクトを次々に創る」と政府主導の「成長戦略」の旗を振る。同本部を発案したのが経産官僚なら、事務局の切り盛りを狙うのも経産省だ。

「安倍氏の頼みなら、受ければいい。有識者として会議で正論を述べればいいじゃないか。その正論を採り入れるかどうかは政治が判断することだから」

 「再登板」の是非を相談に出向いた竹中に、小泉はこうお墨付きを与えた。「第2次安倍内閣はこのままでは『経産官僚内閣』と化すのではないか」と周辺に漏らす竹中。規制改革や法人税減税などの「構造改革」で論陣を張れば、「成長戦略」との路線対立が表面化しかねない。小泉政権で竹中諮問会議に経産省は冷ややかだった。攻守ところを入れ替えた「再戦」だ。

危ういが魅力的な維新人脈

 竹中は維新代表代行の橋下徹とホットラインを構築している。年の瀬にも大阪市に姿を見せた。衆院選で橋下とみんなの党代表の渡辺喜美は候補者調整や政策を巡って大同団結できそうでできなかった。両者に「第三極新党」へ合併せよと最後まで説き続けたのは竹中である。竹中と橋下維新、みんなの党は既得権打破につなげる「構造改革」の路線で通じあう面がある。

 衆院は自民、公明両党の連立で3分の2を超えるが、参院で過半数に届かない。衆院で3分の2以上による再可決で法案は成立するが、日銀総裁などの国会同意人事は参院の可決も必須。民主党と協調するか、みんなの党や維新、新党改革などと連携するかの選択だ。菅が秋波を送り、飯島が警戒する竹中の人脈。安倍にとって危ういが引かれる「劇薬」なのだ。(引用終わり)

 関連記事追加:

成長戦略担う「産業競争力会議」 竹中平蔵氏ら内定

 ASAHI 1/5/2013

 安倍内閣は、成長戦略づくりを担う新設の「産業競争力会議」のメンバーに、慶応大の竹中平蔵教授や、みずほフィナンシャルグループの佐藤康博社長らを充てる人事を固めた。今月中に立ち上げ、6月までに成長戦略をまとめる。

 産業競争力会議は、安倍晋三首相を本部長とする「日本経済再生本部」のもとに置かれる。10人程度の民間有識者と、関係省庁の幹部で構成する予定だ。安倍首相はすでに、楽天の三木谷浩史会長兼社長を起用する方針を明らかにしている。

 また安倍内閣は、今年度補正予算案などの経済対策について、今月8日に日本経済再生本部を、9日に経済財政諮問会議をそれぞれ開き、議論する。

 


[日本一] 2012年度 優秀記事ベストスリーの発表(若い世代ほか)

2013-01-02 | Weblog

昨年メディアが報道したなかで、本ブログの管理人が選んだベスト・スリーの記事を掲載(引用)。

すべて石原慎太郎に関するものだ。詳しく説明するまでもなく、この男、昨年4月渡米先の極右派政治シンクタンク主催の席で、突然に尖閣購入を宣言。

これが引き金(火種)となって、日本の外交や経済に計り知れないダメージを引き起こした。そのうえ、尖閣購入資金のためという名目で寄付金の呼びかけまでもおこなった。

最優秀賞の大学生は、今、日本人が一番にやらねばならないことは尖閣購入ではなく、東日本の復興をみんなで協力して後押しすることだと、あまりにも移り気の激しい日本人に問い直している。率直で心を打つ若者の声だ。

次点の日刊ゲンダイは、大手メディアが自分たちのお気に入り政党側(とくに産経や読売はこの傾向が強い、最近では日経も右よりぎみで、中立は東京や毎日の各新聞ぐらいか)について、ただ記事を垂れ流しているなかで、週刊誌ながら唯一意見を述べしっかりした記事をかいている。石原の寄付の呼びかけについては、早い段階から詐欺(ペテン)にあたることを日本人に警告していた唯一のメディアだった。

最後の大前の記事は、石原という男のこれまでの仕事ぶりが、いかに国民や都民を欺き、いかに成果を伴わない、いい加減なものだったかを、コンサルタントとしての鋭いめをつうじて批判している。ただし、大前は原発推進派である。

 

最優秀(羽子板)賞:

尖閣諸島購入に寄付金は疑問

2012.5.5 朝日新聞声欄「若い世代」 投稿:大学生高野明日香21歳

東京都が尖閣諸島の購入に向け、寄付金の受け皿となる専用口座を開設したそうです。違和感を感じたのは私だけでしょうか。

今でも多くの方が震災の影響で元の生活に戻れない苦労をなさってます。そんな時に出た石原慎太郎・東京都知事の尖閣諸島購入の発言。そして寄せられた賛同する意見。

私は尖閣諸島が日本の領土だと主張することは必要だと思います。そのための石原都知事の行動も、少々大胆ですが必要だと思います。ただ、果たして今、私たちがお金を出してまで購入しなければならないのでしょうか。

日本人はどうも、時間が過ぎるとすぐ新しいものに飛びつく傾向があるような気がします。

東日本大震災発生直後に多く集められた寄付金ですが、1年以上経った今、寄付をする人は一体どれぐらいいるでしょうか。

あまりにも短い周期で移りゆくブームのように、今も続く被災者の苦労すら既に忘れ去られてはいませんか。

 

 

 

次点(獅子舞賞):

石原〝尖閣サギ〟証拠発見/尖閣購入カネ集めの危うさ

2012.7.11掲載 日刊ゲンダイ

この一文が「詐欺まがい」の動かぬ証拠!?

