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安倍内閣発足、元倫理教師が教え子にお灸(改憲の不道徳を正せ)

2013-01-01 | Weblog

 

 

 

 教え子・安倍君へ:「立場違う人を大事に」 元成蹊高教諭

 

首相として戦後2人目の再登板となった安倍晋三氏(58)は高校時代、日米安全保障条約に反対する先生に質問をぶつけ、「うろたえ」させたエピソードを著書の中で披露している。その先生は、安倍氏に倫理社会を教えていた青柳知義さん(73)=埼玉県狭山市。「彼が疑問をぶつけてくれたことには拍手を送りたい」と振り返りつつ、教え子にこんな言葉を贈る。「異質の思想や立場の違う人を大事にしてほしい」

 安倍氏は06年の著書「美しい国へ」で、成蹊高(東京都武蔵野市)時代、授業中に安保条約破棄の立場から話をした先生に「条約には日米間の経済協力がうたわれているがどう思うか」と質問したところ、その先生は「顔色がサッと変わり、不愉快な顔をして話題を変えた」とつづっている。詳細な理由には触れていないが、「先生のうろたえぶり」は「革新とか反権力を叫ぶ人たちのうさんくささ」を確信する決定的な出来事だったと記載している。

 70年安保の年に、安倍氏の入学と同時に同校に赴任した青柳さんは、1年生の安倍氏に週2回、倫理社会を教えていた。「特定の価値観を押しつけることは避けてきました。何かのきっかけで安保に触れ、彼がかみついたのだと思います。論破しては彼を傷つけることにもなるから、いなして済ませたのではないでしょうか」

 安倍氏が60年の新安保条約に調印した岸信介元首相の孫だとは当時知らなかった。「メンツをつぶされた気持ちはありません。彼が疑問をぶつけてくれたことには拍手を送りたい」と振り返る。安倍氏は放課後も青柳さんの研究室まで質問に来るまじめな生徒で、礼儀正しかったという。

 ただ、青柳さんは、安倍氏が「戦後レジーム(体制)の脱却」を主張し、憲法改正や自衛隊の「国防軍」化を目指す姿勢を心配する。憲法99条が国務大臣の憲法尊重義務を定めていることに触れ「成蹊を出た学生なら、首相が憲法に基づいて職責を果たさなければならないことを常識として知っているはず。日本の近代史を謙虚に学ぶべきです。沖縄の南部戦跡を訪ね、戦争の悲惨さに思いをいたして」と訴えた。そして、こう続けた。「国家が教育を管理したり、人の内面を問題視したりしてはならない。安倍君には健康に留意し、東北の全面復興に取り組んでほしい」

「日本の過去と率直に向き合う勇気をもってほしい」と安倍氏に訴えかける青柳知義さん=東京都千代田区で、青島顕撮影

「日本の過去と率直に向き合う勇気をもってほしい」と安倍氏に訴えかける青柳知義さん

 

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 識者が見る、安倍新政権

 

衆院選での大勝を受けて、安倍晋三政権が26日に発足した。07年9月に在任わずか1年で退陣して以来の再登板となる安倍さん、今回の政権運営はいかに。経済、外交など問題山積の難局を担うことになる内閣の顔ぶれをどう見るか、識者に聞いた。

◇     新味ないにもほどが−−漫画家・倉田真由美さん

1971年生まれ。一橋大学商学部卒。代表作に「だめんず・うぉ〜か〜」。テレビコメンテーターとしても活躍中。

 事前にいろいろ言われていた顔ぶれよりも無難な方向なのかな、という感想です。若い人はそれほど多くないし、女性閣僚を何人も起用するような報道がありましたが、ふたを開けてみたら結局2人だけでしたしね。

 沖縄・北方、科学技術担当で初入閣した山本一太さんは、テレビで何度かご一緒したことがあります。堅苦しくなくタレントみたいな感じですが、政治家としての印象は特にないなあ。安倍さんと近いから選ばれたんでしょうか。

 それにしても、麻生太郎さんが副総理兼財務相兼金融担当相なんて重要ポストなのは、どういうつもりでしょう。一度首相をやった人が再登板すること自体、賛否が分かれているのに、ナンバー2まで元首相というのは新味がないにもほどがある。首相当時は失言放言が多かったし、会社の人事だったらあり得ない。麻生さんの良さって何でしょうかね。高齢だから最後の花道とか、景気対策がうまくいかなかったときに責任を取ってもらいたいからなのか。

 全体に突っ込みどころを少なくしたつもりなのかもしれませんが、前回衆院選でノーを出されたことを踏まえて、新しい自民党になるという姿勢がうかがえない。今回の選挙戦でも民主党政権でうまくいかない点があったのを「だから言ったでしょ」と言わんばかりに、まるで私たち国民のミスみたいに主張していたけど、おかしいでしょう。自民党も3年前にダメだと言われたんです。謙虚になるべきですよ。