<“第2のAIJ”になりかねないぞ>

「乱暴というか拙速というか、粗雑だよな。民主党も支離滅裂。多分、人気稼ぎなんだろうね」

 東京都の石原慎太郎知事(79)が仏頂ヅラだ。尖閣諸島の国有化に音無しの構えだった野田内閣が一転、「買う」と言い出したことに猛反発。自分の頭越しに地権者側と交渉を進めたことにも「野田は黙って見ていろ」とカンカンだった。

 石原にすれば“オレの手柄を横取りしようとするな”という気持ちだろうが、「手柄」を奪われると、厄介な問題も生じかねない。

 都が尖閣購入のために募っている寄付金の存在だ。都は石原の肝いりで4月末に「尖閣諸島寄付金口座」を開設。すでに9万819件、総額13億4146万円(9日現在)もの莫大なカネが寄せられている。

 今のところ地権者側は国への売却に難色を示しているが、万が一、都に先駆けて国が尖閣を購入すると、巨額の寄付金が宙に浮いてしまう。返金しようにも、「都の口座に現金を直接、振り込まれるケースも多く、寄付した全員の捕捉は困難」(知事本局・尖閣諸島寄付担当課長)というから、どうしようもない。

 担当課長は「知事との信頼に基づいて集めたお金です。あくまで購入に活用することしか考えていません。今後の経緯を見守って下さい」と“最悪の事態”を想定していないかのように振る舞うが、都の寄付金募集サイトにはズルイ一文が盛り込まれている。

 〈この寄付金は「負担付きの寄付」として受けるものではありません〉一体どんな意味を持つ文言なのか。地方行政に詳しい立正大教授の金子勝氏はこう言った。

 「『負担付き寄付』とは、自治体が税金以外のお金を住民から集める場合、特定の目的に使うことを前提に認めたルールです。寄付金を担保するため、地方議会の議決を要する、と地方自治法は定めています。目的を失えば寄付は無効で返還の義務がありますが、逆に『負担付き寄付』でなければお構いなし。寄付金を別の目的に流用しても、法的にはとがめられません。今回の寄付は“オレが集めたカネをどう使おうがオレの勝手だ”と、石原知事に解釈されてしまう恐れがあるのです」

 今から流用の布石を打っているなんて、まるで「サギまがい」だ。

 尖閣購入が果たせなかった場合、石原は寄付金をどうする気なのか。AIJの浅川社長のように「だますつもりはなかった」と開き直るのか。

 

次点(凧揚げ賞):

石原新党には期待できない知事を真面目にやっていなかった

2012.11.04 ZAKZAKニュース時評 掲載:起業家 大前研一

 結局、石原慎太郎・前東京都知事は新党を結成して何をやりたいのか? 私は冷ややかに見ている。

 25年間の国会議員在職も含め、40年近く政治の中枢にいたのに、今ごろになって「やり残したことがある」と言われても困ってしまう。「中央官僚の支配を変える」と鼻息も荒いが、何か秘策があるのだろうか。そんな秘策があるんだったら大臣だったころにやってくれよ、と言いたい。

 「国の官僚が言うことをきかず、都がやろうとすることに対して、邪魔ばかりする」と怒っていたが、大阪市の橋下徹市長は大阪都構想で国に言うことをきかせたではないか。やろうと思ったら、都知事でもできたはずだ。

 この国をどういうふうにしたいかということについても、「戦前の夢よ、もう一度」みたいなことしか語っていない。これでは近隣諸国ともめることは間違いない。この人はキツイことを言って相手が興奮するのを楽しむというところがある。

 ナショナリストというのは、国を良くしてよその国から尊敬されるようなことをする人のことを言う。結果として、近隣諸国からどんどん憎まれて、国民を緊張させて、企業も損害を受ける。この人は国を良くする考えを本当に持っているのだろうか。

 無責任に自分の思うことを語るのは勝手だが、リーダーになってもまだ、「隣国との関係なんかどうでもいい」とか「日本人はだらしねぇ。いざとなったら戦争も辞さず」なんてことを言い出したら、国民には大迷惑だと思う。

 昨年の都知事選に際しては神奈川県の松沢成文前知事をスカウトした。松沢氏も知事を途中で辞職してその準備をしていたが、東国原氏が突然立候補して形勢不利となったので、「オレはあと2年だけやる。だから、あんた悪いけど今回は引っ込んで、その後にやってくれないか」という密約で松沢氏にあきらめさせた、と聞いている。

 しかし今回、松沢さんには声をかけていないようだ。一方、「猪瀬直樹副知事は優秀な人」とも語っている。マスコミはこれを「後継指名」と捉えているようだが、自民党の中には「自民党総裁選に惨敗して総理の目がなくなった長男の伸晃前幹事長を都知事にさせるため、今回、このタイミングで都知事を辞任した」と思っている議員も少なからずいる。

 後継が不明確なのは、実はこの人の取り巻きの中に、「オリンピック」と「築地」という2つの利権を支配したいと考える人たちがいるからだ。つまり、院政のきかない人が後継者になると困る輩がうごめいているのだ。

 都知事時代、この人は週に2-3日程度しか都庁に行っていなかった。それは1期目からで、もともとこの人は知事を真面目にやっていなかったのだ。

 それより何より、今の中国との険悪な関係は、すべてこの人が原因だ。しかもそれは、個人の趣味と主義主張で尖閣というパンドラの箱を開けたからだ。都知事本来の仕事とは何の関係もないことをやって、日本企業が現実に中国で死ぬ苦しみを味わっている元凶を作った。

 「衆院議員になって最後のご奉公」というのなら、何をもってご奉公と考えているのか国民の前に明らかにすべきだ。都知事として「最後のご奉公」をせずに途中でほうり投げておいて、橋下市長と中央官僚退治の「第3極」形成もないだろう。マスコミも、もう少し真贋鑑定してから媒体に流してほ

 

補足。大前研一、福岡県出身。早稲田大学理工学部卒業。東京工業大学大学院原子核工学科修士課程修了後、米マサチューセッツ工科大学原子力工学科博士課程に留学しPh.D取得。米帰国後、日立製作所入社し高速増殖炉の設計に携わるが、退社し、経営コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社へ転職。支社長、アジア太平洋支局長、日本法人会長を歴任後に独立。1992年、新自由主義を標榜する政策提言型市民団体「平成維新の会」を設立し、同会代表に就任。翌年、「新・薩長連合結成宣言」を発表。知事連盟構想を掲げて1995年東京都知事選挙に立候補したが落選。第17回参議院議員通常選挙に比例区から、平成維新の会公認で出馬し落選。この選挙の際、ユダヤの手先説を始め、フリーメイソン、統一教会、勝共連合、半島出身説等、数々の誹謗中傷が流布された。統一教会説は、当時衆議院議員だった石原慎太郎が自由民主党の総務会で発言したものだが、大前が石原を問い詰めたところ、石原は「いや、そういう噂があるから調べとけ、と言っただけだ。自分がそう思っているわけではない。自分も最初のときは世話になったこともある」と答えたという。大阪維新の会の橋下徹の個人的な助言などをしている。橋下徹が推進する発送電分離や道州制は大前研一の案である。また、大阪維新の会の命名は、橋下徹が大前の許可をもらっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2013年元旦、年のはじめに考える・人間中心主義を貫く(東京新聞から)

2013-01-01 | Weblog

 

 2013年元旦

 中立系東京新聞の社説「年のはじめに考える 人間中心主義を貫く」を掲載しておきます。

 

安倍自民党政権が船出しました。近隣に朴槿恵韓国大統領と習近平中国総書記。多難を思わせますが、新しい年を人間中心主義の始まりに-が願いです。

 多くの国民の要請でしょう、安倍晋三首相の最優先政策は経済再生でした。しかし、経済はだれのためのものか、それが問題です。

 本紙が「新しい人間中心主義」を訴えたのは、第一次安倍内閣の二〇〇七年の元旦社説でした。

◆若者、働く者に希望を

 〇二年からの「いざなみ景気」は「戦後最長の景気拡大」や「企業空前の高収益」とはうらはらに非正規雇用やワーキングプアを急増させ、死語だった「貧困」を復活させました。収益は労働者に配分されず、企業に内部留保されたり、株式配当に回ったのです。経済は大企業や富裕層のものだったのです。

 七十三カ月のいざなみ景気はジョブレス・リカバリー。賃金は下がり続け、労働は長時間化、一九九〇年に八百七十万人(全雇用の20%)だった非正規雇用は千七百五十六万人(同34%)に膨れました。人間中心主義の訴えは空回りだったといえます。

 それでも経済は人間のためのもの。若者や働く者に希望を与えなければなりません。まず雇用、そして賃金。結婚し、子どもをもち家庭を築く、そんな当たり前の願いが叶(かな)わぬ国や社会に未来があるはずがありません。それゆえ人間中心主義が訴え続けられなければなりません。