 DV(ドメスティックバイオレンス)の前カレと別れたら、新しいカレは働かないヒモだった、やっぱり前カレの方が−−なんて私の漫画みたいなことじゃダメです。私たち国民もその点を勘違いしないようにしないと。

◇     ほごにされた財金分離−−元首相秘書官・成田憲彦さん

1946年生まれ。国立国会図書館勤務を経て、細川護熙首相秘書官に就任。前駿河台大学長。現在、同大法学部教授(比較政治)。

 今度の内閣は、甘利明、下村博文、山本一太の3氏ら「お友達」、麻生太郎、谷垣禎一両氏ら「ビッグネーム」、茂木敏充、林芳正両氏ら「政策通」という三つの要素を組み合わせた布陣だ。前回の安倍内閣は「お友達」が目立って批判を受けたが、その反省とともに、党内融和や論功行賞を重視してつまずいた民主党政権の経験も参考にし、熟慮した形跡がうかがえる。党四役と併せて女性を多用し、無派閥や初入閣者の起用も目立つ。あえて言えば「自民党は変わった」と見せることに腐心した印象だ。

官房長官に起用された菅義偉(すがよしひで)氏は、衆院選直後の日本郵政の社長人事を「政権移行期に財務省出身者でたらい回しにするのは看過できない」と批判した。一方で首相政務秘書官には今井尚哉(たかや)・前資源エネルギー庁次長を充てるとしており、「威圧と懐柔」で官僚を使いこなそうとする方針が透けて見える点は、単純に官僚を排除しただけの初期の民主党政権との違いだ。

 麻生氏を副総理兼財務相兼金融担当相にしたのは、盟友であり経済・金融政策についての考えが近いからだろう。だが橋本行革以来の財金分離をほごにするのは、安倍氏の前のめりの金融政策、財政政策とともに日本経済にとってのリスクといえる。

 公明党の閣僚ポストを、同党からの要望通りに国土交通相にしたことも注目される。今後10年間に100兆円を投じるという公明党の「防災・減災ニューディール」に協力する意味があるが、実は総額200兆円というもっと大規模な自民党の国土強靱(きょうじん)化計画への批判の盾にする狙いがあるかもしれない。かつての自民党の公共事業のばらまきに先祖返りすれば、安倍内閣のアキレスけんになる恐れがある。

◇     総括なきセピア色内閣−−政治学者・薬師寺克行さん

1955年生まれ。元朝日新聞記者。月刊誌「論座」編集長や政治部長などを経て、東洋大社会学部教授(現代政治論)。

 今回の顔ぶれには政策通が目立つほか、前回の首相辞任後に安倍氏が親しかった人、お世話になった人が少なくない。例えば官邸人事。主要政策の多くを実質的に決定する内閣の中枢だけに注目していたが、官房長官に菅氏、官房副長官に加藤勝信と世耕弘成の両氏を配した。首相補佐官や秘書官らの人事を含めて安倍氏の人間関係重視の性格が浮き彫りになっている。

 最大の特徴は自民党への信頼が地に落ちた時期に首相だった安倍、福田康夫、麻生の3氏のうち2人が総理、副総理という内閣の中心にいることだ。総選挙で大勝したとはいえ、自民党は野党時代の3年間、なぜ国民の支持を失ったかの総括も党改革もしていない。この人事は「自民党は変わっていないのではないか」という疑念を国民に抱かせる。

 景気対策を軸に政策の着実な実行という意味では、麻生氏や、経済再生担当相に起用した甘利明氏らは頼りになる存在であり、安倍内閣のキーパーソンなのは間違いない。だが、かつての自民党政権時代のように「政官業のトライアングル」が復活するようなら国民は再びそっぽをむくだろう。甘利氏ら原発推進派が入閣しているが、再稼働問題は参院選後に先送りするのではないか。

気になるのは自民党が衆院選後の21日、まだ安倍氏が首相に選出されていないのに党の税制調査会を開き、13年度の税制改正議論を始めたことだ。税調は利益誘導政治の象徴であり、党主導の手法は古い自民党そのままだ。党の部会や総務会による事前審査制を見直す動きもない。内閣と党を含む統治システムは何も変わっていない。

 政治記者を長くやった私の目に映る安倍内閣はとても懐かしい「セピア色」だ。

 


1 Comments

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週2時間で恩師ヅラ (マザー)
2013-01-04 01:25:49
反戦・平和の会の集会で
「60年安保の頃はデモの端っこにいたりして」
「べ平連運動の中にもいたことが」あり
「樺美智子さんが亡くなった日は、警視庁へ抗議に押しかけた」と発言していた
元学生運動家の青柳さんですね。
週に2時間、倫理社会を教えたってだけで
恩師ヅラとはずうずうしい方ですわ~
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