 脱原発への決断は再生可能エネルギーへの大規模投資と大量雇用を見込めます。医療や福祉は国民が求めています。農業や観光も期待の分野。経済の再生と同時に人を大切にする社会とネットワークの構築が始まらなければ。

◆自然と共生する文明

 近代思想の研究家で評論家の松本健一さんが大震災後の東日本の海岸を歩き、復興のあり方を考えた「海岸線は語る」(ミシマ社)を著しています。その復興構想「ふるさと再生」に共感しました。

 松本さんは大震災当日の三月十一日は内閣官房参与として首相官邸四階にいました。一階の二百人の官僚たちは所属官庁の領域の対応に追われ、復興の全体構想を考える人物がだれもいなかったことから菅直人首相に復興ビジョン私案を提出しました。その二年前、「海岸線の歴史」(同)を出版、東北地方の海岸を調べていたことから私案が作成できたのです。

 松本さんによれば日本民族は民俗学の折口信夫のいう「海やまのあひだ」に住まいしてきた民族。海と山の豊かな自然が精神的細やかさや繊細な美的感覚を養い自然と共生する暮らしを選び続けてきたのですが、西欧近代思想を取り入れ発展するうちに自然と共に生きる日本人本来の思想を失ってしまった、というのです。

 西欧の近代は自然を制御、征服する思想。今回の大震災はその西欧の限界を示しました。巨大なコンクリートの人工堤防を簡単に破壊しました。人間は自然を制御できない。松本さんが復興を試みる「ふるさと」とは、人が生まれ、住み、死んでゆく人間存在の根の場所としてのふるさとです。

 近代思想や経済至上主義ではもう立ち行かない、自然と共生する文明のあり方を模索すべきではないかとも言います。近代文明を考え直す。そこに人間中心主義が連なっています。

 「外交問題の処理に最大の禁物は興奮と偏見である。公平を期する新聞でさえかなり不十分な報道をもって民間に無用の興奮をそそっている」

 これは一九三一(昭和六)年九月十八日の旧満州(中国東北部)・柳条湖事件を報じた新聞報道を批判した中央公論の巻頭言。現在の尖閣諸島や竹島の領土問題で新聞は冷静なのか、肝に銘ずべき切言です。

 日本の新聞の歴史で最も悔やまれ、汚名となっているのは満州事変を境にしてのその変節です。それまで軍を批判し監視の役割を果たしていた各紙が戦争拡大、翼賛へと論調を転換させたのです。国民を扇動していったのです。

 その中で時流におもねらず敢然と戦ったジャーナリストといえば東洋経済新報の石橋湛山でした。帝国主義の時代にあって朝鮮も台湾も満州も捨てろと説いた「一切を棄(す)つるの覚悟」や「大日本主義の幻想」は百年を経てなお輝く論説です。イデオロギーではない戦争否定の理念、ヒューマニズム、学ぶべきリベラリストでした。

◆非武装、非侵略の精神

 満州事変から熱狂の十五年戦争をへて日本は破局に至りました。三百万の多すぎる犠牲者を伴ってでした。湛山の非武装、非侵略の精神は日本国憲法の九条の戦争放棄に引き継がれたといえます。簡単には変えられません。

 

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原発維持方針 3・11をもう忘れたか 

3・11は世界を変えた。ところが第二次安倍政権。発足早々、何の議論もないままに、原発の早期再稼働はおろか、新増設にも含みを持たすとは。福島の被害は続くのに、もうあの衝撃を忘れたか。

 あまりにも乱暴すぎる転換だ。自民党は何ら変わってはいないのではないか、そう思われても仕方ない。

 言いたいことは三つある。

 一つ目は、世界有数の地震国日本に原子力を持ち込んで、五十基を超す原発を立地したのは、ほかならぬ自民党政権だったということだ。核のごみの後始末も考えないままに、である。

 自民党が進めた国策という土壌の中で原子力ムラが醸成され、安全神話が誕生し、福島の惨事につながったのではなかったか。

 福島の苦悩は終わっていない。多くの県民が仮設住宅で、二度目の新年を迎えることになる。

 半世紀以上に及ぶ自らの原子力推進政策への検証と反省もないうちに、拙速な再稼働を考えるのは危険であり、それこそ無責任ではないか。

 日本原子力発電敦賀原発は、原子力規制委員会が活断層の存在を確認し、大地震の影響を受ける恐れがあるとした場所だ。

 その敦賀原発にさえ増設の含みを残すとすれば、規制委員会の科学的判断と独立性を脅かす意図すらあるということか。

 次は、国民の多くは原発推進を支持していないという点だ。

 自民党は、先の衆院選には大勝した。しかし、原発の是非を争点にするのを避けたのか、公約では「再稼働の是非は三年以内に結論を出す」と言葉を濁し、推進を打ち出してはいない。国民の多数は原発推進を選択してはいない。

 一方、民主党の「二〇三〇年代原発ゼロ」は、各種世論調査でも国民の過半が支持した政策だ。それを軽々しく覆すことこそ、背信といえるだろう。

 三つ目は、いま強引な再稼働を企てる前に、現実的な方策を示せということだ。

 核のごみは行き場がなく、使用済み燃料を再利用する核燃サイクルもままならない。核不拡散など米国との交渉が必要というのなら、まず国民に向かって説明してほしい。危険と隣り合わせにいるのは国民なのである。

 福島事故の収拾、被災者の早期救済、あるいは自然エネルギーの開発促進はもとより、立地地域の新たな雇用創出などこそ、最優先されるべきではないか。

 

 


安倍内閣発足、元倫理教師が教え子にお灸(改憲の不道徳を正せ)

2013-01-01 | Weblog

 

 

 

 教え子・安倍君へ:「立場違う人を大事に」 元成蹊高教諭

 

首相として戦後2人目の再登板となった安倍晋三氏(58)は高校時代、日米安全保障条約に反対する先生に質問をぶつけ、「うろたえ」させたエピソードを著書の中で披露している。その先生は、安倍氏に倫理社会を教えていた青柳知義さん(73)=埼玉県狭山市。「彼が疑問をぶつけてくれたことには拍手を送りたい」と振り返りつつ、教え子にこんな言葉を贈る。「異質の思想や立場の違う人を大事にしてほしい」

 安倍氏は06年の著書「美しい国へ」で、成蹊高(東京都武蔵野市)時代、授業中に安保条約破棄の立場から話をした先生に「条約には日米間の経済協力がうたわれているがどう思うか」と質問したところ、その先生は「顔色がサッと変わり、不愉快な顔をして話題を変えた」とつづっている。詳細な理由には触れていないが、「先生のうろたえぶり」は「革新とか反権力を叫ぶ人たちのうさんくささ」を確信する決定的な出来事だったと記載している。

 70年安保の年に、安倍氏の入学と同時に同校に赴任した青柳さんは、1年生の安倍氏に週2回、倫理社会を教えていた。「特定の価値観を押しつけることは避けてきました。何かのきっかけで安保に触れ、彼がかみついたのだと思います。論破しては彼を傷つけることにもなるから、いなして済ませたのではないでしょうか」

 安倍氏が60年の新安保条約に調印した岸信介元首相の孫だとは当時知らなかった。「メンツをつぶされた気持ちはありません。彼が疑問をぶつけてくれたことには拍手を送りたい」と振り返る。安倍氏は放課後も青柳さんの研究室まで質問に来るまじめな生徒で、礼儀正しかったという。

 ただ、青柳さんは、安倍氏が「戦後レジーム(体制)の脱却」を主張し、憲法改正や自衛隊の「国防軍」化を目指す姿勢を心配する。憲法99条が国務大臣の憲法尊重義務を定めていることに触れ「成蹊を出た学生なら、首相が憲法に基づいて職責を果たさなければならないことを常識として知っているはず。日本の近代史を謙虚に学ぶべきです。沖縄の南部戦跡を訪ね、戦争の悲惨さに思いをいたして」と訴えた。そして、こう続けた。「国家が教育を管理したり、人の内面を問題視したりしてはならない。安倍君には健康に留意し、東北の全面復興に取り組んでほしい」

「日本の過去と率直に向き合う勇気をもってほしい」と安倍氏に訴えかける青柳知義さん=東京都千代田区で、青島顕撮影

「日本の過去と率直に向き合う勇気をもってほしい」と安倍氏に訴えかける青柳知義さん

 

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 識者が見る、安倍新政権

 

衆院選での大勝を受けて、安倍晋三政権が26日に発足した。07年9月に在任わずか1年で退陣して以来の再登板となる安倍さん、今回の政権運営はいかに。経済、外交など問題山積の難局を担うことになる内閣の顔ぶれをどう見るか、識者に聞いた。

◇     新味ないにもほどが−−漫画家・倉田真由美さん

1971年生まれ。一橋大学商学部卒。代表作に「だめんず・うぉ〜か〜」。テレビコメンテーターとしても活躍中。

 事前にいろいろ言われていた顔ぶれよりも無難な方向なのかな、という感想です。若い人はそれほど多くないし、女性閣僚を何人も起用するような報道がありましたが、ふたを開けてみたら結局2人だけでしたしね。

 沖縄・北方、科学技術担当で初入閣した山本一太さんは、テレビで何度かご一緒したことがあります。堅苦しくなくタレントみたいな感じですが、政治家としての印象は特にないなあ。安倍さんと近いから選ばれたんでしょうか。

 それにしても、麻生太郎さんが副総理兼財務相兼金融担当相なんて重要ポストなのは、どういうつもりでしょう。一度首相をやった人が再登板すること自体、賛否が分かれているのに、ナンバー2まで元首相というのは新味がないにもほどがある。首相当時は失言放言が多かったし、会社の人事だったらあり得ない。麻生さんの良さって何でしょうかね。高齢だから最後の花道とか、景気対策がうまくいかなかったときに責任を取ってもらいたいからなのか。

 全体に突っ込みどころを少なくしたつもりなのかもしれませんが、前回衆院選でノーを出されたことを踏まえて、新しい自民党になるという姿勢がうかがえない。今回の選挙戦でも民主党政権でうまくいかない点があったのを「だから言ったでしょ」と言わんばかりに、まるで私たち国民のミスみたいに主張していたけど、おかしいでしょう。自民党も3年前にダメだと言われたんです。謙虚になるべきですよ。

 DV(ドメスティックバイオレンス)の前カレと別れたら、新しいカレは働かないヒモだった、やっぱり前カレの方が−−なんて私の漫画みたいなことじゃダメです。私たち国民もその点を勘違いしないようにしないと。

◇     ほごにされた財金分離−−元首相秘書官・成田憲彦さん

1946年生まれ。国立国会図書館勤務を経て、細川護熙首相秘書官に就任。前駿河台大学長。現在、同大法学部教授(比較政治)。

 今度の内閣は、甘利明、下村博文、山本一太の3氏ら「お友達」、麻生太郎、谷垣禎一両氏ら「ビッグネーム」、茂木敏充、林芳正両氏ら「政策通」という三つの要素を組み合わせた布陣だ。前回の安倍内閣は「お友達」が目立って批判を受けたが、その反省とともに、党内融和や論功行賞を重視してつまずいた民主党政権の経験も参考にし、熟慮した形跡がうかがえる。党四役と併せて女性を多用し、無派閥や初入閣者の起用も目立つ。あえて言えば「自民党は変わった」と見せることに腐心した印象だ。

官房長官に起用された菅義偉(すがよしひで)氏は、衆院選直後の日本郵政の社長人事を「政権移行期に財務省出身者でたらい回しにするのは看過できない」と批判した。一方で首相政務秘書官には今井尚哉(たかや)・前資源エネルギー庁次長を充てるとしており、「威圧と懐柔」で官僚を使いこなそうとする方針が透けて見える点は、単純に官僚を排除しただけの初期の民主党政権との違いだ。

 麻生氏を副総理兼財務相兼金融担当相にしたのは、盟友であり経済・金融政策についての考えが近いからだろう。だが橋本行革以来の財金分離をほごにするのは、安倍氏の前のめりの金融政策、財政政策とともに日本経済にとってのリスクといえる。

 公明党の閣僚ポストを、同党からの要望通りに国土交通相にしたことも注目される。今後10年間に100兆円を投じるという公明党の「防災・減災ニューディール」に協力する意味があるが、実は総額200兆円というもっと大規模な自民党の国土強靱(きょうじん)化計画への批判の盾にする狙いがあるかもしれない。かつての自民党の公共事業のばらまきに先祖返りすれば、安倍内閣のアキレスけんになる恐れがある。

◇     総括なきセピア色内閣−−政治学者・薬師寺克行さん

1955年生まれ。元朝日新聞記者。月刊誌「論座」編集長や政治部長などを経て、東洋大社会学部教授(現代政治論)。

 今回の顔ぶれには政策通が目立つほか、前回の首相辞任後に安倍氏が親しかった人、お世話になった人が少なくない。例えば官邸人事。主要政策の多くを実質的に決定する内閣の中枢だけに注目していたが、官房長官に菅氏、官房副長官に加藤勝信と世耕弘成の両氏を配した。首相補佐官や秘書官らの人事を含めて安倍氏の人間関係重視の性格が浮き彫りになっている。

 最大の特徴は自民党への信頼が地に落ちた時期に首相だった安倍、福田康夫、麻生の3氏のうち2人が総理、副総理という内閣の中心にいることだ。総選挙で大勝したとはいえ、自民党は野党時代の3年間、なぜ国民の支持を失ったかの総括も党改革もしていない。この人事は「自民党は変わっていないのではないか」という疑念を国民に抱かせる。

 景気対策を軸に政策の着実な実行という意味では、麻生氏や、経済再生担当相に起用した甘利明氏らは頼りになる存在であり、安倍内閣のキーパーソンなのは間違いない。だが、かつての自民党政権時代のように「政官業のトライアングル」が復活するようなら国民は再びそっぽをむくだろう。甘利氏ら原発推進派が入閣しているが、再稼働問題は参院選後に先送りするのではないか。

気になるのは自民党が衆院選後の21日、まだ安倍氏が首相に選出されていないのに党の税制調査会を開き、13年度の税制改正議論を始めたことだ。税調は利益誘導政治の象徴であり、党主導の手法は古い自民党そのままだ。党の部会や総務会による事前審査制を見直す動きもない。内閣と党を含む統治システムは何も変わっていない。

 政治記者を長くやった私の目に映る安倍内閣はとても懐かしい「セピア色」だ。

 


芸能界とかけて、なんとトク、そのココロは(?)

2013-01-01 | Weblog

 

 

 

斉藤和義 ギターのストラップに反核メッセージ「核はもう終わりだ」

2012年12月31日の紅白歌合戦に歌手の斉藤和義さんが、「NUKE IS OVER(原子力は終わった)」のフレーズが書かれたギターストラップを付けて出演し、ネットでちょっとした話題となっている。

■「やりよるなあ」「問題にならないといいが…」

 今回が初の紅白出演となる斉藤さんは、演奏前の紹介で「何か場違い」な感じがすると静かな調子で答えた後、ドラマ主題歌にもなった「やさしくなりたい」を披露した。曲の歌詞は、原発とは全く関係のないものだったが、斉藤さんのギターのストラップに「NUKE IS OVER」と書いているのが、テレビ画面でも確認できた。

 斉藤さんはかねてから脱原発の立場をとっており、2011年4月に自身のヒット曲「ずっと好きだった」を替え歌にした脱原発ソング「ずっとウソだった」を自ら歌ってYouTubeにアップロードし、大きな話題を呼んだことがある。

 番組を見た視聴者らはツイッターで早速反応した。

「さりげないメッセージ。最高」「本当にスゴイよ。主張し続ける、ロック」と賛意を示す声の一方で、「こういうのはOKなんですかね。後で問題になったりしないといいけど」と疑問を呈する人もいる。

 なお、J-CASTニュースでは、「紅白歌合戦で『期待外れ』だった出演者」を紅組と白組を別々にワンクリック投票で聞いている。集計結果は、1月2日に紅白の舞台裏と合わせて紹介予定。

初出場の白組・斉藤和義(46)は、ギターのストラップに「NUKE IS OVER(核はもう終わりだ)」と反核のメッセージを書き込んでステージに立った。東日本大震災直後には、自身のヒット曲「ずっと好きだった」の替え歌で反原発の思いを込めた「ずっとウソだった」を歌い話題となっていた。このギターを弾きながら「やさしくなりたい」を熱唱。歌唱後は「楽しかったです」とのみ語った。

 

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2012年も終わりではないか。年末と言えば、レコード大賞に紅白歌合戦だ。音楽不況なる言葉があるにも関わらず、今年もこの2つの番組が放送される(一つは既に終了した)。そんな中、昨日のレコード大賞では「これが日本の音楽業界の現状です」という服部克久氏の発言が物議をかもした。

この発言について、年末に徒然なるままに考えてみることにする。これは、偽善だ。商業音楽に関わっている者が今さらそんなことを言わないで欲しい。ここ数年、年末になると盛り上がるのは「ランキングはAKB48と嵐だらけで、どうなのか」という問題である。これを根拠にして「日本の音楽シーンは腐っている」という議論がネット民を中心に起こる。

ただ、ちょっと待って欲しい。

そもそも、商業としての音楽なので売れてナンボの話である。だいたい、ヒットチャート上位が売れ筋以外だった試しは、ほぼない。昔で言えば「ザ・ベストテン」にランクインしても、「テレビでは自分を表現しきれない」などの理由で出演しなかった「アーチスト」と呼ばれる人も結局は商業音楽をやっているわけだ。売れることは偉いことである。この事実を虚心に直視しなければならない。

なかでもAKB48は投票券、握手券などをはじめとするおまけ商法、微妙に違うバージョン違いはどうだという話になるが、これもまたCDがあまり売れなくなった00年代に入ってから、やれDVDだ、ブックレットだと、おまけが「出血大サービス」とも言えるくらいついてくるわけで、別にAKB48だけの話ではない。売る努力をしているという点ではむしろ評価してもいいだろう。もちろん、「そこまでやるか」という話になるのだが。

人は誰かを推すために生きている。AKB48は推さざるを得ない存在なのである。

嵐にしても、ジャニーズ50周年の最終鬼畜兵器だと私は解釈している。高度なプロデュース力と、本人たちの努力の究極進化系だと思っている。そういえば、私が学生時代、商学部の講義でPPM(プロダクトポートフォリオマネジメント)について説明する際の事例が、ジャニーズ事務所だった。市場成長率と、相対的マーケットシェアが絶妙なバランスをとっており、金のなる木、花形製品、問題児、負け犬の分布が絶妙なのである。ビジネス誌では2050年がどんな世界になっているかの特集が組まれていたが、明らかに言えるのは、2050年に日本で、いやアジアで売れている男性タレントはジャニーズ事務所の所属だろう。

というわけで、AKB48と嵐という究極的に完成されたビジネスモデルは直視するべきなのだ。

そして、もう1つ。

AKB48と嵐ばかりという話になるが、この2つのアーチストが「シングル」で「圧倒的に売れている」という状況なのであって、音楽シーンは実に多様化している。

たしかに、シングル・チャートはAKB48(と、その姉妹グループ)と嵐だらけである。

だが、アルバム・チャートをみるとそうでもない。もちろん、大御所中心ではあるし、ユーミンと山下達郎、ミスチルのベスト版という禁じ手に近い最強鬼畜兵器もあるのだが。

ジャンルに関しても実に多様化していると言える。これは年間のチャートであるが、週間のチャートにおいてはより多様化している。例えば、私は幼い頃からメタルが好きだったが故に、肩身の狭い思いをして生きてきたのだが、日本のメタルバンドGALNERYUSがオリコンのアルバム・チャートでトップ10入りするなどの快挙を成し遂げている。

もちろん、トータルではAKB48や嵐ほど売れていなくて悔しいのだが、「圧倒的に売れている」アーチストと、そこまでではないが売れているアーチストの分化が起こっているわけである。

これはそれぞれのジャンルにおいてもそうだ。音楽雑誌の表紙を1年分、見てみると良い。ジャンル別の雑誌ですら、表紙を飾るのはそのジャンルで圧倒的に売れているアーチストにしがみついている。結果として古参バンドになることが多いのだけど。ちなみに、私はメタル雑誌BURRN!を愛読しているが、この1年間で表紙を飾ったアーチストの8割は20年以上のキャリアを誇るバンドたちだった。これもまた現実だ。

そもそも、低成長の時代である。音楽の楽しみ方も変わっている。ライブとソーシャルメディアでミュージシャンと触れ合う楽しみ方になってきている。ミュージシャンたちも最初からバカ売れしようと思っているわけではない。そこに希望を持っているわけではない。これもまた問題なのだけど。

というわけで、AKB48と嵐を今さら批判するのは偽善なのである。そして、音楽関係者なら、それを超えるアーチストを生み出してみろ、と。

もちろん、ロックが大好きな私としては彼らを打ち倒すようなバンドに出てきて欲しいと思っているのだけど。私自身、デスメタルバンドでボーカルをしている。まだ、ライブもレコーディングもままならない状態だが、いつかは紅白だと自分の中の中2が叫んでいる。

さて、今日は紅白歌合戦だ。朝まで生テレビ同様、この番組がいつまで続くのか激しく注目しているし、男女で争っている場合じゃなく、仲良くしろと言いたくなるわけだが。今年も勝負をかけた男女の骨肉の闘いが始まる。AKB48と嵐だけと揶揄される日本の音楽シーンだが、このラインナップをみて本気を感じた。この2つのグループ以外にも役者が揃っているではないか。

個人的には、もはや「クイーン・クイーン」に改名した方がいいくらい熟女化したプリンセス・プリンセスの狂い咲きと、とりをつとめる国民的グループ、実力派のいきものがかりに期待している。水野良樹は時代を代表するソングライターである。そもそも、いきものがかりは編成が昔のドリカムと一緒で、男性の方が多いのに紅組のトリだ。ただ、そんなことはどうでもいい。このグループが日本の音楽シーンの新しい扉を開くのだと信じている。

最後に、音楽は音を楽しむと書く。音で楽しむともいえる。AKB48と嵐だけと揶揄されるが、世界はロックで動いている。みんなが聴くべきグループはたくさんあるのだ。我々ファンも楽しむことをサボってはいけない。来年の音楽シーンの発展を祈ることにしよう。よいお年を!(文:常見 陽平)

 

 斉藤和義

(1966年6月22日生)、栃木県出身。日本のシンガーソングライター。O型。1992年にTBSのオーディション番組へ出演(5週勝ち抜き)した後、1993年に「僕の見たビートルズはTVの中」でデビュー。その後もCM曲などで知名度をあげ、ファン層を広げている。1995年に同年代の一般女性と結婚。現在一児の父親。

デビューから15年目の2007年から2008年にかけては一気に知名度が高まった。リクルート社『ゼクシィ』に作ったテレビCM曲「ウエディング・ソング」が話題になり、UHA味覚糖「e-maのど飴」のテレビCM曲に「愛に来て」が起用された。2008年5月からは、武田薬品工業の「アリナミン」CM曲を担当、ブランドCM曲「おつかれさまの国」と「どんなに頑張ってみても」のフレーズの商品CM曲「やぁ 無情」の2曲を提供。「やぁ 無情」は第50回日本レコード大賞優秀作品賞を受賞。

6月には所属事務所を「ロード&スカイ」に移籍。8月にリリースのシングルズ・ベスト『歌うたい15』はオリコンチャートで最高4位。2010年4月OAの資生堂「IN & ON」CMでは「ずっと好きだった」を提供。

2011年4月1日から、東日本大震災へのチャリティーライブ「斉藤和義 on USTREAM 『空に星が綺麗』」(SPEEDSTAR RECORDS公式Ustreamチャンネル)を5週続けて敢行。同時期に、日本の政府や原発保有電力会社を批判した曲「ずっとウソだった」(「ずっと好きだった」の替え歌)を斉藤本人が歌っている動画がYouTubeにアップロードされ、話題となった。